越境体験とは?効果や企業事例、注意点を紹介

2024.5.16

越境体験とは?効果や企業事例、注意点を紹介
近年は、越境体験を取り入れる企業が増加しています。視野を広く持ち、多角的な見方ができる将来有望な人材を育てるために、越境体験が有効であると考える傾向があります。

しかし、実際に社員に越境体験をさせるには、どのように進めればよいかわからない方も多いのではないでしょうか。効果的な体験とするために、適切な方法を選択することが大切です。

今回は、越境体験とはどのようなものであるかを解説します。また、そのメリットや具体的な方法および、すでに実践している企業の事例についても紹介します。

越境体験に取り組むうえでの注意点についても解説するので、これから越境体験を取り入れようと検討している方はぜひ参考にしてください。

越境体験とは?

そもそも越境体験とはどのような取り組みなのでしょうか。越境体験とは、人材育成を目的として所属企業とは関係のない外部企業や世界に携わる体験のことを指します。

場所や構成メンバーの境界を超えることに加え、考え方や価値観が異なる世界に飛び込むことも、越境体験に含まれます。

これまで、企業における人材育成の方針としては、自社内で深く学ぶことを重視してきた傾向がありました。しかし近年は、社外の世界を経験して視野を広げることも重要であると考える企業が増えています。

越境体験がグローバル化が進む現代において重要であると考えられるようになり、実際に多くの企業で越境体験を取り入れる事例が増えています

越境体験を通して得られるメリット

越境体験を実施した場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか社員にプラスになる部分を理解したうえで、越境体験実施の可否を決めるのが大切です。

越境体験を通して得られるメリットのうち、主な項目について以下に2点紹介します。

  • 自分の強みを理解できる
  • 自分の本当にやりたいことを再確認できる
  • 自分の強みを理解できる

    越境体験を通して、自分の強みを理解することができます。普段自分が強みとして認識していない部分も、周囲からは強みであると認められるかもしれません。

    越境体験では、普段の職場とは違う環境に身を置き、異なる仕事や体験をすることになります。取り組んできた業務から離れ、新たなことに取り組む中で、ご自身の意外な強みが見つかる可能性があります。

    普段とは異なる人間関係が得られるのも、自分を見直すきっかけになるでしょう。同じ会社に勤務していると、人間関係が固定化してしまいます。異なる背景や価値観を持った人との出会いを通して、気付くことのなかった自分の強みを発見できる可能性が大いにあります。

    自分の本当にやりたいことを再確認できる

    越境体験から得られるもうひとつのメリットは、自分が本当にやりたいことを再確認できることです。同じ職場で働いていると、毎日同じ業務に従事するのが一般的です。その仕事が本当に自分にとってやりがいがあるのかわからないまま、継続している方も多いのではないでしょうか。

    越境体験によりそれまでとは異なる世界に身を投じてみると、全く違った価値観に触れる機会が得られます。今まで取り組んできた業務と異なる仕事に従事することにより、自分に合った仕事が見つかるかもしれません。

    一方、異なる世界を体験することで、今まで携わってきた仕事が自分に合っていると再確認できるきっかけになる場合もあるでしょう。越境体験は、現状の業務も含め、本当にやりたいことの再確認をする機会となります。

    越境体験の方法

    越境体験により得られるメリットを紹介してきましたが、具体的にどのような方法で越境体験ができるのでしょうか。異業種に触れる方法はいくつかあるため、ご自身の状況に合った方法を選択することが大切です

    越境体験を得る方法として、主なものを以下に5例紹介します。

  • レンタル移籍
  • プロボノ
  • ワーケーション
  • ビジネススクール
  • 異業種勉強会
  • レンタル移籍

    レンタル移籍とは、出向などの企業間契約に基づいて、在籍企業と異なる企業で定められた期間で勤務することです。在籍している企業と同業種の会社へ赴くケースもあれば、全く異なる業種の企業で仕事をするケースもあります。

    レンタル移籍をした社員は、新しい環境に身を投じ、在籍企業では得られない刺激や経験を得られます。未知の知識やノウハウを吸収する機会となるのはもちろん、意識していなかった自分の能力や強みを知るきっかけとなるでしょう。

    レンタル移籍は、企業間の契約により実施されるため、企業同士のつながりを強固にする意味もあります。お互いの社員を期間限定で交換することにより、双方の企業にとってプラスになるメリットもあります。

    プロボノ

    プロボノとは、「pro bono publico(公共善のために)」の略語で、ボランティア活動に従事することを指します。基本的に、在籍している企業で培ったスキルや知識を活かしたボランティア活動に取り組むケースが多いです。

    プロボノに参加した社員の経験や社会貢献の意識付けにつながるのはもちろん、実施した企業にとっても社会からの信用獲得ができるなどのメリットがあります。CSR(企業の社会的責任)が重視される近年の企業活動において、プロボノは適切な方法といえるでしょう。

    ワーケーション

    ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」の2つを組み合わせた言葉です。文字どおり仕事と休暇を融合させた活動のことで、休暇中に旅先で仕事をする事例が多いです。

    単に休暇先で仕事をするだけではなく、ワーケーションにはさまざまなスタイルがあります。たとえば、地方に移住して一定期間新しい環境で仕事と生活を開始したり、2つの生活拠点を持って仕事とプライベートの両立を図ったりする活動もあります。

    しかし、実際にワーケーションの機会を得ようと思っても難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。そのようなときは、ぜひCO-MIT(コミット)にご相談ください。

    CO-MITでは、豊富なワ―ケーションプログラムをご紹介しております。非日常を体験して学びを得るラーニング型や、地域の課題を考えて解決に向けて取り組むビジネス創出型など、様々なプログラムを用意しているので、ぜひ検討してみてください。
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    ビジネススクール

    越境体験を目的として、ビジネススクールを利用する事例も増えています。ビジネス関連の知識が学べる社会人向けのスクールを利用したり、大学院で学び直すケースが該当します。

    スクールなどで提供される知識を身につけるのはもちろんのこと、資格取得や人脈の拡大など、さまざまな面でメリットの多い方法です。

    取得した資格を実務に活かしたり、獲得した人脈を用いて営業範囲の拡大を図ったりするのもよいでしょう。ビジネススクールなどの利用は、参加する従業員の自己研鑽だけでなく、企業全体にとってもメリットの多い手法といえます。

    異業種勉強会

    異業種勉強会に参加するのも、越境体験の一種として考えられます。異なる業種の方々とコミュニケーションを取ることは、普段接することのない新しい世界に触れられる貴重な体験となります。

    同業他社とのやり取りは普段から多くあったとしても、異業種の状況を知るチャンスは普段の業務中には少ないです。新しい分野に触れて視野を広げる好機と考えられます

    勉強会の形式でなくとも、各種セミナーや交流会などで異業種の方と知り合える機会もあるでしょう。外部で開催されている催しをチェックして、積極的に参加するのがオススメです。

    越境体験の事例

    越境体験を取り入れている企業は、増えてきています。これから越境体験の実施を検討している方は、他企業の取り組みを参考にしてはいかがでしょうか

    越境体験を取り入れた企業の事例のうち、主なものを以下に4例紹介します。

  • キリンHDの副業
  • ハウス食品の留職プログラム
  • 住友商事のフィールドスタディ
  • JALのワーケーション
  • キリンHDの副業

    キリンHDでは、副業を越境体験の機会として取り入れています。キリンHDでは、2020年に副業を解禁しました。たとえば、週に3~4時間をベンチャー企業で働く社員がいるなど、社内的に副業を推奨する動きがみられます。

    他社で副業に従事することは、当該社員の経験や知識の向上に役立つのはもちろんのこと、会社間の交流ができる点で意義のある取り組みです

    また、副業で従事する人材を他社から募集しているのも注目の取り組みです。異なる経験と知識を持つ人材の受け入れにより、自社社員への刺激を与える効果が期待できます。

    ハウス食品の留職プログラム

    食品メーカー大手のハウス食品では、自社社員を他社に9か月間派遣する留職プログラムを実践しました。留職とは留学から派生した言葉で、別の企業で一定期間仕事をする取り組みです。

    ハウス食品の社員がマザーハウスという企業で、インドネシアのカカオと日本の農産物を組み合わせたチョコレート製品の製造販売に取り組みました。研究職であった社員が、製品開発から販売まで一貫して取り組んだ経験は、かけがえのないものになったと報告されています。

    住友商事のフィールドスタディ

    大手総合商社の住友商事では、2017年から地方において社会課題体感フィールドスタディを実施しています。これまで、福島県南相馬市や岡山県西粟倉村を舞台にした事例があります。

    木材加工および流通を手掛ける新規企業の取り組みを支援するなど、普段の業務とはかけ離れた経験の機会が得られる取り組みです。フィールドスタディに参加した社員からは、他分野の仕事から得られる刺激が自身の仕事に対する意欲の向上に繋がったとして、高評価の声が聞こえています。

    JALのワーケーション

    航空会社最大手のJALでは、2017年にワーケーションの制度化を実現しました。JALでは、テレワーク規定を整備し、ワーケーション制度のベースとしています。休暇時にもテレワークにより業務をおこなえる制度として、ワーケーションが導入されました。

    2019年からは、ワーケーションに加えて出張先で休暇を取れる「ブリージャー」制度の導入も果たし、休暇制度の多様化に取り組んでいます。

    新しい休暇と勤務の形態を積極的に取り入れているJALの取り組みは、ワーケーション導入を検討する企業にとっての好例といえるでしょう。

    越境体験をおこなう際のポイント

    前述のように、すでに越境体験を取り入れている企業は増えています。越境体験をより効果のあるものにするために、取り組む際のポイントを押さえることが大切です取り組む従業員だけでなく、企業にもプラスになるよう、重視すべき点を理解しましょう。

    越境体験を実施する際に押さえておきたいポイントについて、主な項目を以下に3点紹介します。

  • 多様性を活かす
  • 自分のwantで判断する
  • 流儀や価値観に染まってみる
  • 多様性を活かす

    さまざまな社会に属している多様性をどのように活かすのか、常に創意工夫をする思考を持つことが大切です。人は、場面ごとにさまざまな顔を持ちます。

    たとえば、企業においては社員としての立場がありますが、家庭では親の顔になったり、子どもの学校ではPTA役員を担っているという方もいるでしょう。

    以上のようなさまざまな社会で生きている状況を区別して考えるのではなく、ほかの場面で活かす方法はないかと考えることが効果的な越境体験につながります。

    普段と異なる環境に身を置いたときに、その経験と知識をその場だけで完結させるのではなく、元の環境に戻ったときにどのように活かすのかが大切です。多様な世界を区別せず、それぞれの場面で活かすことができないか、工夫する考え方を持ちましょう。

    自分のwantで判断する

    越境体験をする際には、自分の「want」で判断する姿勢が大切です。越境体験をする際は、所属している企業から他社での勤務経験をするよう指示されるなど、周囲からの指示で動くケースが多いでしょう。

    しかし、効果的な越境体験を得るためには、自分がやりたいことや好きなことに取り組む方が効果的です。仮に会社からの命令により他社で勤務をすることになったとしても、他社の職場においてできるだけ自分がやりたいことを見つけて取り組む姿勢を持つことが大切です。

    企業側としても、可能な範囲で社員の希望に即した越境体験をさせるように取り組んでみてはいかがでしょうか。越境先を複数用意し、社員に選ばせるといった取り組みもオススメです。

    流儀や価値観に染まってみる

    越境体験においては、身を投じる先の流儀や価値観に染まってみる姿勢が大切です。1人1人それぞれが持つ価値観や考え方も重要ですが、越境体験においてはいったん捨ててみてはいかがでしょう。

    普段と異なる環境に身を置いたとしても、自分の価値観を断固として変えないのであれば越境体験の効果は半減します。自分の考えと相反すると感じる場面も多いかもしれませんが、いったん相手の価値観に自分を投下し、溶け込んでみることが大切です。

    一度体験したうえで、やはり自分とは相容れないと判断するのは間違いではありません。一方、自分との意外な相性の良さを感じられる可能性もあります。貴重な越境体験を最大限に活かすためには、いったん相手の流儀や価値観に染まってみるのがオススメです。

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    引用:CO-MIT公式HP

    越境体験を取り入れたいと考えているが、どのように取り組んだらよいかわからない方も多いのではないでしょうか。そのような場合は、ぜひCO-MITにご相談ください。

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    まとめ

    越境体験とは、普段とは異なる環境に身を置き、携わったことのない仕事の中で新しい価値観や考え方に触れられる取り組みのことです。実際に、越境体験をおこなっている企業は増えています。

    しかし、越境体験をどのように開始したらよいかわからない方も多いでしょう。そのようなときは、CO-MITがおすすめするワーケーションプログラムがオススメです。

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