【2021年4月改正】70歳まで働ける?高年齢者雇用安定法と新型コロナ関連でのいじめ・嫌がらせQ&A

2020.12.10

【2021年4月改正】70歳まで働ける?高年齢者雇用安定法と新型コロナ関連でのいじめ・嫌がらせQ&A

知っておきたい今月(2020年12月)の労務管理関連情報

みなさまこんにちは!
早いもので、コロナ一色の今年もいよいよあと1ヶ月となりました。コロナ感染数も減少どころか増加に転じている状況です。皆様も是非ご注意ください。
ご支援先でも陽性者が発生、弊社が入っているビルの同じ階の企業にも陽性者が発生して、同じ階に入っている会社は全社強制退館させられ消毒作業が各企業に入り、翌日からはとりあえず通常どおり、といった流れで、日常生活の中にコロナがかなり身近に迫ってきております。
先日ついに私もご支援先の企業様からのご依頼でPCR検査を受診しました。ドキドキしまくりましたが結果は陰性でしたので、陰性証明書を持参してご支援先へ無事にご訪問できました。
ネット上で発注すると翌日の午前中には自宅へ検査キットが到着。到着後すぐに唾液を検査容器に入れ、同封されている封筒に封入して郵便局を投函。投函した翌日の夕方くらいにネット上でログインすると結果が表示される、といった流れで、通院せずに簡単に結果が判明します。金額は15,000円の基本料と証明書費用5,000円に送料と消費税で約22,000円くらいです。
これを安いと考えるかはどう考えるかですが、安心感にはつながりますね。さらに安くなればエチケットとして陰性証明を持ち歩く時代がくるかも、と勝手な想像をしているところではありますが、「油断禁物!」ということで、引き続き毎日15分間は湯船につかって免疫力向上も忘れずに実施していきます。

この流れで今回まずは押さえておきたい内容をご紹介。新型コロナに関連したいじめや嫌がらせ等についてです。

職場で起こる新型コロナ関連のいじめ・嫌がらせへのよくある質問と回答

厚生労働省も、以前から周知している「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を更新し、以下のように新型コロナに関連したいじめ・嫌がらせ等が職場におけるパワーハラスメントに該当する場合があるとして、注意喚起しています。
感染防止対策を徹底することが基本になりますが、感染者が発生した場合の対応から、その後の配慮まで、一貫した対応が求められています。

Q:職場において、新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が起きた場合には、どのように対応したらよいでしょうか。また、そのような事態を未然に防ぐために、どのようなことをすべきでしょうか。
A:例えば、過去に新型コロナウイルスに感染したことを理由として、人格を否定するような言動を行うこと、一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし職場で孤立させること等は、職場におけるパワーハラスメントに該当する場合があります。職場におけるパワーハラスメントに関しては、改正労働施策総合推進法により、その防止のために事業主において雇用管理上の措置を講じることが求められています。

具体的には、相談窓口をあらかじめ定め労働者に周知することや事実関係を迅速かつ正確に把握し、適正な措置を行うこと等が必要です(令和2年6月1日施行。中小事業主は令和4年3月31日までは努力義務。)。
また、事業主に相談したこと等を理由とする不利益取扱いも禁止されていますので、ご留意ください(相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止は、規模にかかわらず、全ての事業主が対象となります)。これらの措置義務に違反した場合には、都道府県労働局において行政指導(助言・指導・勧告等)を行うこととなります。
なお、事業主自らも、パワーハラスメント問題に対する関心と理解を深め、労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)に対する言動に必要な注意を払うよう努める必要があります。

新型コロナウイルスに関連したいじめ・嫌がらせ等が行われることのないよう、労働者への周知・啓発を徹底し、適切な相談対応等を行っていただくことなどにより、職場環境の改善を行っていただきますようお願いします。

2021年に改正される「高年齢者雇用安定法」

次にご紹介したいのは、人生100年時代、老後2000万円問題(少し古いか。。。)等々、年金には頼れないから自助努力で何とか生きていきましょうね、と国から我々国民は言われている訳でして、言うからには環境を整備してもらわないと困ります、ということで国も徐々にですが環境を整備してくれています。
現在の高年齢者雇用安定法では、原則65歳までの雇用確保を企業に義務づけていますがこの高年齢者雇用安定法を改正し、来年(2021年)4月1日より新たに70歳までの就業確保を努力義務化してくれました!省令や指針が示され、リーフレットも公開されているところです。
今回の改正のポイントは、定年を65歳まで引上げるものではなく、70歳までの就業確保が努力義務にとどまっていることです。このうち、70歳までの就業確保については、対象となる事業主や対象となる措置を以下のように示しています。

【対象となる事業主】
・定年を65歳以上70歳未満に定めている事業主
・65歳までの継続雇用制度(70歳以上まで引き続き雇用する制度を除く。)を導入している事業主
【対象となる措置】
①~⑤のいずれかの措置(高年齢者就業確保措置)を講じるよう努める必要がある

①70歳までの定年引き上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
 ※特殊関係事業主に加えて、他の事業主によるものを含む
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
 a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
 b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

このうち、④および⑤については、過半数労働組合等の同意を得た上で、措置を導入する必要があります。
今回の改正はすぐに70歳までの就業確保措置の導入が求められるわけではありませんが、知識・技能を持った高年齢者の活用等の側面からは、より長く安定して働ける仕組みづくりは企業が取り組むべき重要なテーマなのかもしれません。
ちなみに約20名程度の弊社では1年前に定年制度を私が廃止しちゃいました!
定年制度がない企業は約5%未満、というデータを見たことがあり、感覚的にもまだまだ少数だと思っています。定年廃止を発表した時に結構驚いた表情をする人が多かったです。中には私に対し、定年廃止で80歳くらいまでは働けるということで、かなり安心感を持てますが、業務をしっかりしていないと80歳どころか、50歳くらいで退職しないといけない、という新たな緊張感もありますね、といった発言をした方もいました。また、本当の働き方改革って年齢に縛られることなく、自分なりの働き方を実践していくことだと、定年廃止により、意識が良い意味で変わった、という趣旨のコメントをしてくれる方もいらっしゃいました。

まとめ

皆さんは2021年の1年間をどのように過ごしたいですか。一般的に、年末年始にかけて1年間の目標や計画を考える人が多いと言われています。「一年の計は元旦にあり」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。

最近のご相談事項として、コロナ禍の業績不安定な環境の中で従業員に喜んでもらうためにも、従業員に対してキャリアプランや人生プラン、将来設計の仕方、お金の問題、副業のあり方等の勉強会をしてほしい、という声が増えてきています。
定年延長や雇用の努力義務への対応から、もう一段階従業員のためになる施策を実施していくべき1年に2021年はしてもらいたいと感じています。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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