【改めてテレワークを考える】選択できない働き方は採用難につながる?テレワークの現状

2022.3.7

【改めてテレワークを考える】選択できない働き方は採用難につながる?テレワークの現状

北京オリンピックが終わるとともに、そのタイミングを見計らってロシアのウクライナ侵攻がスタートしました。この記事がアップされる頃にはどのような状況になっているのか想像もつきませんが、大企業のトップが個人資産を人道的支援目的に寄付を表明され、それをきっかけに、ある程度落ち着いた段階で私もできる範囲で支援できればと考えていますし、同じような想いをお持ちの方々の新たな行動にもアンテナを貼り、更なる支援を行います。

いつ何が起こるのかわからないから日々一生懸命生きよう!と口では言っているものの、なかなか行動に移せない方々も多いと思う中、やはりすぐに行動しておくべきだと思わされた出来事が先日ありました。
私がご支援している先の役員の50代の奥様が、交通事故に遭われ亡くなられました。車に激しく跳ねられたのではなく、駐車場内で徐行運転中の車に足を巻き込まれ、転倒する際の打ちどころが悪かったようです。日々のヒヤリハットの延長線上で尊い命の問題に繋がってしまったと感じました。本当にお悔やみ申し上げます。
企業経営においても、ヒヤリハットだけでなく、そのうち取り組もう、と思っている内に外部環境が一気に変わり、とんでもない状況に追い込まれるかもしれないと思い、やるべきことはすぐに取り組んでいきたいものです。

オミクロン株は少し落ち着きつつあるものの新型のオミクロン株も出始めているため、改めてテレワークの重要性が高まっていると本当に感じています。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、日本にも他国が攻めてくるのではないかといったSNS上のやりとりも見受けられる中で、今回はコロナだけでなく、有事で本当に外出できない状況でも業務を行う環境づくりとして、テレワークについて改めて見ていきたいと思います。

どうなった?テレワークの今

テレワークに関しては、最初の緊急事態宣言の際に多くの企業で導入されましたが、十分な準備なく踏み切った企業が多いことから、生産性低下など様々な問題が発生し、その後、取りやめる事例が続出しています。一方で、これを新しい働き方の選択肢として継続・充実させる企業もあり、その対応は二極化しているのが現状です。

テレワークを継続した企業は社員満足度が向上した

そのようにコロナがいくらか落ち着いた時期であってもテレワークを継続している企業では、徐々に生産性低下の問題は解消してきており、社員の満足度も高まっています。
本日は日本生産性本部の「第8回 働く人の意識調査」から、そうしたテレワークのいまを見ていきたいと思います。

参考:日本生産性本部「第8回働く人の意識調査」
https://www.jpc-net.jp/research/detail/005680.html

以下では様々な指標について、2022年1月と1年前の2021年1月の調査結果を比較してみます。

①テレワークの実施率
 22.0%→18.5%(△3.5ポイント)
②自宅での勤務で効率が上がったと回答した率
 54.5%→63.3%(+8.8ポイント)
③自宅での勤務に満足していると回答した率
 69.8%→77.5%(+7.7ポイント)
④コロナ禍収束後もテレワークを行いたいと回答した率
 76.4%→80.4%(+4.0ポイント)

このようにテレワークの実施率が低下する反面、業務効率、満足度は上昇し、結果として、コロナ禍収束後もテレワークを行いたいという回答が増加しています。ここには2つの要因があると思われます。
一つ目は、そもそもテレワークに向かない職種について、テレワークを取りやめたということ。
そしてもう一つが、テレワークを今後の働き方の選択肢として位置づけ、その環境整備や業務改善を行ったということ。

二極化した働き方。現実的に求められているものとは

特に二つ目の要因に関しては、テレワークという働き方を実現できた会社と、そうでない会社の差は今後拡大し、結果的には社員の満足度や人材獲得力においても差が出てくることになるでしょう。
今回のコロナは確実に日本人の働き方、そして意識に大きな変革をもたらしました。
企業はその現実に目を向け、環境変化への対応を進めることが求められています。

さらに、経団連の「2021年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果(2022年1月18日)」より、今後のテレワークの活用方針について見ておき、皆様方の組織内における今後の方向性を考える上での根拠・参考情報にしてもらえればと思います。

なお、本調査は経団連会員企業(計1,483社)の労務担当役員等を対象に実施されたもので、この結果は、回答があり、集計可能な396社が対象となっています。

参考:日本経団連「2021年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2022/008.pdf

これによれば経団連会員企業のポストコロナを見据えたテレワークの活用方針は以下のようになっています。

3.0% テレワークを中心とした働き方を推進していく
60.4% 部門・職種の特性等に応じて、各社員がテレワークと出社を選択できる働き方を推進していく
20.9% 一定の基準(月の上限回数等)を設定した上で、推進していく
6.2% 今後、方針を検討する
1.4% その他
8.1% オフィスや現場等への出社を基本とする

このように「オフィスや現場等への出社を基本とする」という回答はたった8.1%となっており、少なくとも経団連会員企業の大企業においては今後、テレワークが働き方の大きな選択肢となっていくことが分かります。テレワークの対応が遅れる中小企業との格差は大きくなる一方のようです。
特に、テレワークと出社を「選択できる」というケースが過半数を超えており、「選択できる」自由さ、裁量の有無、というのは従業員満足向上につながるものだと感じる制度構築のポイントだと確信していますので、自社内でもテレワークを始め、働き方を選択できる点がいくつあるのかを確認した上で、どんどん増やしてもらいたいと思います。
また、今後、テレワークは会社選びの一つの基準となっていく傾向が強まっていきますので、対応が遅れれば遅れるほど、その企業の採用難に繋がることが懸念されます。

最後に

ここからは完全に私の妄想のお話ですが、下記状況の中でも家族を守り、自分の命を守り、地域を守り、社会経済を守っていく必要があります。

もし仮に、日本の首都である東京が攻撃されたら。。。。

関東圏にお住まいの方々や企業の方々が安全な場所を目指して、東北方面及び関西圏や九州、四国方面へ移動する。
移動先に拠点がない場合は、宿泊施設を拠点に生活や可能な範囲で仕事をする。
(仕事をしている状況ではないかもしれません。まずは命を最優先に)

地下鉄駅構内や地下街が比較的安全だということで、費用のかかる宿泊施設を拠点にせず、地下を拠点にされるケースも多いかもしれません。キャンプ用品はレジャーだけでなく、避難用品としても持ち運びできるようにしておくべきかと思いました。
(有事時にテントなんか張っていたら盗難され放題だから逆に危ない、という意見もありそうです)

電車は超満員で乗れない、あるいは線路を破壊され目的地までは行くことができない。おまけに人だらけの状況でコロナの不安も重なり、移動はやはり車が中心となる。
車といえばガソリン問題。ガソリンスタンドでも数日は給油できるが、その後ガソリンローリー車も到着できずに給油できないスタンドだらけとなり、車での移動にも限界が訪れる。
長期間の逃避生活にも限界が出てきそう。どこか安全そうな場所を自分なりに見つけ、そこを拠点に平日は仕事をしないとたちまち生活費である給料が出なくなる。
やはり平穏無事な時に、テレワーク(平日)とワーケーション(休日+平日)の実施や練習を兼ねた訓練はしておくべきだと改めて感じています。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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