「シン・ワークライフバランス」とは?考え方と若手社員に伝えるべき2つのポイント

2025.12.12

「シン・ワークライフバランス」とは?考え方と若手社員に伝えるべき2つのポイント
2025年も残りわずかとなりました。来年の干支である「うま年」の意味も色々なサイトで記載されています。
サイトごとに記載内容が違うことも多いかと思いますので、私もやっていますが、自分が一番良いと思った内容を見つけて精神衛生上安定してもらえればと思います。

さて、2025年の流行語大賞は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」でした。
2025年の流行語大賞に「高市首相」が選ばれたことは、日本の働き方に対する価値観の変わり目を象徴していると思っています。大企業ではすでに人材戦略の高度化が進む一方、中小企業では「どうすれば若手が辞めずに育ち、会社の戦力になってくれるのか」という問いがより切実になっています。

今回は、押さえておきたい「シン・ワークライフバランス」の考え方と、若手社員に伝えるべき大切なメッセージを整理したいと思います。

中小企業が理解すべき「シン・ワークライフバランス」とは?

これまでのワークライフバランスという言葉には「早く帰れる会社」「休みが多い会社」というイメージが第一に思い浮かんでいたと思います。しかし、若手社員が求めるのは単なる“楽さ”ではなく、“あまり苦労せずに、自分の人生と仕事を成長させるか”であると思います。あまり苦労せずに、というのが厄介ではありますが、ここを誤解したまま制度を整えても、離職防止にはつながりにくくなると考えています。

働き方は「量の調整」ではなく「質の最適化」へ

中小企業においては、そもそも人手が限られているため、単純に業務量だけを減らして負担を軽くするという方法には根本的な限界があります。現場では常に人材不足が続き、一人が二役・三役を担う状況が当たり前のように発生しています。このような環境では、業務量を調整するだけでは会社全体の生産性を高めることは難しく、むしろ現場にしわ寄せがいくことも少なくありません。

だからこそ、これからの働き方で重要になるのは「短時間で成果を生み出せる仕組み」を会社として整備することです。単に忙しさを減らすのではなく、同じ時間でもより大きな成果が出るように業務プロセスやツール、情報共有の方法を見直す必要があります。たとえば、無駄な会議や訪問を廃止したり、属人化した業務をマニュアル化・標準化したり、デジタルツールを導入して入力作業や確認作業を自動化するなど、手法は多岐にわたります。

また、社員一人ひとりが本来の強みを発揮できるような配置や役割分担を行うことも「質の最適化」に直結します。
不得意な業務に時間を取られるのではなく、得意領域に集中できるように組織全体で工夫することで、生産性は飛躍的に高まります。さらに、会社として学びの機会をつくり、スキルアップを支援することも、短時間で成果を出すための重要な投資となります。

このように、中小企業が持続的に成長していくためには、「量を減らす」発想から一歩進み、「質を高める」方向へ軸足を移していくことが不可欠です。限られたリソースだからこそ、効率化・仕組み化・標準化を徹底し、少人数でも高い成果を生み出せる体制づくりが求められます。

標準化や自動化、よりもまずは捨てることがやりやすいと思いますので、捨てるものを新年早々から着手するのが良いと思います。

“全員に同じ働き方をさせる”時代から“柔軟な働き方を選択できる”時代へ

かつては、すべての社員に画一的な働き方を求めることが組織運営の基本とされていました。しかし、価値観が多様化し、働く目的や生活スタイルが人それぞれ大きく異なる現在では、その考え方は通用しなくなりつつあります。特に若手社員は、自分に合った働き方や成長実感を重視する傾向が強い、と感じます。

企業が離職を防ぎ、社員一人ひとりのパフォーマンスを引き出すためには、“柔軟な働き方”の選択肢を用意することが欠かせません。勤務時間や場所の工夫、仕事の進め方に対する小さな裁量の付与など、ほんの少しの自由度でも「自分らしく働けている」という実感につながります。こうした積み重ねが働きやすさを大きく改善し、結果として離職防止に非常に大きな効果を発揮します。

さらに、若手社員にとって柔軟性は“やりがい”や“成長の速度”を左右する重要な要素です。個々の強みやアイデアを活かしやすい環境を整えることで、主体的に動く姿勢が育ち、早期から活躍しやすい土壌が生まれます。つまり、柔軟な働き方や裁量の工夫は、単なる福利厚生ではなく、若手の戦力化にも直結する大事な取り組みと言えます。

若手社員に伝えておくべき2つのポイント

若手社員に伝えておくべき2つのポイントをお伝えします。

ワークライフバランスは“会社が与える”ものではなく、“自分で設計する”もの

多くの若手社員は「会社が働きやすい環境を整えてくれる」という意識を持ちがちですが、本来のワークライフバランスとは“自分自身で主体的にデザインするもの”です。会社の制度でどれだけ良い制度が揃っていても、活用する側の姿勢や段取り力がなければ、本当の働きやすさにはつながりません。

特に若手のうちは、仕事の進め方や優先順位付けが未熟で、時間の使い方次第で大きく成果も余裕も変わります。「制度に頼る前に、自分で1日の流れを組み立てる」「ムダを省いて集中すべきことに力を使う」など、自分の働き方を自分で整える意識が成長の土台となります。ワークライフバランスは“受け身”ではなく“主体性”から始まるという視点を持つことが重要な姿勢です。

かといって、自分だけ良しではなく、先輩のフォローを行うもの自分の役目。業務終了じには「お先に失礼しようと思っていますが、何か急ぎがありましたら私で何かサポートさせていただきますがいかがでしょうか」と一言言ってから帰る。実際にヘルプを依頼された時は「嫌な顔をせず」「はい喜んで!」の心意気で取り組む。その積み重ねが大事であることを初期段階から叩き込んでおくことはとても重要なことだと思います。

成長には“しんどさ”が必ずついてくる

若手社員にとって、仕事がしんどいと「自分には向いていない」「環境が悪い」と考えがちですが、成長としんどさは切り離せません。むしろ、しんどい時期こそ、スキルや思考力が大きく伸びる“通過点”であり、多くの先輩社員も同じ道を経験しています。大変な時は、「ただいま成長中!」と心の中で思うことが大事です。

特に仕事を覚える時期は、覚える量も多く、うまくいかないことも増えるため不安が大きくなります。しかし、その負荷に踏ん張りながら取り組むことで、仕事の本質が見えてきたり、自分で判断できる幅が広がったりします。逃げずに向き合った経験は、その後のキャリアで確実に武器になります。

「しんどい=悪いこと」ではなく、「しんどい=成長のサイン」。この考え方を若手のうちに持てるかどうかで、社会人としての伸びしろが大きく変わります。

まとめ

自分らしく働きたい、という声をよく聞きます。そのためには、周囲の皆さんに貢献している自分を作り、人としても可愛がられる言動を行う。その結果、自分らしくできる。その状態を「あまり苦労せずに」手にいれるには、苦労と感じずに捉えることができるか、苦労ではなく成長中、と思うことができるのか。あと、自分らしくって何?単に楽したいだけでは?と。「自分らしく」というフレーズで逃げることなく、できないことをできるように努力することが人生である、ということを強く言いたいところです。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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