【2025年】押さえておきたい人事労務関連の主な法改正!育児・介護休業法の改正、雇用保険法の改正他

2024.11.21

【2025年】押さえておきたい人事労務関連の主な法改正!育児・介護休業法の改正、雇用保険法の改正他
みなさん、こんにちは。早いもので、2024年も残りわずかとなりました。

今年チャレンジしようとしていたが全く手をつけられず来年に持ちこそう、2025年にチャレンジすることを新たに決め直そう等々、2024年を振り返る中で、自己嫌悪に陥ったり、自信を失ってしまうこともある時期かもしれません。

過ぎてしまったことは変えられませんのであまりクヨクヨせず、今年の失敗を踏まえ次からどうするか、と前を向いて、同じ失敗を繰り返さないように新たな取り組みをしていくことが個人・法人ともに大事である、と思います。

私も今年掲げた目標マンダラチャートの8つの項目を総点検し、できていない点を直視し、年末年始にかけて2025年の新たな目標設定をし、来年も自己ベストを更新するために頑張っていく所存です。。。

さて今回は、2025年に実施される人事労務関連の法改正内容を全てではありませんが、特に実務に影響があると思われる、①育児・介護と仕事の両立支援、②雇用保険制度の改正、③高齢者雇用について、の3点をお伝えしていきたいと思います。

①-1. 育児・介護休業法の改正

育児・介護休業法に関する複数の改正が施行されます。この改正は、育児や介護に従事する従業員が柔軟に働ける環境を整え、仕事と生活のバランスをより一層支援するものです。

2025年4月1日施行内容

まず、所定外労働(残業)免除の対象が小学校就学前の子(今は3歳になるまでの子)を養育する労働者まで拡大されます。

次に、子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、の対象年齢が小学校3年生修了時(今は小学校就学前)まで引き上げられるとともに、勤続6ヶ月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みが廃止されます。これにより、育児負担が軽減され、仕事と家庭生活を両立しやすい環境が整備されることになります。

さらに、3歳になるまでの子を養育する従業員に関し、事業主が講ずる措置の内容に、テレワークが追加されます。(あくまで努力義務です)

また、育児休業取得率の公表義務が従業員300人超(今は1000人超)の企業に拡大され、企業は育児支援の取り組みを一層透明化し、男女問わず育児休業の取得を促進することが求められます。

そして、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定時に、育児休業の取得状況等に係る状況把握・数値目標の設定を事業主に義務づけられることとなりました。

2025年10月1日施行内容

まず、3歳以上小学校就学前の子を持つ従業員に対して、短時間勤務制度やテレワークなど、柔軟な働き方の選択肢を2つ以上提供することが企業に義務付けられ、従業員は2つ以上の中から1つを選択して利用することができるようになります。

これにより、育児と仕事を両立させやすい職場環境の整備が求められます。企業は、業務内容や職種に応じて、従業員が必要とする柔軟な働き方を提供できるよう、社内制度の見直しやテレワークの導入を検討する必要があります。

次に、妊娠や出産の申出があった際や、子が3歳になる前に、企業は従業員の意向を個別に聴取し、育児と仕事の両立に配慮することが義務化されました。

この取り組みによって、従業員が安心して職場でのキャリアと家庭生活を両立できるようになると期待されます。特に管理職や人事部門の役割が重要となり、従業員とのコミュニケーションを強化し、柔軟な働き方の希望に応じた対応が必要です。

また最近では育児で休む人をフォローする既存社員への還元策として、育休フォロー手当といった月額の手当を3万円程度支給している企業も出てきているようです。

①-2. 介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化

2025年4月1日施行内容(10月1日に施行される内容はありません)

まず、従業員が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、介護休業や介護両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことが義務づけられました。

次に、40歳などの特定年齢に達した際に、介護休業や介護両立支援制度等の情報提供を行う義務が新たに加わります。

さらに、介護休暇について、勤続6ヶ月未満の従業員を労使協定に基づき除外する仕組みが廃止されます。

また、家族を介護する従業員に関し、事業主が講ずる措置の内容に、テレワークが追加されます。(あくまで努力義務です)

この改正により、介護が必要な従業員が職場で支援を受けられる体制が強化されます。企業は従業員に対して、介護に関する情報提供や、介護休業制度の利用促進を図ることで、仕事と介護の両立をサポートする体制を整えることが求められます。

ちなみに20名ほどの弊社で5が、親の介護関連で柔軟な働き方をしています。今後、従業員の半数以上が介護対応している予感がしております。

②雇用保険法の改正

2025年4月1日施行内容

雇用保険法にも重要な改正が施行され、労働者にとって福利厚生がさらに充実されることが期待されます。

まず、教育訓練やリ・スキリング支援の充実として、自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようになります。

今は自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2ヶ月としているが1ヶ月に短縮されます。

2025年10月1日施行内容

自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を 支えるため、基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金が創設されます。

個人的には、退職を申出た従業員の退職理由が「もっと別のことをしたい」という類である場合、会社を一旦休んでこの給付金を活用して学んだ後に再度、退職するか、在職するかを考え直してはどうか、といったダメもとでの定着交渉に使えるかもしれない、と思っています。

支給要件

①教育訓練のための休暇(無給)を取得すること
②被保険者期間が5年以上あること

給付内容

①離職した場合に支給される基本手当の額と同じ
②給付日数は、被保険者機関に応じて90日、120日、150日のいずれか

③高年齢者雇用安定法関連の改正

高年齢者雇用安定法においては、65歳までの雇用確保措置の経過措置が終了し、原則として、希望するすべての労働者に対して65歳までの雇用を確保することが義務化されます。

これにより、企業は高年齢労働者の雇用確保措置を確実に実施し、定年退職後も働き続けられる環境を整えることが求められます。

また、高年齢雇用継続給付についても見直しが行われ、最大給付率が15%から10%に引き下げられることが決定されています。この改正は、雇用者の負担軽減を図りながら、労働市場における高齢者の活用を促進することを目的としています。

企業に求められる対応

これらの法改正により、企業には就業規則の改定や新たな制度の導入、従業員への周知など、適切な対応が求められます。

特に、育児・介護の支援制度や高年齢者の雇用継続制度について、従業員に対して丁寧に説明し、理解を深めることが重要です。また、各制度を活用しやすくするための運用体制を整備し、従業員が安心して制度を利用できるような職場環境の構築が求められます。

日米ともに選挙も終わり、新たな国づくりに向け、世界的に動いていく中で、少子超高齢化を迎えている日本が今後どうなるか。育児・介護休業法、高年齢者雇用安定法の改正は今後ますますいろいろな切り口で行われていくものと思われます。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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