次世代リーダー育成とは|求められるスキルや育成のポイント、成功事例を解説

2024.9.19

次世代リーダー育成とは|求められるスキルや育成のポイント、成功事例を解説
組織の運営および事業の進行のために、リーダーの存在は欠かせません。そのため、将来の組織のあり方を見据えて、次世代リーダーの育成に力を入れたいと考えている方も多いでしょう

しかし、次世代リーダーの育成は、一朝一夕にできるものではありません。求められる資質やスキルの幅も広く、計画的に取り組む必要があります。

今回は、次世代リーダー育成とはどのようなものであるか解説します。次世代リーダーに必要な資質やスキル、育成に成功した事例なども紹介します。

これから次世代リーダー育成を推進していこうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

次世代リーダー育成とは

次世代リーダー育成とは、将来の経営を担う人材を育成することです。現在の経営者が退陣した際に後継となる人材を育成するのは、組織の継続を図るうえで欠かせません。

リーダーは、将来の組織の目指すべき目標を決め、それに向かっていける経営者の候補を決定します。そのため、次世代リーダー育成は、中長期的な視点で取り組む必要がある重要な課題です。

次世代リーダー育成についての説明をするうえで、以下の2つの視点に焦点を絞って解説します。

  • 次世代リーダー育成が求められる背景
  • 次世代リーダー育成の取り組み状況
  • 次世代リーダー育成が求められる背景

    現在は、あらゆる組織において次世代リーダー育成が求められます。

    人材の流動化が激しくなっている状況の中では、20代など若い世代が次世代リーダーの候補となる機会も増えてきました。

    昔よりも転職が珍しくなくなっている昨今においては、人材の確保は重要な課題です。早い段階で将来の経営者の候補である自覚を持たせることで、他社への流出を防ぐ効果を期待する経営陣も増えています。

    若手社員の仕事に対するモチベーションを高め、仕事のパフォーマンスの向上を目的として、若い世代に対して次世代リーダー育成を行う事例も多いです。

    次世代リーダー育成には、将来の経営者育成という本来の目的に加え、人材確保やパフォーマンス向上など付帯的な意義が増えているといえるでしょう。

    次世代リーダー育成の取り組み状況

    実際に、次世代リーダー育成への具体的な取り組みを実施している企業は多くみられます

    HR総研が実施した「次世代リーダー育成に関するアンケート」の結果を見ると、次世代リーダー育成への企業における取り組み状況が読み取れます。

    従業員1,001人以上の大企業においては、65%が具体的な取り組みを行っているとの回答結果でした。また、従業員301~1,000人の中堅企業においては、56%が取り組みを実施していると回答しています。

    一方、従業員300人以下の中小企業においては、30%のみ取り組んでいるとの結果でした。企業規模が小さいほど、育成のノウハウが不足しているか、他の業務に追われ育成の時間が取れないと考えられます。

    引用:HR総研:「次世代リーダー育成に関するアンケート」

    次世代リーダーに求められる資質とスキル

    次世代のリーダーを育成するにあたり、次世代リーダーに求められる資質とスキルについての理解は不可欠です。育成における課題を把握し、効果的な取り組みを実践する必要があります。

    次世代リーダーに求められる資質とスキルについて、主な要素を以下に3点紹介します。

  • リーダーシップ
  • 目標達成意欲・行動力
  • 組織・人材マネジメント
  • リーダーシップ

    リーダーシップは、次世代リーダーにとって欠かせない資質です。

    状況が目まぐるしく変化する時代において、経営者として判断を求められる機会は多いでしょう。企業が長年築き上げてきた伝統や慣習を、場合によっては捨てて新しい方向へ舵を切る場面もあるかもしれません。

    そのため、経営者としてリーダーシップを発揮し、決断を誤らず正しい方向に企業を導いていける能力は重要です。

    リーダーシップといっても、単に集団を引っ張っていくだけではなく、その集団の特徴や長所を理解したうえで最適な選択が必要です。判断力に加え、普段から周囲をよく見て把握する能力も不可欠といえるでしょう。

    目標達成意欲・行動力

    企業が定めている目標を達成するために尽力できる意欲や行動力も、次世代リーダーとして必要不可欠の資質およびスキルです。

    企業の目標に向けて経営者が示す姿勢や行動は、他の幹部や管理職に伝播し、企業全体の方向性を決定します。困難な目標であればあるほど、経営者が率先して達成に向けての行動を示すことが大切です。

    経営者本人が自ら行動することにより、他の社員のモチベーション向上につながります。一貫した経営者の姿勢に加え、必要であれば方向性を変えて目標達成を目指す行動力も大切です。

    目標達成を優先するため、必要となる変化を受け入れる判断力がリーダーには求められます。

    組織・人材マネジメント

    組織および人材をマネジメントする能力も、次世代リーダーとして欠かせない資質およびスキルです。

    経営者は、企業が持つあらゆる要素を最大限に活用することにより、企業をよりよい方向に導いていく必要があります。特に企業における人材の配置は、経営戦略において重要な意味をもちます。

    各社員がそれぞれの特性や能力を最大限に活かせるよう、どのような配置をするのがよいのか検討するのがリーダーの役割です。

    また、経営者として自分が動くことも大切ですが、それ以上に人材や資金などの経営資源を効果的に活用する能力は欠かせません。次世代リーダー育成において、経営資源のマネジメントを実行する能力の向上を検討するとよいでしょう。

    次世代リーダー育成研修で身につける能力

    次世代リーダーの育成を行う際に、研修は効果的な方法です。研修は人材育成における代表的な手法と考えられており、さまざまな場面で広く利用されています。

    次世代リーダー育成を目的とした研修により、身につけられる能力の代表例を以下に4点紹介します。

  • 経営者の視点と思考力
  • 会社の課題を解決する変革力
  • 成長戦略を描く力
  • 自分自身を深く省みる内省力
  • 経営者の視点と思考力

    次世代リーダー育成目的の研修では、経営者の視点および思考力が身につけられます。経営者として企業全体を把握できる広い視野や、企業を最適な方向に導くための思考力など、経営者として保有しておきたい能力が伸ばせます。

    また、リーダー育成の研修では、経営者として実際に事業分析を実施しながら、中長期的なスパンのビジネスを構想する訓練を行うケースが多いです。現実の経営の場面を想定した内容であるため、実践的な能力の向上に寄与するでしょう。

    加えて、次世代リーダー育成目的の研修は、経営者としての視点や思考力の向上に加えリーダーとしての当事者意識を高め、次世代のリーダー像をイメージしやすくなる点でも意義があります。

    会社の課題を解決する変革力

    企業の課題解決を目指すために、これまでの慣習を捨てて変革するリーダーシップ能力を育成する目的で、リーダーシップ研修を実施するケースも多いです。

    経営者として従事する中では、過去にとらわれずに新しい取り組みを展開すべき状況になることもあるでしょう。

    研修では主に自社で抱える課題を題材にするなど実践的なプログラムを実施するケースが多く、実務に即した対応力の向上が期待できます。

    研修を受けることで、現状の企業が抱える課題の解決方法を模索し、他の社員など周囲を巻き込みながら企業をよい方向へ導く能力が身につきます。

    成長戦略を描く力

    次世代リーダー育成目的の研修では、企業の成長戦略を描く力が養われます

    成長戦略を描き、企業をさらに拡大していく推進力は、次世代リーダーにとっての重要な役割です。経営者として、想定外の変化が起こる状況下においても、企業を成長させるための最適な選択をする思考方法や手法が求められます。

    加えて、研修では事業を創造する力や成長戦略を描くための実践力の向上を目指します。具体的には、フィールドワークやリアルケーススタディの実施により、既存の考え方に頼らずに判断する場面を経験します。具体的かつ実践的な経験を経て、リーダーとしての資質を高める機会となるでしょう。

    次世代リーダーとして欠かせない企業全体の成長戦略を描く能力は、リーダー研修で取り上げられるケースが多い分野です。

    自分自身を深く省みる内省力

    研修を通じることで、自分自身を深く省みる内省力の向上も期待できます

    経営者には、組織の人材を引き付ける魅力あふれる人間力が必要です。性格はもちろん、ブレずに芯が一本通っている点も人間力の評価につながります。

    次世代リーダー育成研修においては、自分自身との対話を通じて内省を行い、リーダーとしての経営観や思考方法を再構築する機会が得られます。

    組織を牽引し社員のマネジメントをする経営者としては、まず自分自身について深く理解し見直せる能力が不可欠です。普段の生活では意識が難しい分野であるため、研修において具体的なカリキュラムを経るのは良い経験となるでしょう。

    次世代リーダー育成の成功事例3選

    次世代リーダー育成は、すでに多くの企業で実施されています。ここでは、主に大企業が実施してきた次世代リーダー育成の成功事例を、以下に3例紹介します。

  • サントリーホールディングス株式会社
  • 日本電気株式会社(NEC)
  • 株式会社商船三井
  • 1,サントリーホールディングス株式会社

    サントリーホールディングス株式会社では、次世代リーダー育成に向けて主に以下の3種類の取り組みを実施しています。

  • リーダーシップ・コンピテンシー
  • グループタレントレビュー会議
  • サントリー大学
  • リーダーシップ・コンピテンシーは、多様性が求められるグローバル社会においてもサントリーらしさを失わないための指針として策定されました。

    グループタレントレビュー会議は、グループ各社の垣根を超えて実施される会議で、次世代リーダーを見出し育成することを目的としています。

    サントリー大学は、サントリーの創業当初からの精神や考え方に共感できるプログラムが盛り込まれています。他の学習機関との連携も実施し、ケーススタディによる高い水準での教育が実施されている取り組みです。

    2,日本電気株式会社(NEC)

    日本電気株式会社では、NEC 社会価値創造塾と呼ばれるプログラムを用いて、グループ社員の普遍的な価値観の伝達および次世代リーダー育成を実施しています

    NEC 社会価値創造塾では、主に以下のプログラムが実施されています。

  • 共創学習
  • 現地学習(ラーニング・ジャーニー)
  • 内省学習
  • NEC変革プロジェクト
  • 企業内の学習形式の研修に加え、国内外の諸施設と連携して社内ではできない経験を経て、社員の視野の拡大を目的としています。

    日本電気株式会社の伝統ある考え方を伝承する一方で、将来の変化に対応できる能力を育成できる研修として注目されている事例といえるでしょう。

    3,株式会社商船三井

    総合海運大手企業である株式会社商船三井では、次世代リーダー育成を目的として、以下の3つの取り組みを行っています。

  • MOL CHART
  • One MOL グローバル経営塾
  • グローバル人材育成プログラム
  • MOL CHARTは、グループ全社員の行動指針として制定されたものです。社員が向かうべき長期的なビジョンを掲げており、次世代リーダーとしては重要な指針となります。

    One MOL グローバル経営塾は、2014年度から開始された社内スクールです。次世代を担う候補の人材を対象に、グローバルな環境に身を置きマネジメント力やマインドセットを学習します。

    グローバル人材育成プログラムは、管理職を対象にした人材育成プログラムです。語学講座や海外赴任予定者向けの研修を実施します。

    次世代リーダーを育成するポイント

    効果的な次世代リーダー育成を実施するためには、そのポイントを押さえることが大切です。次世代を担う人材育成を目指し、正しい育成方法や考え方を理解しましょう

    次世代リーダーを育成するポイントとして、主なものを以下に4点紹介します。

  • リーダーを自覚させる
  • 要件と修羅場経験を合わせて立案する
  • 座学だけでなく実践的な経験をさせる
  • 越境的な学習・体験を取り入れる
  • リーダーを自覚させる

    育成の対象者に、自分が次世代のリーダーであると自覚させることが重要です。リーダーとしての立場を研修などを通して経験し、その責任の重大さやプレッシャーを体感することで、次世代リーダーとしての自覚を促します

    リーダーとして自覚させることにより、以下のようなメリットを得られます。

  • リーダーとしての責任や役割を理解し、行動に移すことができる
  • 目標達成に向けて、主体的に行動できる
  • 部下や同僚の信頼を獲得できる
  • リーダーとしての成長を加速できる
  • リーダーとしての資質やスキルの習得を目指す前に、まずは対象者に自覚をもってもらえるように取り組むことが重要です。

    要件と修羅場経験を合わせて立案する

    次世代リーダー候補の人材が経営者としての資質やスキルを身につけるためには、要件と修羅場経験を合わせて立案することが重要です。

    要件とはコンピテンシーともいわれ、仕事や役割において優れた成果を達成するために必要となるスキル・能力・行動特性のことを指します。修羅場経験とはタフアサインメントともいわれ、リーダーとしての能力を磨くための難しい仕事や役割のことです。

    新事業の責任者を任せたり、困難なプロジェクトのリーダーに任命したりなど、あえて難度の高い役割を与えることで難題の中で自分の能力を最大限に発揮し、解決や目標達成を目指す能力が育成されます。

    座学だけでなく実践的な経験をさせる

    次世代リーダー育成においては、研修での座学だけでなく実践的な経験をさせる必要があります。OJTや役割のローテーションを通して、さまざまな場面でリーダーシップを発揮できる機会を作ることが重要です。

    組織が変わると相対するメンバーも異なるため、それぞれの組織の人材をマネジメントする能力が求められます。また、以前とは異なる分野の仕事に従事し、新しい知識や技能を身につけられるでしょう。

    次世代リーダーとしてあらゆる局面に対応できるようにするために、幅広い実務経験を積むことが大切です。座学で得た知識を実践に活かせるようになるためにも、座学に終始せず実践的な経験を多く積ませるような取り組みが求められます。

    越境的な学習・体験を取り入れる

    次世代リーダー育成を目的として、越境的な学習や体験を取り入れるのもオススメです

    越境的な学習や体験とは、普段勤務している職場を離れて異なる環境に身を置き、新たな知識や視点を身につけることです。

    越境的な学習や体験の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 他の企業や非営利法人への出向
  • 社外の勉強会やワークショップへの参加
  • ビジネススクールや社会人大学の受講
  • ボランティア活動やワーケーション
  • 普段とは異なる新しい環境でリーダーシップを発揮する中で、次世代リーダーとしての能力が磨かれます。自社内では得られない知識や視点を、越境的な学習や体験を通して身につけさせてみてはいかがでしょうか。

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    引用元:CO-MIT公式HP

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    まとめ

    次世代リーダーの育成は、企業継続および発展のために重要な事項です。近年はグローバル社会を迎えており変化に富んだ時代であるため、臨機応変に適切な判断を下せるリーダーの存在が欠かせません

    次世代リーダーには、リーダーシップや行動力など多くの資質が求められます。育成目的の研修において、経営者としての見方や変革力を伸ばす必要があります。

    次世代リーダー育成において、越境学習はオススメの方法の1つです。目的に見合った越境学習プログラムを探したい場合には、CO-MITを参考にしてください。

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