利用者増加中の「退職代行」を通じて企業や人事労務担当者が取るべき対応とは? 2025.1.23 人事・総務向け 失敗しない 経営層・管理職向け 2025年もスタートし、はやいもので1ヶ月が過ぎました。 この時期になりますと私は大阪マラソンのためにトレーニングも佳境に入っている時期にしておかないといけないのですが、今年は年始早々、体調不良であまり走り込みができておらず、その流れと寒さを理由にサボり癖がついてしまい、思うような調整ができていない今日この頃です。 自分のイメージ通りに進まないとかなりストレスと不安も増してくるもので、大阪マラソン当日を何とか無事に乗り切れることを祈っている毎日です。 さて今回は、年末年始の連休明けに利用者が増え、少し話題になっていました「退職代行サービス」について情報発信したいと思います。 依頼する費用も20000円前後、と比較的安価になっていることもあり、活用する人が増えてきているようです。3回ほど転職してきた私の感覚からしますと、退職を申し出る時の気まずさや人間模様を経験することも自己成長につながる一コマだと思っているので、退職代行を利用することが増えてくる世の中っていうのはいかがなものか、と思う昭和世代ですが、時代の流れなのかもしれません。 目次 退職代行を使われた際に人事労務担当者が取るべき対応 退職代行を使われた際の経営者、会社側の本音と取るべき対応 退職代行を使おうとしている人を見抜く方法 退職代行を使う理由と考えられる会社の問題点 まとめ 退職代行を使われた際に人事労務担当者が取るべき対応 近年、退職代行を利用する従業員が増加しています。まさかあの社員が。。つい昨日まで一緒に普通に会話していたのに、ということも多々あります。 この現象は職場環境の変化や個々の価値観の多様化を背景にしていますが、人事労務担当者としては予期せぬ状況に対応するための準備が必要です。 退職代行から連絡が来た場合、以下の対応を迅速かつ冷静に行うことが求められます。 1. 連絡内容の確認と記録 退職代行からの連絡内容を正確に記録することが重要です。退職意向の詳細、最終出勤日、返却が必要な物品や未処理の手続きについて明確に確認しましょう。 2. 会社規則に基づく対応 就業規則や労働契約に基づき、退職手続きに必要なステップを再確認します。退職願の提出方法や最終給与計算など、法的な義務を遵守することが不可欠です。 3. 円滑なコミュニケーションの確保 直接本人と連絡を取るのが難しい場合でも、退職代行を通じて必要な情報交換を行います。感情的な対応は避け、冷静かつ敬意を持った態度を心掛けてください。 4. リスクマネジメント 業務引継ぎが不十分になるリスクがあるため、緊急対応の計画を策定し、他の従業員と協力して業務への影響を最小限に抑えましょう。 退職代行を使われた際の経営者、会社側の本音と取るべき対応 退職代行を利用する従業員の存在は、経営者にとって少なからずショックを与えるものです。その背景には、従業員との信頼関係の希薄化や職場環境への不満がある可能性があります。 経営者の本音としては、以下のような感情が挙げられることが多いです。 • 驚きと失望 従業員が直接相談するのではなく第三者を介して退職の意向を伝えてくることに対し、驚きや残念な気持ちを抱えることがあります。 • 職場環境の見直し 退職代行の利用が頻発する場合、職場環境や組織運営に何らかの問題が潜んでいる可能性があると考えます。 • 予防措置の必要性 従業員が職場を離れる原因を探り、類似のケースが再発しないようにするための具体的な対策を講じたいと考えます。 経営者としては、このような状況を機に組織改善や従業員とのコミュニケーションを強化するチャンスと捉えるべきです。 退職代行を使おうとしている人を見抜く方法 従業員が退職代行を利用しようとしている兆候を事前に察知することは難しい場合もありますが、いくつかの共通したサインがあります。 1. コミュニケーションの減少 最近になって急に上司や同僚とのコミュニケーションが減少した場合、何らかの問題を抱えている可能性があります。 2. 業務への意欲の低下 業務パフォーマンスの低下や遅刻・欠勤が増加することは、退職を検討しているサインかもしれません。 3. SNSや噂話 SNSで職場や仕事に対する不満を示唆する投稿が増えた場合や、同僚間で退職についての噂話が出ている場合には注意が必要です。 4. 相談や質問の内容 急に退職手続きや有給消化に関する質問が増える場合は、退職を考えている兆候と捉えるべきです。 これらの兆候を見逃さず、早期に本人とのコミュニケーションを図ることで、必要に応じて状況を改善するチャンスを得ることができます。 退職代行を使う理由と考えられる会社の問題点 退職代行サービスを利用する従業員が増加している背景には、会社側に根本的な問題がある場合が多いと考えられます。 以下に、退職代行を利用する主な理由として考えられる会社の問題点を挙げ、その詳細を解説します。 1. 職場環境の悪化 職場環境が良好でない場合、従業員は会社に直接退職を申し出る心理的余裕を失うことがあります。 (1)長時間労働や過剰な業務負荷 労働基準法を超えるような長時間労働が常態化している場合、従業員は疲弊し、退職の意思を伝える気力を失います。 (2)パワハラやセクハラ 上司や同僚からのハラスメントが未解決のままだと、従業員は恐怖や不安から直接対話を避ける傾向があります。 2. コミュニケーション不足 会社と従業員の間で、建設的なコミュニケーションが不足していることも大きな問題です。 (1)相談できる窓口の不在 悩みや不満を相談できる相手や仕組みがない場合、従業員は孤立感を覚えます。 (2)上司の対応能力の欠如 上司が部下の感情や状況に配慮せず、話を聞かない、または不適切な対応をすることも原因になります。 3. 評価制度やキャリアパスの不透明さ 従業員の努力や成果が正当に評価されない場合、不満が蓄積されます。 (1)不公平な評価基準 評価の透明性が欠如していると、従業員はやる気を失い、離職を考えるようになります。 (2)キャリアの見通しが立たない 将来的な昇進やスキルアップの機会が見えない場合、従業員は会社への信頼を失います。 4. 退職プロセスの煩雑さ 退職を申し出た際に、嫌がらせや過剰な引き止めが行われる会社では、退職代行を利用する動機が高まります。 (1)過剰な引き止めや説得 会社が従業員の意思を尊重せず、退職を妨げる行為を行うと、従業員は直接対話を避けたいと感じます。 (2)手続きの複雑さ 退職時の手続きが煩雑で、担当者が非協力的な場合も退職代行の利用に繋がります。 5. 心理的安全性の欠如 心理的安全性が低い職場では、従業員が自身の意見を表明することを躊躇します。 (1)風通しの悪い組織文化 上下関係が強く、意見を言うことがタブー視される環境では、退職の意向を直接伝えることが難しくなります。 (2)個人を尊重しない文化 従業員を一個人として尊重しない場合、会社への不信感が増します。 6. メンタルヘルスの問題 職場のストレスや過酷な労働環境により、従業員が精神的に追い詰められることも一因です。 (1)メンタルケアの不足 会社が従業員の心身の健康に配慮せず、サポート体制を整えていない場合、退職代行に頼る可能性が高まります。 これらの問題を解消するためには、従業員の声に耳を傾け、働きやすい環境を整えることが必要です。 退職代行の利用が増える背景には、会社と従業員の信頼関係が失われていることがあるため、これを回復するための取り組みが求められます。 まとめ 退職代行からの連絡がまだ無い企業様も、今後1回は経験されることになろうかと思っています。 初めての場合は戸惑うことも多いですが、連絡があった場合、退職自体を止めることはできません。 むしろ、何かの予兆である、というように、会社改善のきっかけにして、前進あるのみ。 1人目が出てしまうと、退職予備軍の方々も「その手があるよな」ということで、2人目、3人目、 と続くかもしれませんが、そこは冷静に乗り越えていただき、その先の新たな会社のあり方を目指していただければと思います。 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >【人事担当者必見】4月入社の新卒社員に伝えておきたい「入社前にやっておくべきこと」と「若手への昭和世代共感プログラム」について >【研修担当者必見!】内定式以降に実施すべき入社前研修と評価者研修について >心理的安全性とキャリア安全性の向上が若手人材の定着を助ける理由 CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 記事一覧へ この記事を見た人はこの記事も見ています 【人事担当者必見】4月入社の新卒社員に伝えておきたい「入社前にやっておくべきこと」と「若手への昭和世代共感プログラム」について 2024.12.22 形ばかりの人的資本経営からの脱却!人事労務担当者の7月繁忙期の先にある重要ポイント 2024.6.16 人事労務での二刀流を生み出すために知っておくべきアンコンシャスバイアスについて 2022.8.23 前の記事 次の記事 目的から研修施設を探す 新人研修にオススメ 近くにゴルフ場がある 360°パノラマビューが見れる オフサイトミーティング チームビルディングに最適 BBQができる 研修パックあり 都内からのアクセスが良い その他の記事はこちら MICEとは?意味や施設選びのポイント、開催におすすめの施設をご紹介 2025.2.5 【人事担当者必見】4月入社の新卒社員に伝えておきたい「入社前にやっておくべきこと」と「若手への昭和世代共感プログラム」について 2024.12.23 一棟貸し切りで周りを気にせず研修合宿をしたい方におすすめ!一棟貸し施設特集 2024.12.18 宿泊型研修を行うならホテルの会議室がおすすめ!会議室のあるホテル特集 2024.12.16 【研修×ゴルフ】シーズン到来!新緑薫るゴルフ合宿にオススメの施設特集 2024.12.6 関連タグ #MICE #アクティビティ #アフターコロナ #インセンティブ旅行(報奨旅行) #ウィズコロナ #オフサイトミーティング #オンライン研修 #コロナ対策 #チームビルディング #マニュアル・資料作成 #モチベーションUP #リーダー・主任・マネージャー #ワーケーション #中堅社員向け #人事・総務向け #労務管理 #失敗しない #新入社員向け #生産性UP #研修担当者向け #経営層・管理職向け #若手社員向け #計画・準備 #越境学習 #非日常
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