【2021年12月改正】職場環境に関する法改正とキャンプワーケーション

2022.1.5

【2021年12月改正】職場環境に関する法改正とキャンプワーケーション
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
いよいよ2022年がスタートしました。年末年始に、今年はこのような1年にしたい、といった希望や目標を掲げられた方も多かったのではないでしょうか。
私自身も2022年はもう少し余暇を楽しめるような仕事環境の整備を進めていこうと決心しているところです。
なぜなら、最近読んだリンダグラットン著の「LIFESIFTⅡ」に記載していた内容として、

(1)20代前半までの教育を受ける学生時代
(2)社会に出て定年まで仕事をする現役世代
(3)定年後の余暇を楽しむ老後人生

とこれまでは人生を大きなくくりとして3つに分けることができていました。
しかし、医療技術の進歩と寿命が伸びている影響により、人生100年時代に突入し、特に老後人生が長くなる中で、老後人生の中でも年金に頼らずに働いたり、現役世代の中でも学び直しをしないと新しい世の中についていけなくなったりする。

また、老後人生の中で楽しもうとしていた長めの余暇、を現役世代の元気でお金を稼げる時に仕事をしながらでも余暇を楽しめるようにする必要が出てきており、そのためには心身ともに健康であることが大切である、ということが伝えられている、と私は感じたからです。
学ぶ時代、働く時代、老後時代の垣根がなくなってくる、といった感じでしょうね。
その観点から言いますと、まずは「働きながらも休む」「休みながらも働く」、ということができる環境を会社や自分に取り入れることができるようにしなければならないと感じていますので、改めてワーケーションに関連する内容についてお伝えできればと思っております。

新しい発想やコミュニケーションが生まれる「キャンプワーケーション」

ワーケーションの中でもキャンプワーケーション、って言葉を知っていますか?

「キャンプワーケーション」とは。
ミーティングだけでなく、一から参加者全員でテントを設営したり、開放的な空間でBBQなどの調理を楽しんだり、焚き火を囲んで語り合うなど、非日常の体験の中でメンバーの意外な一面が見られたり、いつも以上に笑顔が増えたりと、さまざまな好影響が見込まれると思います。
閉鎖的な会議室で行うミーティングはどうしても硬い雰囲気になりがちで、なかなか自分の意見を言えないという人もいるのではないでしょうか。
これをアウトドア空間に環境を変えてみるとどうなるか。
気持ちの良い青空の下、テントやタープでミーティングを行うことで、思いがけないクリエイティブな発想が生まれたり、前向きで思い切った意見が飛び交ったりするかもしれません。役職や部署など関係なくコミュニケーションが図れるので、業務改善にも繋がっていくのがキャンプワーケーションの魅力だと言われます。

例えば、北海道十勝で、「ゆとり」「癒し」「ワクワク」に溢れたプレミアムな時間を満喫できる機会を提供することを目的として個人向けに「キャンプワーケーション」を提供しているケースがあるようです。
駅前のレンタカー会社と提携し、レンタカーの中にキャンプ道具とワーケーションに必要となる備品を積んでまるごと貸出をするプランがあります。
現在、北海道十勝にはビジネスユースのお客様は多いようですが、アウトドアとビジネスを組み合わせた受け入れ環境は非常に少ない、という現状があるようです。
そこで、せっかく雄大で素晴らしい自然がある北海道十勝のポテンシャルを発揮し、北海道十勝の新しい魅力を作る、という意味でも、率先してモデルケースを作っていきたい、アウトドア志向のビジネスマンへ新しい働き方を提案したい、としてサービスを立ち上げている会社があるようです。
冬場は雪で大変だと思いますが、夏場は避暑を兼ねて北海道十勝へ、という発想もありだと感じています。

キャンプワーケーションの労務管理~労働時間の管理はどうなるの?

労働時間管理としては、業務命令としてキャンプワーケーションをやるぞ、となっている場合、現地集合だとすると自宅から直行の扱いで、朝の始業時刻から労働時間カウントをスタートし、キャンプ場でテントやタープ設営、夜のBBQ準備・仕込み等をしている時間も全て労働時間としてカウントすることとなります。
夜は、全員強制参加にしているカリキュラムが終了するまでをカウントします。
コンプライアンスを特に気にされている企業様の場合は、定時の終業時刻までで強制参加のカリキュラムを終了させ、労働時間カウントを終了させます。
その後、自由参加で会社が費用負担し、管理監督者が焼いたり煮たりするBBQをするから、食べたければ来てね、としておけば、キャンプ場の場の力と空腹、ということが相まって、自由参加とはいえ、ほぼ皆さん参加されてくれるのではと思っています(期待も込めて)。
BBQで食事をしながら、その後も皆で焚き火という非日常の演出の中でコミュニケーションを図れると思います。最近ではキャンプ利用料金がサブスクスタイルで平日なら何日使っても●●円、というキャンプ場も出てきているようですので、検討してもよい選択肢かもしれませんね。

企業がワーケーションを導入するハードルが高い場合

コロナ禍を経て、在宅勤務やリモートワークが普及してきたとはいえ、まだまだワーケーションを導入している企業は少ないのが実情です。
いきなりキャンプワーケーション、はハードルが高すぎる、という企業様はまずは、基本型であるホテルや宿泊施設を使ったワーケーションから実施しても良いかと感じております。

ちなみに、ホテルでゆっくりと休日を楽しむ、という意味で「ホカンス」という言葉も流行っていますね。
海外旅行もまだまだ行きにくい状況ですし、オミクロン株の流行で徐々に県外にも行きにくくなりそうな中で、「ホテルに泊まって、バカンス気分を味わう」という時間の使い方です。わざわざ遠くに行かなくても、気軽に普段と違った休日を楽しめると人気が出ている過ごし方のようです。
ホカンスと合わせて少しだけ仕事をする必要があるタイミングでWEB会議等に参加、といった働き方もあろうかと思います。

安全で快適に!2021年から改正された職場環境における規則

最後に、職場で健康で安全に働くことができるためには、職場環境が整っていることが重要になります。
そのために、安全衛生法が定められており、これに基づき労働安全衛生規則や事務所衛生基準規則が定められています。今回これらの規則が改正されたことから、その主な内容を確認します。

①事務所の照度(2022年12月1日施行)

作業を行うときの明るさには基準が設けられていますが、事務作業における作業面の照度の作業区分が2区分となり、以下の通り基準が引き上げられました。
・一般的な事務作業(300ルクス以上)
・付随的な事務作業(150ルクス以上)
これに加え、個々の事務作業に応じた適切な照度については、作業ごとにJISZ 9110などの基準が参照されることになりました。

②トイレ(便所)の設備(2021年12月1日施行)

職場のトイレは、男性用と女性用のトイレを設けた上で、同時に働く労働者数によって一定の個数を確保することが定められています。これについて、以下の改正が行われました。
・男性用と女性用のトイレを設けた上で、独立個室型のトイレ(※)を設けたときは、男性用および女性用のトイレの設置基準に一定数反映させる。
・少人数(同時に働く労働者が常時10人以内)の作業場において、建物の構造の理由からやむを得ない場合などに限り、独立個室型のトイレで足りるとされました。
※独立個室型のトイレ:男性用と女性用を区別しない四方を壁等で囲まれた一個の便房により構成されるトイレで、いわゆる「みんなのトイレ」のような形式のもの。
なお、従来の基準を満たすトイレを設けている場合は変更は不要です。

③救急用具の内容(2021年12月1日施行)

職場に負傷者の手当に必要な救急用具や材料を備え、その備付け場所と使用方法を労働者に周知する義務があります。その救急用具の内容は、ほう帯材料やピンセツト、消毒薬といった定めがありますが、この具体的な品目の規定がなくなりました。改正後は、職場で発生することが想定される労働災害等に応じ、応急手当に必要なものを産業医等の意見、衛生委員会等での調査審議、検討等の結果等を踏まえ、備え付ける必要があります。

以上です。

キャンプワーケーションを長期間続けようと思うと、作業場の照度は太陽が決める?キャンプ場でのトイレ問題は?キャンプ場での怪我に対応すべき救急用具の準備、といった少しややこしい点もありますが、照度・トイレ・救急用具の観点は常に忘れずに、ということでキャンプワーケーションにチャレンジしてもらえればと思います。

下村 勝光(しもむら かつみつ)
MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。
仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。
「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。
生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。

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