越境学習とは?具体的な5つの方法や注目を集めている背景を徹底解説

2024.4.24

越境学習とは?具体的な5つの方法や注目を集めている背景を徹底解説
近年では、企業を取り巻く状況の変化や新型コロナウイルス感染症の影響などから、いかに生き残るかという課題を抱えている企業は少なくありません。

企業が生き残るには、常に成長し続ける必要があります。企業に所属しながら新たな環境で働く「越境学習」を実施すれば、従業員満足度を高めながら企業の成長につなげられるでしょう。

とはいえ、越境学習にはさまざまな手法があるため、自社に適した学習方法がわからない担当者は少なくないでしょう。

本記事では、越境学習の意味や注目される背景や、メリット・デメリットについて詳しく解説します。効果を出す5つのポイントや、オススメのプログラムも紹介しますので参考にしてください。

越境学習とは

越境学習とは、所属している企業や部署ではない環境で多角的に学ぶことです。

業務を遂行するのに必要な知識やノウハウなら、わざわざ環境を変えなくても学べます。ある程度仕事にも慣れてくれば、さらにスキルアップしたいと考えることもあるでしょう。

しかし、常に同じ環境では新たな知見は学べません。業務のマンネリ化によりモチベーションを保てなければ、離職率の増加につながる恐れがあります。

そこで越境学習により環境を変えれば、これまでとは違う知識やノウハウを身につけることができます。新たな環境でリフレッシュできれば、社内満足度の向上にもつながるでしょう。

越境学習が注目を集めている背景

近年多くの企業で越境学習が注目されるようになった背景には、VUCA時代への対応・社員のキャリア自立促進・企業の成長という3要素が大きく関係していると考えられます。

1.VUCA時代に対応するため
2.社員のキャリア自立を促進するため
3.企業の成長につなげるため

それぞれの要素について詳しく解説します。

vuca時代に対応するため

まず、VUCA時代に対応するための手段として、越境学習を導入する企業が増える傾向が見られます。VUCAの意味は以下の通りです。

●Volatility:変動性
●Uncertainty:不確実
●Complexity:複雑性
●Ambiguity:曖昧性

変動が激しく不確実な状況の中で企業が生き残るには、VUCAを意識した改革が求められます。

VUCA時代に対応するためには、社員教育が必要不可欠です。しかし、教育体制が整備されていなければ、社内満足度の低下から離職率が高まる恐れがあります。優秀な人材を失えば、企業の成長は叶いません。

そこで越境学習により新たな環境で学びを得られれば、VUCA時代に対応できる体制を整備できるでしょう。

社員のキャリア自立を促進するため

越境学習は、社員のキャリア自立を促進する効果が期待できます。

日本ではこれまで、終身雇用制度により定年まで働ける安心感がありました。しかし、社会情勢の変化や働き方改革の導入などにより、終身雇用制度は崩壊する兆しを見せています

希望する企業に就職しても、キャリアパスを描けなければ将来への不安が大きくなります。モチベーションを維持できなくなれば、生産性の低下や離職につながりかねません。

越境学習は、新たな視点からさまざまなことを学べるので、キャリア自立の促進にも役立つでしょう。

企業の成長につなげるため

越境学習は、企業の成長につながる効果が期待できます。

優秀な人材を確保できても、VUCA時代の中で柔軟に対応するには新たな価値観が求められるケースもあるでしょう。経験豊富なベテラン社員は頼りになる反面、新しい業務や最新技術への対応に時間がかかることも少なくありません。

これまで培ってきた経験や実績が多いほど、プライドが邪魔してしまい他者からの意見に耳を傾けないケースもあるでしょう。

越境学習は、ベテラン社員が新たな価値観を見出すチャンスになります。さらなるスキルアップを実現できれば、その結果企業の成長にもつながるでしょう。

越境学習の具体的な5つの方法

越境学習の方法は以下の5つに大別されます

1.ワーケーション
2.プロボノ
3.副業や兼業
4.レンタル移籍
5.異業種交流会

それぞれに環境や学習方法が異なるため、選択肢を間違えると思うような効果が得られない恐れがあります。目的にマッチした学習方法を選ぶことが大切です。

それぞれの学習方法を詳しく見ていきましょう。

1.ワーケーション

ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)から名付けられた働き方です。主にリゾートや観光地で行われますが、「休暇型」「業務型」があり、タイプによっても働き方が異なります。

●休暇型:リゾートや観光で行なうリモートワーク
●業務型:地域の人々との交流を通じて課題を解決するのが目的

いずれも新たな環境に身を置くことで、リフレッシュやモチベーションアップ効果が期待できます。

ワーケーションを検討される場合は、研修・育成・福利厚生など課題や目的に応じたプログラムのあるCO-MITをオススメします。

2.プロボノ

プロボノ(pro bono publico)は、「公共善のために」という意味があります。

目的は、仕事で身につけたスキルを地域や社会貢献活動に活かすこと。越境学習におけるプロボノでは、災害復興ボランティアや地域振興イベントなどでボランティア活動を行います。

越境学習の一環として社員をプロボノに参加させれば、CSR(企業の社会的責任)の遂行につながるでしょう。これにより企業は、社会や顧客から信頼を獲得できます

3.副業や兼業

副業や兼業も、越境学習の1つです。

本業のかたわら就業後の空き時間や休日を活用するケースや、本業と平行しながら異業種でスキルを身に着けるといったケースもあります。

いずれも本業では得られない知識や経験を得られるだけでなく、本業とは別に収入を得られるのもメリットです。

副業や兼業により得られた知識や経験は本業にも活かせるので、社員と企業の双方にとってもメリットにつながります。

4.レンタル移籍

レンタル移籍は、社員を他の企業に移籍させる手法です。

主な事例としては、大企業の社員がベンチャー企業に移籍して事業立ち上げの実践経験を積むといった取り組みがあります。また、レンタル先が異業種だった場合は、異なる視点からアイデアが生まれることも少なくありません。

期間は1年ほどですが、他社のノウハウや知識を得られるのでレンタル元の企業にとっても大きな収穫となるでしょう。

レンタル先の企業にとっては、事業立ち上げがスムーズになったり体制を強化したりできます。

5.異業種交流会

異業種交流会は、新たなビジネスチャンスを得られる可能性があります。

異業種交流会では、多種多様の業界から人が集まるため、本業では得られない刺激を受けられるのもポイントです。

ワークショップやセミナーなどさまざまなスタイルがありますが、他の手法のように本業にはあまり影響しないため経営者でも参加できます。

人脈が広がったり、越境学習で得た知識や経験を元にリーダーシップを発揮したりもできるでしょう。

企業が越境学習を行うメリット

企業が越境学習を行なうと、離職や人材流出の防止・人材育成の実現・新たな知見やノウハウを吸収できるといったメリットがあります。

本章では、越境学習により企業が得られる3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

1.離職や人材流出の防止につながる
2.人材の育成ができる
3.新たな知見やノウハウを吸収できる

離職や人材流出の防止につながる

まず、離職や人材流出の防止につながるのは、非常に大きなメリットといえるでしょう。

企業の成長には人材教育が欠かせませんが、リソース不足や資金不足といった理由から教育体制の確立が困難なケースは少なくありません

とはいえ、教育体制が整備されていなければ、スキルアップを望む社員の離職率が増加する恐れがあります。

そこで越境学習を導入すれば、社員は企業に所属しながらスキルアップを実現できるでしょう。社員満足度が向上すれば、離職や人材流出の防止につながります。

人材の育成ができる

越境学習は、人材育成にもつながります。

越境学習は経験の浅い社員の育成にも役立ちますが、ベテラン社員になると、人材の育成が困難になるケースがあります

社内にベテラン社員が学べる機会を設けるのが困難でも、越境学習ならスムーズに導入できるでしょう。

例えば、ベテラン社員がレンタル移籍でベンチャー企業に移籍すれば、移籍先で身につけた知識やノウハウを元にリーダーシップを発揮できます。

リーダーシップが身につけば、自社での人材育成にも役立つでしょう。

新たな知見やノウハウを吸収できる

新たな知見はノウハウを吸収できるのもメリットです。

所属している企業や部署での業務は、ルーチンワーク化しやすい傾向があります。毎日同じ仕事ばかりで飽きてしまえば、モチベーションの低下から離職につながりかねません。

越境学習は環境を変えられるので、新たな知見やノウハウを吸収できます。自社ではできない経験を通して刺激を得られれば、モチベーションが上がり仕事への意欲も高まるでしょう。

企業が越境学習を行うデメリット

企業が越境学習を行なうメリットがある一方で、デメリットが存在することに留意しましょう。

デメリットとしては、費用対効果の実感まで時間がかかること、プログラム実施の負担がかかることが挙げられます。

1.費用対効果を感じるのに時間がかかる
2.プログラム実施の負担がかかる

本章では、2つのデメリットについて詳しく解説します。

費用対効果を感じるのに時間がかかる

企業が越境学習を実施する1つ目のデメリットは、費用対効果の実感までに時間を要することです。

学習方法による違いはあるものの、越境学習で得た知識やノウハウがどの程度本業に活かしきれているかの効果測定は容易ではありません

例えばレンタル移籍では、1年ほど他の企業に移籍するため少なくとも1年以上の時間が必要です。

企業が越境学習を導入する場合は、すぐに費用対効果を感じられないことを前提に実施する必要があります。

プログラム実施の負担がかかる

2つ目のデメリットは、越境学習プログラムの実施に負担がかかることです。

有料のプログラムを利用する場合は、自社予算にマッチしているかを確認してください。

越境学習で社員が新たな知見やノウハウを吸収できたとしても、移籍期間中は他の社員が業務をカバーしなくてはなりません。社員の負担が増えれば、生産性が低下する恐れがあります

予算オーバーやリソース不足のリスクに備えられるなら、越境学習を導入するメリットでデメリットをカバーできるでしょう。

越境学習で効果を出すためのポイント

越境学習で効果を出すためには、社員の自発性・参加目的の明確化・振り返る場を設けるといった3つのポイントがあります。

1.社員の自発性を重視する
2.越境学習に参加する目的を明確にする
3.振り返りや反省の場を設ける

上記のポイントを意識して実施すれば、効果が出やすくなるでしょう。それぞれのポイントを詳しく解説します。

社員の自発性を重視する

企業や社員の成長という目標を掲げていても、自社での業務を希望する社員に越境学習を強要すれば社員満足度の低下につながる恐れがあります。

渋々参加してもモチベーションを維持できないままでは、必要な知識やノウハウを吸収できないでしょう。

越境学習に参加する社員を選定する際は、自発的な参加を重視してください。

自発的に参加したいという意欲があれば、新たな環境でモチベーションが上がるので効率的に越境学習をこなせるでしょう。

越境学習に参加する目的を明確にする

越境学習に参加する際は、目的を明確化することも大切です。

越境学習には、社員や企業の成長という大きな目標がありますが、導入目的は企業によって異なります。

例えば、ベテラン社員のリーダーシップを身につけたいのに、リモートワークのワーケーションを選んでも必要なスキルは身につきません。リーダーシップを身に着けたいなら、レンタル移籍がオススメです。

異業種交流会は、新たなビジネスチャンスを得られる可能性がありますが、企業の信頼度を高めたいならプロボノが適しています

越境学習を検討する際は、はじめにどんな目的で参加したいのかを明確化してください

振り返りや反省の場を設ける

越境学習は、実施したら終わりではありません。実施後は、振り返りや反省の場を設けてください。

越境学習に参加した社員が新たな知見やノウハウを身につければ、参加した社員は大きく成長できるでしょう。しかし、1人の社員が成長しても、企業の成長にはつながりません

企業の成長につなげるには、振り返りや反省の場を設けその内容を社内で共有する必要があります

振り返りや反省で得た内容を、テキストやデータにして見える化できれば社内での情報共有もスムーズです。見える化にはツールの活用をオススメします。

越境学習を始めるならCO-MITのワーケーションがおすすめ

引用元:CO-MITワーケーション公式HP
ここまで越境学習のメリット・デメリット、効果を出すためのポイントを紹介しましたが、具体的にどうしたらいいかわからず不安に思う方もいるでしょう。

越境学習を検討しているなら、「CO-MITのワーケーション」がオススメです。

CO-MITでは、企業のためのワーケーションポータルとして、研修・育成や福利厚生など目的に応じて適切なプログラムを提案しています。

プログラム 目的
ラーニング型 チームビルディング
フィールドスタディ
次世代リーダ育成
ビジネス創出型 地域課題解決
地方創生
地域交流
福利厚生型 社員旅行
ウェルネス
インセンティブ

上記の3タイプから目的に合わせて選べる他、越境学習の実施に最適な施設やモデルプランも紹介しています。

CO-MITのワーケーションを活用すれば、メンバー同士の関係性を再構築したり、企業価値の向上につなげたりする効果が期待できるでしょう。

今後、越境学習を検討しているなら、ぜひCO-MITのワーケーションをチェックしてみてください。

CO-MITのワーケーションの詳細はこちら

まとめ

越境学習は、所属する企業や部署とは違う環境で新たな学びを得ることです。

企業を取り巻く環境は変動が激しく、働き方改革などの影響もありVUCA時代への柔軟な対応が求められる傾向にあります。

また、終身雇用制度の崩壊が囁かれる昨今では、従業員満足度の向上につながる取り組みも意識しなくてはなりません。

そこで越境学習を実施すれば、人材育成や企業の信頼獲得など多くのメリットを得られるでしょう。

学習方法にはいくつかの選択肢がありますが、目的を明確化しておけば自ずと最適な選択肢が見えてきます。本記事で紹介した情報を参考にしながら越境学習を実施して、企業の成長につなげてください。

CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。
研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する!

また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。
ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。
ぜひお気軽にご利用ください。
専門家に相談する!

記事一覧へ

SEARCH NOW CO-MITで施設探しをしてみませんか?

CO-MITは“研修合宿のプロが選んだ、厳選された会場を「プロ目線で検索できる」”
研修合宿施設の検索サイトです。

施設を検索してみる