【自社モデルの構築に!】コロナ禍に押さえておきたい人事労務管理のポイント

2020.6.10

緊急事態宣言解除後の動きとこれから

緊急事態宣言も解除され、少しずつ日本全国が運転再開、といったところですが、一部地域ではクラスターが発生し、
逆戻りも懸念されています。
皆様も「自分は罹患しない」と思って警戒を緩めることなく、
自分や家族のためにも通勤ラッシュや飲食店等での過密には注意していただきたいものです。

2月頃から始まったコロナ騒動で、宿泊業や飲食業のように本当にピンチになっている業界もあれば、
スーパーやホームセンター等日用品や巣ごもり時に必要となる商材を扱っている業界では売上急増、
といったように、明暗分かれている面もありますが、先日、考えさせられる言葉を聞きました。

「不況また良し」です。
100年ほど継続する企業の秘訣を研究する勉強会に参加していた時に聞いた言葉です。

100年続く仕組みが元々企業に備わっていたからではなく、
戦争や震災を乗り越えたからこそ100年も続く企業になっていったはず。
今回のコロナを経験したからこそ会社が強くなった、
社内メンバーの気持ちも以前より団結していったという機会にしなければならない。
まさに、「不況(ピンチ)また良し(とても良い機会)」だ、いう内容です。

ちなみに、日本の人口は世界約77億人の2%にも満たないのにもかかわらず、
世界全体で、100年以上続いている企業の半数以上が日本に存在している、と言われています。
例えば、江戸時代では火事(ピンチ)が多かったので、日頃から家を復旧させるための木材を蓄えておき、
その木材を使って周囲の人たちが一緒になって家を立て直す、という助け合いの文化が育まれていったようです。
明日は我が身、ということで他人の火事(ピンチ)で、一致団結となる風土や回復の仕組みが構築されたからこそ、
江戸時代が260年も続いたのではないか、とも言われています。

コロナ禍で増えている問題

一部で中国からの人災ではないか、といった話もありますが、コロナは天災であると考え、
あくまできっかけに過ぎないと思います。
今後ますます表面化されると思われる失業者問題や業績悪化は、厳しい見方をすると、
個人や企業としての普段からの備え不足による人災と捉え、
自責で考えていくのが正しい解決策を生み出すと思います。

ここからは、特に最近増えてきている代表的な相談内容を2点ご紹介させていただきますので、ご参考にして下さい。

傾いた業績に比例し、増える解雇や労働条件の悪化

(1)まずは一点目
解雇や賃金カット、雇い止め・内定取り消し、といった内容で、少し心が荒んでしまうようなお話。
コロナ禍においてはある程度仕方が無いとは思いつつ、労務管理の視点ではコロナ禍だから解雇がしやすくなる、
ということはなく、リーマンショック後の裁判例からの教訓により、普段通り、に取り組まなければなりません。

いくつかの判例でも、環境変化時には労働者に不利益となることがやりやすくなるということはなく、
普段通りに労使間での丁寧な話し合い、状況共有、経営側の努力、
労働者側からの同意が求められることが示されています。

「解雇」
4期連続赤字のなかで不採算部門の従業員に希望退職の募集をし、これに応じない者を解雇した事案。
リーマンショック後の雇用情勢の悪化が予想されるなかでは、被解雇者数をできるだけ少なくする配慮が必要であり、
社長報酬(1億7000万円)をそのままにして被解雇者には100万円未満の退職金しか支給しなかったことは
解雇回避努力に欠けるなどとして、解雇を無効とした。
(日本通信事件・東京地判 平成24・2・29労判1048号45頁)

「退職勧奨」
リーマンショック後の業務縮小に伴う退職勧奨と自宅待機命令自体は違法とまでは言えないが、その後行われた解雇については、
解雇回避努力が不十分で人選の合理性にも欠けるとして、解雇を無効とした。
(クレディ・スイス証券事件・東京高判 平成25・1・31LEX/DB25540130)

「賃金」
リーマンショック後の経営悪化に伴う従業員全員の賃金減額(約10%)について、
朝礼の場でその必要性を数回説明したとしても、
その減額幅や終期等の具体的な説明が不十分であり、
従業員が明示または黙示の同意をしたとは認められない
として、
賃金減額は無効とした。(ハマショウほか事件・東京地判 平成25・3・22LEX/DB25500482)

「就業規則変更」
リーマンショック後の業績の大幅な落ち込みの中で行われた、会社休日4日を削除する就業規則変更につき
、経費削減の必要性は認められるとしても、
労働者の不利益の大きさ、内容の相当性、手続の妥当性等の点に問題があるとして、
変更の合理性を否定した。(フェデラルエクスプレスコーポレーション事件・東京地判 平成24年3月21日労判1051号71頁)

コロナ禍で会社を倒産させないために必死に取り組んでいく中で、
従業員の労働条件を引き下げる会社も今後出てくることが予測されますが、
ルール度外視で一方的に実行することはできない、ピンチの時だからこそ労使間の信頼関係構築に努め、
一致団結をめざし、取り組んでいきたいものです。

テレワークの普及に伴う人事評価の見直し

(2)次に二点目として、人事評価制度の見直しについてです。
コロナ禍でテレワークも徐々に導入されつつある中で、普段の様子や業務のプロセスがみえにくくなり、
今ある評価制度ではうまく運用できない、というものです。
上司側としては、部下の勤務態度を自分の目で確認しにくく、評価の根拠を集めるのが難しくなるから、
今から評価制度を見直していってもらいたい、という声が出てきていることに対応しなければ、というもの。

評価制度構築支援や評価者研修を行っている私からすると、それって言い訳じゃないの?と思います。(苦笑)

コロナ前では、上司側が忙しくて外出ばかりして部下の勤務態度が見れずに評価できない、や評価項目が漠然としすぎている
(例えば、就業規則を遵守しているといった、観点が大き過ぎて判断しづらい項目)、
だからウチの評価制度はダメダメだ、とどのような時でも不平不満が先に出てきてしまうのが評価制度です。
個人的には、ウチの評価制度は従業員から好評です、といったケースを聞いたことがありません。

しかし、評価制度を使って各自の仕事ぶりを表現していきたい、という企業も
多いのでより良いものに整備しようとしていきます。
評価結果を出しやすくするためのポイントは、本人が出すべき結果や達成すべき目標といった判断基準を具体的に明示し、
評価のタイミングで、その判断基準に対して、どのような結果であるのか、を測定できる仕組みにしないといけません。

コロナの緊急事態宣言の解除時期についても同じでしたよね。
専門家からの助言を踏まえ総合的な判断で解除する、と言われるより、
大阪モデルと言われる、効果のある項目を絞り込んだ具体的な自粛等の解除基準が示された方がわかりやすいし、
納得感もある、というものです。

(参考)「大阪モデル」具体的な自粛等の解除の基準として以下の3つを設定。
(1)感染経路不明の新規患者数の7日平均が10人未満
(2)PCR検査の陽性率の7日平均が7%未満
(3)ICUの病床使用率60%未満

これら3つの基準全てが7日間連続でクリアされれば、段階的に自粛要請を解き、社会経済活動を動かしていくとしている。

これが、
(1)感染経路不明な人が減ってきた
(2)PCR検査の要請率が増えていない
(3)ICUの病床使用率が低い水準である
これら3つの基準がおおよそクリアされれば〜。

といった表現だとわかりづらいですよね。でも企業内における評価制度ではこんなことだらけです。

ポイントとなる項目すべてに基準を設定しようとすると途方もない作業になりますが、自社にとって重要な項目を絞り込み、
その項目に対しての基準値を決め、今回はその項目の基準をクリアしたらOK、と会社側が事前に示すこと。

まとめ

テレワークは今後ますます増えてきますので、評価の「自社モデル」を準備し始めてもよいかと思いますし、
いつもの会社スペースより広めの研修室を借り、三密を避けて集中的に合宿形式で「自社モデル」を構築し、
テレワーク時代に備えておくという企業様が増えてくるような気がしています。
次回の記事投稿時には、緊急事態宣言が全国的に取り下げられていることを期待しつつ、
引き続き学び続け、「今」を価値ある時間に自らしていきましょう。

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