VUCA時代に求められるリーダーシップとは?必須となるスキルを解説

2024.5.22

VUCA時代に求められるリーダーシップとは?必須となるスキルを解説
デジタルテクノロジーの発展や社会のグローバル化、消費者ニーズの多様化など、企業を取り巻く環境は予測困難なVUCAの時代に突入しています。

このようなVUCAの時代で企業が発展していくためには、今までと異なるリーダーシップの発揮が必要です。

しかし、VUCAの時代に適応したリーダーシップのスキルや資質がはっきりわからない方もいることでしょう。

そこで今回は、VUCA時代を生き抜くために必要なリーダーシップについて解説します。今の時代に求められるリーダーシップのスキルも紹介するので、自社の人材育成施策に活用してください。

VUCA時代への対応はなぜ必要?

環境が目まぐるしく変化し、未来の予測が難しいといわれるVUCAの時代。

ビジネスシーンでは、これまでの成功手法やパターンが通用しない場面が多く見られるようになっています。VUCAの時代に適応したリーダーシップとは、どのようなものなのでしょうか。

VUCAの時代へ対応できるリーダーシップが求められるようになった理由として、次の2点が挙げられます。

  • 過去の成功体験や知識が通用しなくなっている
  • カリスマ型リーダーシップが機能しにくくなっている
  • それでは、個別に見ていきましょう。

    過去の成功体験や知識が通用しなくなっている

    企業を取り巻くビジネス環境は変化し、過去の成功体験や知識が通用しなくなっています

    リーダーシップの定義は多岐に渡りますが、組織をまとめ目標に向かって導いていくイメージを持つ方が多いでしょう。予測可能な過去の時代では、ある程度の予見や成功パターンで、目的を達成できました。

    しかし、AIの進化やDXの推進、パンデミックの流行などがあり、これまでの経験や常識だけでは通用しなくなってきました。

    こうした理由により、企業に求められるリーダーシップの概念が大きく変ってきています。過去の知識や成功体験にとらわれることなく、柔軟な思考でさまざまな変化に対処できる人材がリーダーシップを発揮することが求められています。

    カリスマ型リーダーシップが機能しにくくなっている

    カリスマ型リーダーシップが機能しにくくなっている点も要因の一つです。カリスマ型リーダーシップは、斬新な発想力と行動力で、企業や組織を牽引していく力があります。

    代表的なカリスマ型リーダーシップの人物として、Appleの創始者であるスティーブ・ジョブズが挙げられます。ジョブズの並外れた実行力とアイデアで、Appleを立て直したことは有名な話です。

    しかし現代は、すぐに正解を導くことが難しいVUCAの時代です。企業が社会変化に柔軟に対応していくためには、組織全体に柔軟性や判断の迅速さが求められます

    一人のカリスマ型リーダーシップで企業を引っ張るのではなく、チームにいる社員それぞれの自律的・自発的行動による組織作りが必要といえるでしょう。

    VUCA時代を生き抜くために必要なスキル

    VUCAの時代に求められるリーダーシップについて解説してきましたが、新しいリーダーシップに求められるスキルとは、どのようなものでしょうか。

    ここでは、VUCA時代を生き抜くために必要なスキルを4つ紹介します。

  • 意思決定フレームワーク「OODAループ」
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)
  • ビジョン・目標を明確化する力
  • コミュニケーション能力
  • 変化の激しいVUCAの時代を生き抜くためには、過去と同じスキルでは通用しなくなってきています。しっかりと把握しておきましょう。

    意思決定フレームワーク「OODAループ」

    業務改善の手法としてPDCA(計画、実行、評価、改善)が有名ですが、PDCAに代わり、意思決定フレームワーク「OODAループ」が注目されています

    意思決定フレームワーク「OODAループ」は、以下の4つの単語の頭文字を取ったものです。

  • Observe(観察)
  • Orient(状況判断)
  • Decide(意思決定)
  • Act(実行)
  • 最初に時間をかけて計画することから始めるPDCAと違い、OODAループは観察と状況判断から始まる点が特徴です。

    OODAループが注目されるようになった背景には、デジタルテクノロジーの進化により、市場や顧客ニーズの多様化が挙げられます。

    何が起こるか予測不可能なVUCA時代では、変化に対応しやすいOODAループによる判断・実行が求められることが増えてきました。OODAループによる意思決定フレームワークで、スピーディーな判断と意思決定をすることが、今後ますます重要になってくるでしょう。

    コンセプチュアルスキル(概念化能力)

    コンセプチュアルスキル(概念化能力)も、VUCA時代に注目されているスキルです。コンセプチュアルスキル(概念化能力)とは、物事の本質を見極められる能力を指しています。

    変化の激しいVUCAのビジネス環境で、企業や組織は常にスピーディーで柔軟な対応を求められることが多くなっています。トラブルやさまざまな課題に直面したときに、起こっている物事の本質をとらえ、最適な判断ができるスキルがコンセプチュアルスキルです。

    提唱したハーバード大学教授のロバート・カッツによると、コンセプチュアルスキルは組織に大きな影響を与える能力といわれています。そのため、経営層やトップマネジメント層に特に求められるスキルとして扱われています。

    このスキルを身につけると、正解が難しい問題が生じた場合、物事を理論的に考え周囲を納得させられる答えを出すことが可能です。問題解決のために何をすればよいか計画し、的確に対応できます。

    ビジョン・目標を明確化する力

    これからの時代のリーダーシップには、ビジョン・目標を明確化するスキルが必要です。

    リーダーシップは、目標に向かって組織やチームの方向性を決定し、チームを引っ張っていく能力です。ビジョンや目標が曖昧だと、部下やメンバーは進むべき方向や何をしたらよいかがわからずチームとしてまとまらないでしょう。

    リーダーシップを発揮し部下の意識を高めるには、組織や会社の目標をはっきり確認しましょう。そのうえで、チームのビジョンや何を目指すのかを提示し共有することが重要です。

    また、リーダーシップにはさまざまな役割があり、部下の能力を引き出すことも大切です。

    明確にビジョンや目標を提示することで、メンバーは意識が向上し、主体性を持った行動が可能になります。それぞれが自主性を持って業務に取り組むことで、チームのモチベーションアップや目標を達成できる可能性が飛躍的に高まります。

    コミュニケーション能力

    リーダーシップを発揮するためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。VUCAの時代に強くなるためには、人を導くだけでなく、良好な人間関係を築くコミュニケーション能力が重要です。

    コミュニケーション能力が高い人は、人の話や意見に耳を傾けることに長けています。真摯な態度で話を聞いてもらえれば、相手は信頼感や親しみを持つでしょう。
    またメンバーの意見や考えを聞きながら、自身の言いたいことを相手にわかりやすく伝えることも重要な要素です。コミュニケーション能力は会話や伝達だけでなく、相手の表情やしぐさ、感情から読み解く力も必要といわれています。

    信頼関係の構築は、メンバーの士気やモチベーションにも大きく影響します。問題が起こったときでも、コミュニケーションを取ることで解決策を見つけられるでしょう。

    VUCA時代に適応するリーダーの3つの種類

    社会環境や状況が常に変化するなかで、企業は適切な対応を常に求められます。リーダーシップの在り方についても従来と同じ方法ではなく、状況に応じてスタイルを変化させる必要があります

    VUCA時代で注目されているリーダーには、どのような種類があるのでしょうか。

    ここでは、VUCA時代に適応するリーダーを、以下に3つ紹介します。

  • 1.サーバント・リーダーシップ
  • 2.セキュアベース・リーダーシップ
  • 3.オーセンティック・リーダーシップ
  • リーダーシップにはさまざまな種類がありますが、現在では相互コミュニケーションを重視したものが主流です。VUCAの時代の特性を踏まえて、それぞれの特徴を把握しましょう。

    1.サーバント・リーダーシップ

    サーバント・リーダーシップは、「支援型リーダーシップ」や「奉仕型リーダーシップ」といわれます。サーバント・リーダーシップは、メンバーの主体性に働きかける方法として、VUCAの時代で必要とされているリーダーシップです。

    リーダーが先頭に立ってチームを牽引する支配型リーダーシップに対し、サーバント・リーダーシップは、メンバーの自主性を重要視します。リーダーは部下やメンバーに対して命令や指示せず、リーダー自ら奉仕の精神でメンバーを支えながら導いていく点が特徴です。

    コミュニケーション能力を発揮しながら、個々のメンバーとの信頼関係を築き、協力して目標達成を図ります。信頼関係を構築することでチームが一体化し、目標達成が可能になるでしょう。

    2.セキュアベース・リーダーシップ

    セキュアベースは、「安全基地」という意味で、イギリスの心理学者ボウルビィが提唱した愛着理論です。人が新しいことに挑戦するためには、何らかのセキュアベース「安全基地」が必要であるという概念に基づきます。

    企業におけるセキュアベース・リーダーシップは、リーダー自身がメンバーの「安全基地」となります。メンバーが失敗やリスクを恐れずチャレンジできる環境を、リーダーが提供することで、心理的な安心感を持ちながら挑戦することが可能になるのです。

    セキュアベースでは、安心感があるため、リスクを恐れず新たなチャレンジが可能です。メンバーの自主性を引き出すことで、才能の開花など高いパフォーマンスを上げることを期待できます。

    3.オーセンティック・リーダーシップ

    オーセンティック(authentic)は、日本語に直訳すると「本物の」「真正」「信頼できる」といった意味があります。自身の価値観や倫理観、信条を第一に行動する、オリジナルのリーダーシップ像といえます。

    オーセンティック・リーダーシップが注目されている背景は、従来のリーダーシップが通用しないことと、急激に変化する時代背景が要因です。

    オーセンティック・リーダーシップに必要な特性は、以下の5つです。

  • 目標・目的の明確な理解
  • モラルに基づいた行動
  • 真心のあるチームリード
  • 良好な人間関係の構築
  • 自らを律し、常に学び続ける
  • オーセンティック・リーダーシップは、自分の弱みをさらけ出し、自身を律しながら学ぶ姿勢が求められます。信念を大切にし、メンバーとの信頼関係を築ければ、高い指導力を発揮できるでしょう。

    VUCA時代のリーダーシップを養うためにできることは?

    これまで、VUCA時代に柔軟に対応できるリーダーシップについて解説してきました。

    リーダーシップのスキルを高める育成は、企業の発展や将来に関係する重要な取り組みです。しかし、どのようにして育成すればよいかわからないといった声も少なくありません。

    VUCA時代のリーダーシップを養うためには、以下の研修やプログラムが効果的です。

  • マネジメント研修
  • 越境学習プログラム
  • マネジメント研修

    マネジメント研修は、組織を率いて目標達成や課題解決に対処できるリーダーを育成するために有効な施策です。企業は優秀なスキルを持つ人材を育成することで、企業の成長や業績拡大が期待できます。

    マネジメント研修で得られる主なスキルは下記の通りです。

  • マネジメントに関する知識
  • 組織の形成及び運営
  • 部下の管理及び育成法
  • 経営に関する知識
  • マネジメント研修では、マネジメントの知識から目標管理、部下の育成法などのスキルを高めることが可能です。マネジメント研修を受ける対象は、課長や部長職といった管理職が一般的ですが、研修によってはチームリーダー向けもあります。

    プログラムの種類も豊富で、社内集合研修や社外研修・セミナー、オンライン研修などがあります。

    越境学習プログラム

    越境学習は、普段勤務している会社や職場を離れ、異なる環境に身を置き新たな視点や価値観を得る学びです。

    社会変化が激しい現代を企業が乗り越えるには、社員の能力開発や人材育成が必要です。そのため、次世代のリーダー育成法の有効な施策として、越境学習プログラムが注目されるようになってきました。

    越境学習プログラムを体験することで、これまでのものの見方や仕事を客観視できるようになります。多様な価値観を持つことが可能になり、能力やスキルアップ、キャリア形成に役立ちます。

    企業が越境学習を実施することで、リーダーシップ人材の育成、生産性の向上、イノベーションの創出などを期待できるでしょう。

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    引用元:CO-MITワーケーション公式HP

    企業の未来を創造していくためには、優れたリーダーシップを発揮できる人材が必要です。

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    まとめ

    VUCAの時代のリーダーシップとはどういったものか、どのようなスキルが必要なのかを解説してきました。

    未来の予測が難しいVUCAの時代だからこそ、会社や組織、チームを目標に向かって、迅速かつ的確に動かすリーダーシップが求められています。

    VUCAの時代では、優れたリーダーシップを発揮できる人材を育てていくことが、ますます必要となってくることでしょう。

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