Z世代の心を掴む採用広報とは?~SNS×夏のタイミングで効果最大化を狙う~ 2025.7.29 人事・総務向け 失敗しない 計画・準備 こんにちは。2024年の8月からノルウェーのオスロ大学に交換留学で留学していた長男が2025年7月に帰国してきました。関西空港に到着し、まずは安くても美味しい回転寿司に行きたい、というリクエストがあったため、希望通りに回転寿司へ連れていきました。お寿司の味と安さに感動し通しで、クルクル回っている様子を撮影しInstagramにアップ。早速、ノルウェーの友人達から「いいね!」が来てるわ、とデジタル時代の繋がり方を改めて目の当たりにしていたところです。 この長男も大学3回生なので、帰国後すぐにインターンシップ先の選定やそもそもどの業界に行きたいと自分は思っているのか、情報収集を進めています。長男がよく見ているのはユーチューブ。動画で自分が知りたい企業の内容を見つけて研究しているのをよく見かけており、学生側の様子を身近に感じることができて私もラッキーと思っている次第です。 さて今回は、採用活動におけるSNSのあり方についてお伝えしたいと思います。 目次 Z世代に効果的な採用広報とは? 志願者に影響を与える採用動画 まとめ Z世代に効果的な採用広報とは? 近年、企業の採用活動において「広報力」が問われる時代となっています。特にZ世代(1990年代後半〜2010年代初頭生まれ)をターゲットにした採用では、従来の説明会や求人票だけでは届かない現実があります。そんな中で注目されているのが、InstagramやTikTokなどのSNSを活用した採用広報の強化です。 Z世代は、幼い頃からスマートフォンやSNSに慣れ親しんだ「デジタルネイティブ」。情報収集の手段も「Googleで検索」より「Instagramで調べる」「TikTokで見つける」へと変化しています。彼らにとって、企業の雰囲気や働く社員のリアルな姿をSNSで確認することは、ごく自然な行動です。そのため、企業が日常の様子や社員インタビュー、社内イベントなどを発信することで、共感や興味を引きやすくなります。 また、採用活動を強化すべきタイミングとして、7〜8月は非常に重要です。大学生の多くが前期試験を終えて時間に余裕ができるこの時期は、就職活動に目を向けるチャンス。SNSで発信したコンテンツが自然と彼らの目に触れる確率も高まり、母集団形成や企業認知の拡大に直結します。 さらに、Z世代は「共感」を重視する傾向が強く、トップダウンの情報よりも、社員一人ひとりの「リアルな声」に関心を持ちます。例えば、内定者が投稿する「就活体験談」や若手社員の「1日の仕事風景」は、非常に効果的なアプローチです。企業公式アカウントに加え、社員の個人アカウントでの発信を後押しする仕組みづくりも、今後の鍵となるでしょう。 このように、Z世代に対する採用広報では、SNSを活用したタイムリーで共感性の高い情報発信が不可欠です。特に学生の自由時間が増える夏のシーズンは、訴求力の高い採用コンテンツを計画的に展開する絶好のタイミングです。企業の「らしさ」を伝えるSNS戦略が、これからの採用成功のカギを握るのです。 志願者に影響を与える採用動画 採用活動における動画活用が進んでいます。その効果はどのようなものなのか。エン・ジャパンが5月に発表した「「採用動画」に関する調査」結果がなかなか参考になる結果が出ておりますのでご紹介させていただきます。 【採用動画を見ることで、その企業への志望度に影響はありますか?】 影響がある 17% 少し影響がある 25% あまり影響はない 13% 影響はない 7% わからない 38% 「影響がある」「少し影響がある」の合計で42%と半数まではいかないものの、影響はあるものと考えて情報発信はすべきだと思います。 【採用動画が志望度に「影響がある」「少し影響がある」と回答した方へ伺います。採用動画で、志望度が上がるコンテンツ内容について教えてください。】 仕事紹介 63% 1日の流れ 61% 会社・事業紹介 50% 福利厚生・制度の紹介 36% 社員インタビュー 33% 研修、育成制度の説明 30% オフィスツアー 24% 扱う製品・サービス等の紹介 21% トップインタビュー 16% パーパスや社風の説明 11% 社会貢献活動の紹介 6% 志望者側からすると「仕事内容」「1日の流れ」の2つが60%超、と入社後の自分をイメージする上で大事な項目が上位に入っていますので、この点を手厚く、具体的に情報発信することが効果的であることがわかります。 あと、企業側からすると「トップインタビュー」や「パーパス、社風」も発信すべきと考えて動画をアップしているケースも多く見受けられますが、企業が思っているよりは効果は薄いものだと考えて、作成の優先順位をつける上での参考にしてもらえればと思います。 【あなたにとって、適度に視聴できる採用動画の長さはどれくらいですか?】 1分未満 19% 1分~3分未満 46% 3分~5分未満 23% 5分~10分未満 7% 10分以上 1% 長さはあまり気にしていない 4% 「1分未満」「1分〜3分未満」を合わせて65%、と約3分の2を占めています。動画の長さを考える上で、3分未満にすることを前提に、的を絞った無駄のない発信をすべし、と考えて取り組んでいきましょう。このあたりはおそらく自前で作らず、動画作成会社に依頼されることが基本になろうかと思いますので、3分未満になるようオーダーされることをオススメします。 【志望度が上がった動画について教えてください。】 ・実際に自分が働く環境と1日の流れが分かると入社後のギャップが生じず、安心して働ける。(20代女性) ・文字で読んだ事業内容よりも、具体的に何をしているか分かりやすくて良かった。(30代男性) ・社員インタビューで私と同じ境遇の方が働いている様子を拝見し、志望度が上がった。(30代女性) 働く側、就職先を探している側からすると、少し興味のある企業で、自分がその企業に入社したらどのようなことを行うのかが、具体的に映像を通じて伝わると、応募する方向に進んでいく、ということが改めて明らかになっていると思います。 【志望度が下がった動画について教えてください。】 ・良い雰囲気がかえってゆるい環境に見えてしまうことがある。(20代女性) ・良いことしか言わない内容だと、どこまで正直な動画なのか分からない。(30代男性) ・作り込まれた感じや、若い方々のやらされ感を覚えてしまい応募をやめた。(40代女性) 良い情報ばかりだと不信感にも繋がりかねないので「ほぼありのまま」が企業側も肩の力を抜くことができるでしょうし、応募を考えている方々も見ていて自然、プラス点、マイナス点を踏まえて総合的に考えてもらうことができる、という流れになろうかと感じております。 まとめ Z世代をターゲットにした採用活動では、企業の雰囲気や仕事内容をリアルに伝えるSNS・動画の活用が非常に有効です。特に学生の自由時間が増える夏は、採用広報の強化に最適な時期。仕事紹介や1日の流れを中心に、共感を得られる短尺動画(3分未満)を発信することで、企業への興味・志望度の向上に繋がります。一方で、作り込みすぎた演出(盛りすぎ)や「良いこと尽くし」の情報は、かえって不信感を招く可能性もあります。リアルな日常や社員の本音を伝えることで、応募者が自分の将来を具体的にイメージしやすくなり、採用成功の確率も高まります。 また、動画の作成の際には、社内のZ世代社員がいるなら必ず意見を聞き、コンテンツを決定していくことが重要となるでしょう。 作成した動画内容についての意見を聞いている中で、ひょっとすると意見を聞いた社員の自社に対して現在好意的なイメージを持っているのか否かが表面化されてくるかもしれません。踏み絵的に、この動画いいよな、と無理やり認めさせず、素直に意見を聞き、動画について改善ポイントの意見が出てきた時はその内容は企業側の改善ポイントだと思いますので、真摯に受け止めて対応していくことが定着力にもつながるものと思います。 参考:「採用動画」に関する調査(2025/5/28)|エン・ジャパン https://corp.en-japan.com/newsrelease/2025/41694.html 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >人事担当者が知っておくべき「静かな退職」とは?「静かな退職」を防ぐために大事な人事部の役割について >【採用活動に影響大】就活ハラスメントを防ぐためのチェックリストと企業が取り組むべき対策をご紹介 >【人事担当者必見】4月入社の新卒社員に伝えておきたい「入社前にやっておくべきこと」と「若手への昭和世代共感プログラム」について CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 記事一覧へ この記事を見た人はこの記事も見ています 前の記事 目的から研修施設を探す 新人研修にオススメ 近くにゴルフ場がある 360°パノラマビューが見れる オフサイトミーティング チームビルディングに最適 BBQができる 研修パックあり 都内からのアクセスが良い その他の記事はこちら 【新入社員研修】2026年度の新入社員研修にオススメの施設特集 2025.7.10 パワハラと指導の違いとは?~職場の健全なコミュニケーションのためにできること~ 2025.6.27 【秋におすすめ】紅葉や食事、スポーツが楽しめる宿泊研修施設特集 2025.6.9 人事担当者が知っておくべき「静かな退職」とは?「静かな退職」を防ぐために大事な人事部の役割について 2025.5.29 【オフサイトミーティング×チームビルディング】おすすめのアクティビティと宿泊施設をご紹介 2025.4.25 関連タグ #MICE #アクティビティ #アフターコロナ #インセンティブ旅行(報奨旅行) #ウィズコロナ #オフサイトミーティング #オンライン研修 #コロナ対策 #チームビルディング #マニュアル・資料作成 #モチベーションUP #リーダー・主任・マネージャー #ワーケーション #中堅社員向け #人事・総務向け #労務管理 #失敗しない #新入社員向け #生産性UP #研修担当者向け #経営層・管理職向け #若手社員向け #計画・準備 #越境学習 #非日常