組織風土改革の基本と人材育成について

2023.7.20

組織風土改革の基本と人材育成について
こんにちは。いよいよ夏休みも近づいてきている時期だと思います。
今年はコロナも明け、通常の夏休みを過ごすことができ、個人的にも、日本経済的にも喜ばしい限りかと思います。

先日、ご支援している企業様の社長との面談の中で、ひょっとしてうちの会社って組織風土が悪いような気がしていて、改善に向けてサポートしてもらいたい、と言うお話がありました。
組織風土って何となくわかっているつもりですが、改めて記事にすることにより、私の頭の中を整理させてもらえればと思い、書かさせていただきます。

組織風土とは

組織風土とは、ある組織内で共有されている価値観、信念、慣習、行動規範などで、繰り返し表現されているパターンを指している、とお伝えすればわかりやすいでしょうか。
これは組織のメンバーが行動・発言する際の基盤となり、その組織がどのように運営されているのか、どのような決定がなされるのか、の原理原則・判断基準を形成していくことになる、と考えています。

少し具体的に組織風土を表現すると、以下のような要素から構成されていると考えています。

1. 価値観: 組織のメンバーは何を大切にし、何を目指しているのか?
2. 信念: 組織のメンバーは何を信じているのか?
3. 慣習: 組織内ではどのような行動が行われているのか?
4. 行動規範: 組織内での行動にはどのような規則があるのか?

これらの要素は、組織が直面する問題の解決方法を示し、組織全体の目標達成に向けて必要な行動をするためのポイントだとお考えください。

組織風土はある種の「無形の資産」であり、それが良好であれば組織の生産性や効率性を高め、組織やメンバーの満足度を向上させることができると考えます。

組織風土を改善させ、効果的な組織を作り上げるためのポイント

組織風土を改善し、より効果的な組織を作り上げるためには、主に以下のポイントが重要だと考えています。

1. 共有されるビジョン

全員が共有する明確なビジョンが必要です。これは、組織全体が同じ方向に向かって進むための羅針盤となります。ビジョンは具体的で、可能な限り明確で、わかりやすくあるべきです。
組織メンバーとしてOKだと思われる行動や発言だと言えばわかりやすいでしょうか。

2. コミュニケーション

組織内での意思疎通は必須です。それは情報を共有するだけでなく、互いの理解を深めるためのプロセスでもあります。透明性と開放性が重要となります。
報告・連絡・相談(ほうれんそう)でいうところの、「連絡」にあたる部分です。
ちなみに、「報告」は仕事、「相談」は問題解決、だと定義していまして、「報告」は必ず行うべきことで、「報告」をしないことは仕事をしていないのと同じと思っています。「相談」については、困ったら誰かに相談しますよね。なぜかと言うと自分1人では解決できないから誰かに相談したい。で、上司や先輩に相談すると、これまで1人で悩みなかなか進まなかったことで一気に進んだり、解決のヒントを見つけることができた、と言う経験はありますよね?
そのように、問題解決に繋がる場を提供してくれる上司や先輩には再度「相談」にいくようになります。
良く話として上司や先輩側の方が、全然自分のところに相談に来ないんだよねー、と言うことがあります。それって部下・後輩が悪いのか。
ひょっとすると自分は覚えていないが、過去に部下・後輩から相談を受けた時に、問題解決につながる場を提供できていなかったかもしれませんよ。

3. 尊重と信頼

組織のメンバー間での尊重と信頼は組織風土を形成します。これには、公平性、誠実さ、そして他のメンバーの貢献を認識し評価することが含まれます。ついつい相手の悪い点や不足している点に目が行きがちであるのが世の常ですが、良い点・出来ている点をみて感謝の気持ちを持てるメンバーを増やしていくことが大事だと思います。

4. 自己実現のための機会

個々のメンバーが自己成長と実現を達成できるような環境を作り出すことが重要です。組織人とはいえ、やはり自分のためになっている、自分の夢・目標、利益につながっている、と感じることができればセルフマネジメントが自然にできるようになっていきます。
これには、教育と研修の機会、キャリアパスの展開、そして挑戦とリスクをとるための安全な空間が含まれます。
心理的安全性、と呼ばれる大事な観点が組織の根底にあることがポイントだと思います。

組織風土を改革する人材育成とは

組織風土を改革するために必要となる人材を育成するには、以下のような要素が重要になると考えています。

1. ビジョンと目標の共有

組織のビジョンと目標を理解し、それに向かって自発的に、自主的に努力できる人材を育てることから始まります。組織の価値観と目標を共有することで、それぞれの役割と責任が明確になり、組織風土の改革に貢献する行動をとることができます。

2. 教育とトレーニング

継続的な教育とトレーニングの機会を提供することで、必要なスキルや知識を身につけ、風土改革のリーダーとなる能力を育てることができます。特に大事な観点としては、毎日仕事がありますので、毎日教育研修をすることはできません。したがって、セルフマネジメントできる人材に向かわせることです。これがなかなか時間のかかる点ではありますが、各自の夢・目標、ありたい姿等に近づいていくことにつながっていることを理解・体感させることが大事です。一度火の着いた炭はなかなか消えませんが、火が付くまで内輪で仰いだり、着火剤を投入したり、火の着いている炭を入れて横展開させたり、ということをしていく必要があります。

3. 心理的安全性の確保

心理的安全性が確保された環境では、新しいアイデアや意見が自由に表現され、失敗を恐れずに新しいことに挑戦することができます。これは創造性とイノベーションを促進し、風土改革を推進する上で重要な要素です。
中学校で例えると、クラスの中でみんなが自分の意見を言いやすい状況を作ることです。たとえば、答えが間違っていても先生や友達が笑わないで聞いてくれる、アイデアを出すときにみんなが尊重してくれる、などです。心理的安全性が高いクラスだと、新しいアイデアが出やすくなり、問題も一緒に解決しやすくなります。これを作るためには、みんなが自由に意見を言える雰囲気作りと、失敗を恐れずにチャレンジすることを応援する風土が大切です。
上記のような状態を目指すことを会社方針として宣言し、実際に上司や先輩といった立場が上の方が部下・後輩、あるいは同僚や上司から出てくる意見に対して、心理的安全性を意識した態度をとることを積み重ねていくことが大事です。

4. フィードバックと評価

定期的なフィードバックと評価を通じて、個々の強みと弱点を明らかにし、改善点を特定します。これにより、風土改革の方向性を見失わずに進むことができます。この定期的なフィードバックと的確な評価・アドバイスができる人を育てる必要がありますし、まずは組織の中にフィードバックの場を設定することから始める必要があるケースもあります。
最近よく言われる「1on1」が正にそのことで、一人の上司と一人の部下が意図的に、計画的に、定期的にコミュニケーションを取ることを指します。
このコミュニケーションの時間は、部下が自分の意見を上司に直接伝えるための大切な時間です。部下は自分が困っていることや、これからどうなりたいかなどを話すことができます。そして、上司はそれを聞いて、部下がもっとよく働けるように、何をすればいいかを一緒に考えます。1on1は、上司と部下がお互いを理解し、より良いチームになるための重要な仕組みであり、1on1を運用できる人材を育成することが重要です。

まとめ

上記で私の中でも整理はできたつもりです。
ですが、最後にフィードバックと評価、という内容を書かせていただきましたが、これまた別の社長さんとの面談の中で、評価や人事制度という言葉が持つイメージが社員に対してとてもマイナスに映るので、表現や運用方法を考えていきたい、と言うお話をいただきました。
次回以降、この辺りも皆様に解説していく中で私も整理していきたいと思います。
やはりアウトプットが最大の学びだということですね。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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