【助成金の活用】コロナ緊急事態宣言が延長したからこそ、学びの多い時間にするために

2020.5.20

【助成金の活用】コロナ緊急事態宣言が延長したからこそ、学びの多い時間にするために

前回の記事「コロナウイルスで緊急事態宣言が出ても生き残る会社や自分になるために」に引き続き、
今回もコロナウイルス関連になりますが最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。

コロナ問題の長期戦化

コロナ問題が発生して2ヶ月以上が経過、4月の緊急事態宣言発令から1ヶ月以上が経過したにも関わらず、日本国内ではまだまだ終わりが見えないコロナ問題。さらに1ヶ月程度は自粛生活が続きそうな気配です。
中国をはじめ欧米諸国では経済活動が再開される地域もありつつ、1年以上はコロナ前の環境には戻らない、ということが確実視され、私自身もコロナ問題は「長期戦」である、と腹をくくりました。

この記事を書いているGWも、これまでに無い過ごし方を強いられている方が大半で、「ストレスをどのように解消するのか」「コロナ太りで大変だ」、といった身近なマイナス面のことをよく聞きます。

私の場合は逆で、これまでであればGWは周囲がどこかに行くから我が家の家族をどこかに連れていかなくては、というプレッシャーや自分のことに時間を使えないというストレスからは解放され、さらに、2年以上継続している朝ランにもじっくり取り組めているのでコロナ太りとは無縁な生活を送ることができています。
自粛生活に慣れてきた、といいますか、自粛生活の中でも「プラス面に目を向けること」ができるようになってきた、ということができます。

事象をマイナス→プラス面で考える

今回のコロナでマイナス面は考えやすい環境だと思いますが、あえてプラス面を考えてみてはいかがでしょう。
プラス面を多く見出すことが出来るほど、自粛生活の中に価値を感じることができる自分になれます。

また今後、コロナ問題が解決され世の中の飲食店を救おう!日本経済を盛り上げよう!といった感じで、社会貢献と題して毎日外食だらけ、毎晩飲み歩かないといけない、といった風潮になることは必須で、その風潮が来たら、それこそ「コロナ解消太り」といった言葉が出てくるものと私は想定しています。
要は、どのような状況であっても自分自身の捉え方によって、プラスにもマイナスにもなる、ということを体感できる良い機会だと私の中で考えることができています。

ここ最近のコロナ禍で例えば、飲食業のように本当に苦戦されている業種・業界もあれば、食料品や日用品等を中心とした物流会社は超繁忙で、ドライバーの長時間労働が今まで以上に心配されている、という事態も起こっています。
来店型飲食店でも、持ち帰り商品を拡充させ、ウーバーイーツもうまく活用し、さほど売り上げを落とさずに済んでいる企業もあるようで、このような企業は変化対応力が高く、実行力もあり、どのような環境下においても生き抜くのだ、という強い気持ちがあると感じます。

我々もこのような変化対応力や実行力、気持ちの強さを身につけていかなければなりません。

テレワーク導入後の実際の声と問題点

今、変化対応力として注目されているテレワーク対応ですが、うまく行っていないケースもあるようです。
中には、ここ2ヶ月間で3年分くらいの変化を成し遂げた、といった前向きな経営者な発言を聞くこともあれば、自宅でテレワークができる環境はあるものの、以下のような問題を会社に申し出てくる従業員もいるようです。

(1)子供がうるさい・気になる
(2)家族が横からチャチャを入れてくるので集中できない
(3)通信回線が弱く動画がぎこちない、音声が聞き取りにくい
(4)最初は通勤しなくて良かったが、徐々に寂しくなってきた
(5)運動不足に陥っている
(6)オンライン会議のやり方を覚えた上司がやたら会議を開催する
(7)テレワーク勤務になった上司から仕事の進捗報告をやたら求められる

(1)子供がうるさい・気になる
学校の休校がいつまで続くのかが、ポイントですね。
特に小さいお子さんがいる場合はテレワークの時間を細かく設定し、テレワーク中は子供の面倒をみてもらえるよう、他の家族にも協力してもらう、ということが大事になろうかと考えています。
場合によっては、近所付き合いの中で、小さいお子さんの面倒をみてもらう、ということも考える必要があるかもしれません。
また、9月入学の議論が出てきたことはびっくりでした。混乱期に一気に変化させてしまおう、という発想は賛成です。
私にも高校3年の受験生がおり本人も不安な様子ですが、全国の高校3年生が同じ状況だから、と伝えています。

(2)家族が横からチャチャを入れてくるので集中できない
ヒアリングした中で一番ユーモアがあったケースです。
家にいるお爺さんがテレワークをしている孫を見て「それ知ってる、テレモードやろ?」と横からチャチャをいれてきたり、オンライン会議をしている時にも、後ろをわざと通って画面に映ろうとしてくる家族がいる、といった従業員は、現在ふろ場からオンライン会議に参加する事態になっている、ということでした。

(1)(2)ともに各家庭の環境が異なる中、長期戦を想定すると会社としては、従業員個人の努力でカバーしてもらうことにも限界があると考えて、会社まで出社する必要はないものの、自宅の最寄駅にサテライトオフィスを借り、テレワークの環境を整備する、ということも一案だと思います。その分、毎月の通勤交通費は0円もしくは自転車駐輪場代のみ、としてサテライトオフィスの賃料で増える経費を少しでも抑えることができれば、と思います。

ちなみに、現時点でかなり注目されている「雇用調整助成金」に関連してよく質問される内容が、休業をさせた場合の交通費についてです。休業させる、すなわち出社していないので交通費は支給しない、という就業規則になっている場合は休業中には支給無しとして問題ありませんが、交通費を支給しないことにより、各自に支給する休業手当の単価が、各自の平均賃金の60%以上の金額になっているかどうか、という点がポイントとなります。

この雇用調整助成金は手続きが煩雑で手間暇がかかる助成金として有名でしたが、今回のコロナへの対応を考慮して簡素化がすすみ、「みなし失業」という考え方でも請求できる方向になりつつあります。
しかも、1日あたりの上限金額が8,330円、と決まっていたものの、社会的な要請もあり、1日あたり15,000円程度まで上限金額が引き上げられるものと思われます。(2020年5月11日現在)
雇用調整助成金も変更の連続でわかりにくい点もありますが、国も必死に国民の生活を守るために考えてくれている、とプラスに捉え、制度を活用できそうな企業様は是非リーフレット等でご確認ください。

(3)通信回線が弱く動画がぎこちない、音声が聞き取りにくい
これはとてもストレスを感じる環境です。
場合によっては重要なやりとりがうまく伝わっておらず、あとで大問題に発展する可能性が潜んでいます。
テレワーク実施者から初期段階(スタートから3日以内を目安)でヒアリングを行い、もし不具合を感じている従業員がいるようであれば会社費用で環境改善に向けた投資をするべきです。

国からも、令和2年2月17日以降の取組について、働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)を改正してバックアップしてくれています。

主な改正内容
(1)受け入れている派遣労働者がテレワークを行う場合も対象とする
(2)パソコンやルーター等のレンタル・リースの費用(※)も対象とする
※事業の実施期間内(2020年5月31日まで)の経費であり、かつ、同日までに支出されたものに限る。

ここで注目なのは、パソコンの費用も対象となっている、ということです。
これまでは一部を除き、テレワーク関連の助成金ではパソコン本体の費用は対象外でした。5月末までの経費であれば認められる、ということで間に合わないケースも出てくるかと思います。
ただ、テレワークの流れは今後ますます国も推奨していますので、6月1日以降もおそらく何らかの助成があることが期待されます。一部では、テレワーク導入にちょうど良い価格帯や性能のパソコンが品薄だと聞いていますので、検討されている場合は、御社に出入りされているシステム関連会社のご担当者に在庫や納期等の確認を今からしておいても良いかと思います。

(4)最初は通勤しなくて良かったが、徐々に寂しくなってきた。
テレワークばかりの方はやはり孤独を感じるようです。
今流行っているオンライン飲み会だけではなく、オンライン読書会やオンライン研修会を実施して、社員同士の繋がりとともに、知的刺激を与えることにより、寂しさを軽減してもらいたいところです。
人間は学ぶことによって感謝できるようになります。
オンライン飲み会だけでは寂しさは一瞬解消できるかもしれませんが、長続きはしないことを肝に銘じ、オンライン社内コミュニケーションをあの手、この手、と考えていきましょう。

(5)運動不足に陥っている
本人の意識の問題ではないか、と思わされつつも、会社として従業員の健康管理も面倒をみていくよ、という企業様の場合は、世間でオンライン飲み会やプッシュアップリレーが流行っているように、社内テレワークメンバー同士を繋いでコミュニケーションをとるだけでなく、皆で一緒に家の中でできるストレッチやエアロビクスのようなことを画面上で実施してはどうでしょうか。
中には、オンライン朝礼を開催しラジオ体操や3分間スピーチをして、心身のトレーニングを継続している企業様もあります。

(6)オンライン会議のやり方を覚えた上司がやたら会議を開催する
(7)テレワーク勤務になった上司から仕事の進捗報告をやたら求められる

(6)(7)ともに、上司・管理職としての考え方やテレワーク時代における部下との接し方を学んでもらうべきだと思います。
若手からすると、テレワーク環境下でも仕事の成果を出すために必死で取り組んでいる時に必要以上に上司からの介入が入ると邪魔で仕方がない、というのが本音のようです。
便利なテレワーク会議でコロナ前よりも会議数が増えている、という事例もあります。
部下後輩の時間泥棒にならないよう、周囲へのコミュニケーション頻度はほどほどに、という教育が大事になります。
管理職研修をオンライン上でやっておくことで、アフターコロナ期でも当然に重要となる考え方や対応方法を社内に浸透させておきたいものです。

最後に

今回も話の論点が色々と出てきましたが、特にお伝えしたかったのは次の点です。
・同じ事象でも考え方によって、プラスにもマイナスにもなる。
・「長期戦」では、変化対応力、実行力、気持ちの強さがポイント。
・テレワーク時代の新たなマナーやルールを学ぶ必要がある。

次回の記事投稿時には、緊急事態宣言が全国的に取り下げられていることを期待しつつ、引き続き学び続け、「今」を価値ある時間に自らしていきましょう。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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