12月は組織づくりのチャンス!人事労務担当者が行うべき振り返りと目標設定の仕組みづくり

2025.11.14

12月は組織づくりのチャンス!人事労務担当者が行うべき振り返りと目標設定の仕組みづくり
こんにちは。関西万博ロス状態が続いている大阪在住の下村です。

私の中で2025年を振り返りますと、約30年前の大学生時代に米屋のアルバイトで平成の米騒動を現場で経験したこともあり、令和の米騒動といわれた備蓄米(古古古米)出動が印象に残っておりまして、新政権が今後どのような対応をして米問題を改善されていくのか、個人的にはとても気になっています。

あと、万博も開催前や開催当初はどうなることか、とあまり良くない評判や報道がされていましたが、最終的には閉会が惜しまれ、お土産を売っているショップは、閉会後の今でも大人気と私の想像をはるかに超えた人気ぶりと言えるでしょう。

さて、12月は、一年を締めくくると同時に、次の年を見据える大切な節目の月だと言えます。日々の業務に追われる中で、社員一人ひとりが自分の仕事を丁寧に振り返り、次の目標を考える時間を持つことは、組織の成長にも直結します。
人事労務の立場から見れば、12月は単なる年末業務の多い時期ではなく、人材育成と組織づくりを前進させる絶好のタイミングだと捉え、仕掛けていってもらいたいと思います。

今回は、「振り返り」と「目標設定」、そしてそれを「次に活かす方法」について考えてみましょう。

なぜ12月が重要なのか

年末は、業務の区切りがつきやすく、社員が自然に仕事もプライベートについて「この一年をどう過ごしたか」を考える時期です。また、多くの企業で評価・昇格・昇給などの人事サイクルが動くため、振り返りや目標設定が制度と直結しやすい時期でもあります。

もうひとつ大切なのは、12月の過ごし方が「新年のスタートダッシュ」を決めるという点です。
年が明けてから目標を立てようとすると、業務が始まり慌ただしくなり、流されてしまいがちです。年内にしっかり振り返りと目標を定めておくことで、1月からスムーズに行動へ移せることになります。

個人の振り返りと目標設定のポイント

個人の振り返りは、単に「できた・できなかった」を並べることではありません。
大切なのは、「なぜそうなったのか」「何を学んだのか」を言語化することだと考えています。

振り返りの視点

•成果の面

定量的な成果(売上、件数、達成率など)だけでなく、周囲への貢献、課題解決など定性的な面も確認する。

数だけでなく、周囲から良い反応を得たその内容を確認する、という観点で確認するとわかりやすいかと思います。


•成長の面

スキル、知識、人間関係、考え方など、自分がどのように成長したかを整理する。

何か新しく増えたか、いくつ新しく増えたかという観点で整理するとわかりやすいかと思います。


•反省の面

うまくいかなかった原因を「自分の行動」「環境」「スキル」の視点で分けて考える。

決して、自分以外の周囲の責任にせず、自分の責任で考えることが最大のポイントです。

こうして整理し、自分は「何を伸ばすべきか」「何を改善すべきか」について、具体的に見えてくるようになります。

目標設定のコツ

翌年の目標は、「夢」ではなく「実行計画」に落とし込むことが大切です。そのために活用できるのが、SMART原則です。

•S(Specific)具体的であること
•M(Measurable)測定可能であること
•A(Achievable)達成可能であること
•R(Relevant)組織の目的と関連していること
•T(Time-bound)期限が明確であること

たとえば「営業力を上げる」ではなく、「来年度第1四半期に成約率を5%向上させる」と設定することで、進捗が測りやすくなります。
また、目標は「成果目標(何を出すか)」と「行動目標(どう動くか)」に分けて立てると、より実践的になります。

先ほどの例で言いますと、

(成果目標)

来年度第1四半期に成約率を5%向上させるために


(行動目標)

1ヶ月の労働日数22日のうち、これまで全く実施できていなかった上司との同行訪問を4日以上セッティングする


(どう動くか)

そのために、毎週月曜日の朝に上司とスケジュール確認をして、アポイント可能な日時を3つ以上確保する

といった行動目標や動き方まで計画すると実現可能性が高まります。

人事労務としての支援と仕組みづくり

人事労務部門は、この「振り返り」と「目標設定」のプロセスを、組織として定着させる役割を担っていると考えています。個人の成長を組織の成果につなげるために、以下のような支援が有効です。

•上司との面談制度を整える

振り返りや目標設定を一人で完結させず、上司と対話しながら行うことで、客観的な視点とモチベーションを得られる。


•評価制度と連動させる

設定した目標が評価指標にどう結びつくのかを明確にし、納得感を高める。


•組織目標との整合性を取る

個人の目標が、部署・会社全体の目標とリンクしているか確認することで、一体感を生み出す。

また、人事労務担当者自身も「自分たちの役割をどう高めるか」を振り返る時期です。
制度運用だけでなく、社員一人ひとりが主体的に成長できる環境をつくることが、これからの人事部門に求められています。

なぜなら、社員一人ひとりに対して上司や人事部門メンバーが、毎日社内教育や研修指導できる環境はこの人手不足時代にマンパワー的には厳しいものがあるからです。

現実的には毎日一人ひとりと向き合って教育研修できないといっても過言では無い中、自ら主体的に考えて成長するために取り組もうとする社員の数をいかに増やすのか、を考えて、あの手この手で仕掛けていってもらいたいと考えています。

翌年への活かし方

振り返りと目標設定を「書くだけ」で終わらせないためには、次に活かす仕組みが必要です。
おすすめは、次の3ステップです。

1. 振り返りを言語化し、共有する

チームや部署で一年の成果や課題を共有する場を設ける。互いの気づきが次の行動のヒントになる。

私の例で言いますと2025年の目標として、音痴を治すために、ミセスグリーンアップの歌を人の前で歌えること、と1月に掲げていまして、その内容を部下がいつも、下村さんの歌楽しみにしています、と言ってくるので「やらざる負えない」という環境になっています。

この環境の力のおかげで、人生で初めて一人でカラオケの練習にも行っています。行動につながっている、ということですね。社内メンバーには内緒にしていますが、12月26日の社内忘年会で歌います。


2. 目標を行動に落とし込む

「いつ・どのように・誰と取り組むか」を決めることで、実行の確度を高める。


3. 定期的に見直す

1ヶ月か2ヶ月ごとに1回、振り返る仕組みを入れることで、目標が“生きた指針”にする。

このように「振り返り → 共有 → 行動」のサイクルを回すことが、個人と組織の成長を持続させるカギになります。できれば、このサイクルをチームや部署のメンバー間で確認し合う仕組みを作ると、やらざる負えない環境ができますので、この仕組みづくりが人事労務担当者の腕の見せ所だと思います。

堅苦しさを無くしたいのであれば、食事でも摂りながらフランクな雰囲気と場所で確認し合うのもありだと思います。

まとめ

12月の振り返りは、単なる年末の儀式ではなく、次の成長への準備期間です。
人事労務担当者が中心となって社員一人ひとりの“学び”と“挑戦”を支援できれば、組織のエネルギーは大きく変わります。

「今年をどう締めくくるか」で、「来年のスタート」は決まります。
この時期を上手に活用し、組織と個人の未来をつなぐ“前向きな節目”にしていきましょう。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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