越境学習の成功事例6選!具体的な手法や効果を高めるポイントを解説

2024.5.7

越境学習の成功事例6選!具体的な手法や効果を高めるポイントを解説
越境学習は、現在の職場以外で異なる文化や価値観にふれる社外学習を指します。

社内研修では得られないイノベーションの創出やスキルアップの機会を設けられます。従業員のスキルアップと組織力の向上に、越境学習が効果的です。

しかし「具体的にどのような施策を実施すればいいのか」を知らなければ、越境学習を実施できません。
そこで本記事では、越境学習の成功事例を7つ紹介します。越境学習の具体的な事例と得られる効果について詳しく解説しますので、最後まで読み自社に合った施策を実行しましょう。

越境学習の具体的な事例

越境学習を実施するために、「どのような施策を実施するべきか」具体的な事例を確認しておきましょう。
越境学習の具体的な事例は、次の通りです。

  • ワーケーション
  • 副業・兼業
  • プロボノ
  • 留職
  • レンタル移籍
  • 異業種交流会
  • それぞれの事例を解説しますので、自社で取り入れるべき越境学習を検討しましょう

    ワーケーション

    越境学習の具体的な事例として、ワーケーションが挙げられます。ワーケーションとは、「work(仕事)」と「vacation(休暇)」を組み合わせた言葉です。

    地方やリゾート地で休暇を満喫しながら業務を行う「休暇型」と、休暇先で交流しながら課題解決に取り組む「業務型」の2種類あります。
    ワーケーションの目的は、主に次の4つに分類されます。

  • 地方で働く
  • 地方移転促進
  • 移住・定住促進
  • 休暇取得促進
  • 休暇先の地方やリゾート地で、普段とは異なる文化や価値観にふれることで、イノベーションを創出することが可能です。
    普段の職場では出会えない多様な人々とふれあうことで、新しいアイデアや価値観を生み出すきっかけをつくります。

    副業・兼業

    副業・兼業も、越境学習の具体的な事例の1つです。副業と兼業は混合されやすい言葉ですが、それぞれ次のような違いがあります。

  • 副業/本業の他に別の仕事を行うこと。副収入となる仕事
  • 兼業/複数の仕事を掛け持ちして行うこと。
  • 副業や兼業を行うことで、本業だけでは得られない経験や出会いがあり、成長するきっかけをつくれます
    さらに厚生労働省は、働き方改革において副業や兼業を推進しており、ガイドラインを公表しています。

    プロボノ

    越境学習の事例として、プロボノも具体的な施策の1つです。プロボノは、ラテン語の「Pro bono publico(公共善のために)」を語源とした社会貢献活動のことです。

    一定期間、NPO法人や地域団体の活動に参加し、社会貢献活動を通じて新たな経験を積みます
    プロボノはボランティアと混合されやすいですが「本業のスキルや知識を活用して社会貢献する」点が特徴的です。

    本業で培ったスキルや経験を活かして、社会課題を解決するために働くことで、自身の専門性を発揮します。

    留職

    越境学習とは、留職のような普段とは異なる場所で働く施策も含まれます。
    留職は、留学をもとにした造語で一定期間、新興国などの海外で働くことです。一般的にNPO法人や専門企業が、留職先となる国を案内するサポートをしてくれます。

    現地で自身の専門性を発揮するためには、自分の知識やスキルを活かして一からコミュニティを形成しなければなりません。
    留職で文化の異なる人々と交流し、新しい環境で自身のスキルや知識を活かすことで、グローバル人材を育成できます

    越境学習として留職を取り入れることで、従業員のコミュニケーション能力や課題解決能力を向上させることが可能です。

    レンタル移籍

    レンタル移籍は、従業員が一定期間だけ別の企業へ移籍して働く越境学習の事例です。

    一般的には、大手企業で働く従業員がベンチャー企業へ移籍して、事業開発に取り組むことを指します。
    レンタル移籍は、企業間同士で契約を結ぶか専門のプラットフォームを利用する方法があります。

    従業員をレンタルする企業は人材育成ができ、レンタル先の企業は事業開発ができる、どちらにとってもメリットがある施策です。

    異業種交流会

    越境学習の具体的な施策として、異業種交流会が挙げられます。

    異業種交流会では、違う業種の人々が集まり人脈形成や情報共有を行います。さまざまな業種が集まる異業種交流会では、新しいアイデアやイノベーションの創出ができ、越境学習の目的を達成できるでしょう

    異業種交流会は、他社の文化や価値観を取り入れられるため、従業員のスキルアップにつなげることが可能です。
    さらに人脈形成もできるため、企業のビジネスチャンスを拡大できます。

    越境学習の成功事例6選

    越境学習を成功させるためには、他社が行った事例を参考にしましょう。越境学習の成功事例として、次の6社の事例を紹介します。

  • JAL
  • ユニリーバ
  • 野村総研
  • キリンHD/三井住友海上火災保険
  • ハウス食品/NEC
  • 住友商事
  • それぞれの成功事例を確認して、自社で実施するべき施策を考案しましょう

    JAL

    JALを運営する日本航空株式会社では、越境学習として次のような施策を実施しています。

  • 休暇中のテレワークによる仕事の許可
  • 休暇型ワーケーションの導入
  • JALでは、2015年の働き方改革による取り組みによって、有給休暇の取得率がアンバランスになりました。
    有給休暇を取得しようにも、従業員は休暇中に仕事が溜まることのストレスや不安から、有給休暇の取得に消極的でした。

    そこでJALは、従業員が休暇中にストレスや不安を抱えないように、2017年からテレワークによる仕事を許可しています
    休暇中にテレワークを実施できるようになったため、従業員が気軽に長期休暇を取得できるようになりました。

    さらに福利厚生型のワーケーションを実施しており、従業員のモチベーション向上へ貢献しています。

    ユニリーバ

    ユニリーバは、2016年7月に働く場所や時間を社員が自由に選べる新しい働き方「WAA」を導入しました。
    上司に申請をして業務に支障がなければ、会社以外の場所で仕事ができます。

    さらに平日5時から22時の間なら、勤務時間や休憩時間を自由に設定できます。1日の労働時間は決めずに、1ヶ月の所定労働時間を設け、労働時間が足りない場合は翌月に調整することが可能です。

    「WAA」の導入により、従業員が時間を主体的に選択できるようになり、ストレスが軽減しモチベーションを向上させることができました

    さらに「WAA」は地域活性や地方創生と親和性が高く、2019年7月にワ―ケーション「地域 de WAA」を導入しています。
    提携自治体にある施設を「コWAAキングスペース(コワーキングスペース)」として、従業員が無料で利用できます。

    野村総研

    野村総研は、2017年から徳島県の古民家を活用して、1ヶ月間のワーケーションを定期的に実施しました
    野村総研のワーケーションは、次のような目的を掲げています。

  • 従業員のモチベーション維持・向上
  • 環境の変化によるアイデアの創出
  • イノベーションの創出
  • イノベーション創出に必要な課題の発見や視野を広げることを重要視し、従業員のスキルアップに貢献しています。
    従来の勤務場所から飛び出して、働く場所を変えることで従業員のモチベーション向上とイノベーションの創出を行った施策です。

    キリンHD/三井住友海上火災保険
    キリンHD/三井住友海上火災保険は、越境学習の施策として副業や兼業を推奨しています
    キリンホールディングスでは、2020年に副業を解禁しました。ベンチャー企業へのレンタル移籍を解禁し、副業として週3〜4時間ほど外部の企業で働く従業員が出てきました。

    三井住友海上火災保険では、課長に昇進する前提でレンタル移籍や社外での副業による越境学習を行っています
    キリンHDと三井住友海上火災保険は、副業や兼業・レンタル移籍を導入して、越境学習を成功させた事例です。

    ハウス食品/NEC
    ハウス食品/NECでは、留職による越境学習を成功させた企業事例です。

    ハウス食品では、従業員が日本のマザーハウスに9ヶ月間留職し、社外での経験を活かして仕事へかける志を見つけました。
    NECでは2015年に従業員がインドに留職し、帰国後にインドの健康課題に取り組む新事業を立ち上げています。

    ハウス食品とNECの施策は、留職によって従業員の成長と企業のビジネスチャンスを拡大した、越境学習の成功事例です。

    住友商事
    住友商事では、福島県南相馬市や岡山県西粟倉村による社会課題を体感する越境学習を導入しています。
    西粟倉村では、現地の社会課題へ取り組むリーダーたちから刺激を受けて、マネジメント力やモチベーションを向上させることができました

    現地訪問だけでなくオンラインでの越境学習も実施しており、課長や課長候補の役職人材の成長を促しています。
    社会課題を通じて事業で何ができるかを考えることにより、組織力の向上と新規事業の考案につなげています

    越境学習を行うことで得られる効果の具体例(受講者側)

    さらに副業やレンタル移籍によって、転職をせずに新たな事業や分野に挑戦できます。これまで関わったことがない分野や価値観にふれることで、自分のやりたいことを見直すきっかけをつくれます。

    他社で働く従業員と交流することで、自身のキャリアを見直してモチベーションを向上させることが可能です。越境学習を実施するべきか悩んでいる企業は、越境学習を行うことでどのような効果が得られるか確認しておきましょう。
    越境学習を行うことで受講者が得られる効果は、次の通りです。

  • アップにつながる
  • 転職をせずに新たな挑戦ができる
  • キャリアを見直すきっかけをつくれる
  • 越境学習を行うことで、異なる文化・価値観を取り入れて受講者がスキルアップできます。通常業務の繰り返しによるマンネリ化で、成長が停滞している従業員にとって、越境学習は良い刺激となるでしょう。

    越境学習を行うことで得られる効果の具体例(企業側)

    越境学習を行うことで得られる企業側の効果は、次の通りです。

  • 従業員のキャリア自律を促せる
  • 人材流出を防止できる
  • 新しいスキルやノウハウを取り込める
  • 生産性を向上できる
  • 従業員満足度を向上できる
  • 越境学習によって、従業員が主体的に仕事へ取り組む姿勢を養い、キャリア自律を促せます。
    また越境学習によって従業員の能力とエンゲージメントを向上させることで、人材流出を防止できます。

    外部企業や機関・地域社会から多様な価値観とふれることで、自社にはないスキルやノウハウを取り込むことが可能です。

    従業員のスキルやモチベーションを向上させれば、生産性や従業員満足度を向上させられます。

    越境学習の効果を上げるためのポイント

    越境学習の効果を上げるために、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 実施する目的を明確化する
  • 従業員の自発的な参加を促す
  • 振り返りの場を設ける
  • 学びを社内で共有する
  • まず「なぜ越境学習を実施するのか」目的を明確化しておくことが重要です。越境学習の目的が定められていないと、従業員が「なぜ参加しなければならないのか」と消極的になる可能性があります。

    強制的ではなく自発的に越境学習へ参加する風潮を整えなければ、従業員のスキルアップへつながりません。

    さらに越境学習を実施するだけでなく、振り返りの場を設けて「何を学んだのか」アウトプットさせましょう。
    学びを社内で共有することで、従業員個人ではなく組織全体を成長させられます

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    まとめ

    越境学習は、ワーケーションや留職・異業種交流を通じて、従業員のスキルアップとイノベーション創出を行う施策です。
    従業員エンゲージメントの向上や人材流出の防止、生産性の向上など従業員だけでなく企業によっても多くのメリットがあります。

    越境学習の効果を上げるためには、目的を明確化し自発的な参加を促すことが大切です。この企業で紹介した成功事例を参考に、自社に合う施策を実施してください。

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