VUCAの意味とは?組織作りの4つのポイントと求められる3つのスキルを解説

2024.5.17

VUCAの意味とは?組織作りの4つのポイントと求められる3つのスキルを解説

近年、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻、AI技術の急激な進化など予測がつかない状況が続いています。この先、どのようなことが起こるのか私たち自身も予測がつかないことを頭文字4文字を使って「VUCA(ブーカ)」という造語で表すことがあるのです。

この記事では、VUCAについて基本的な知識からどうやってVUCAを乗り越えていくかのポイントやスキルを紹介します。世界情勢が目まぐるしく変化する現代、VUCAをいち早く理解し、ビジネスやマーケティングの基盤を作りましょう。

VUCAとは|意味をわかりやすく解説

最初にVUCAの意味を解説します。

  • 変動性(Volatility)
  • 不確実性(Uncertanity)
  • 複雑性(Complexity)
  • 曖昧性(Ambiguity)
  • 上記のようにVUCAとは、4つの頭文字をつなげた造語のことをいいます。この言葉は軍事用語で、アメリカとロシアが戦争をしたとき、予測不可能な状況があった際に使われました。

    VUCAという造語は、近年ビジネス社会でも浸透していったのです。わかりやすくいえば、VUCAは急速に変化するため予測できない困難な状況のことを表しています。

    変動性(Volatility)

    変動性とは、急激な情報の変動により人々のニーズが大きく変わることをいいます。
    一番わかりやすいのは、新型コロナウイルスの急激な拡大による勤務体系の変化でしょう。

    今までは、勤務時間に合わせて会社へ出勤し、仕事が終わると退勤して家に帰るのが普通でした。それが会社に行けなくなり、会議はリモートでおこなうという新たな勤務体系に変わったのです。

    それに伴い、IT技術が加速しSNSの普及やAIの発達などが起こり、短期間で市場の状況が変化していくようになりました。未来予測が困難になる分、的確な情報の判断が必要となってきたのです。

    不確実性(Uncertainty)

    不確実性とは、将来何が起こるか見通しを立てるのが困難な状況のことをいいます。主に政治・国家や自然環境、地球の気候変動などの予測が難しいときに使います。

    その他、新型コロナウイルスのような未知の疾病なども不確実性な状況といえるでしょう。これらのように突然困難な状況が発生するVUCA時代では物事の判断が困難になります。

    また、年功序列や終身雇用制度の崩壊によって企業の雇用形態も変化し、個人や経営者の判断力・推察力が試されます。私たちを取り巻く環境がどう変化するのかわからない場合、不確実性を企業がどう柔軟に対応できるかが課題になってきます。

    複雑性(Complexity)

    複雑性とは、グローバル化によってその国の常識などがそれぞれ絡み合い、ビジネス環境が複雑になっていることをいいます。日本も事業を海外展開している企業も多いですが、法律や習慣の違いでビジネスが複雑になり、的確な判断が必要になってきます。

    海外で成功している事例が日本で通用しないことも多々あるのです。キャッシュレス決済がその一例で、日本では浸透するのに時間がかかっています。このようにVUCAの中でも複雑性は、ビジネスやマーケティングにおいて将来もっとも困難な課題のひとつといえるでしょう。

    曖昧性(Ambiguity)

    曖昧性とは、これまでの変動性、不確実性、複雑性が複雑に絡み合うことによって生じることをいいます。

    突然の出来事の因果関係がわからず、説明できない状態になるということです。そうなると、何か問題が発覚した場合に過去の実績や成功例が通用せず、その原因や解決策を講じるのが困難になります。

    また最近では、インターネットやSNSの普及によってひとつのことに対しての解釈が多様化し、顧客に対しての戦略が絞り込めなくなっています。

    しかし、曖昧性を逆手にとって新規ベンチャー企業に対して投資をする「ベンチャーキャピタル」をおこなっている大手企業もあります。

    なぜVUCAが注目されているのか

    VUCAという言葉は、前述で紹介したとおり、軍事用語として使用されていました。

    2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件を契機に、頻繁に使われ始めたといわれています。ビジネスの世界では、2016年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で「VUCA World」が使用されたことがきっかけでした。

    日本では、2019年に経済産業省がVUCAという表現を使い認知度がさらに加速したといわれています。

    このように全世界がVUCAに注目している中、変化に対応できる人材育成が進められています。CO-MIT(コミット)では、越境学習を通して、VUCA時代を乗り切る人材育成が可能です。越境学習という、自分の部署ではない環境で多角的に学ぶことによって、VUCA時代に対応できるといえるでしょう。
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    VUCA時代に求められる3つのスキル

    急激な変化が起こるVUCA時代では、問題を把握し正しく柔軟に適応するスキルが必要になります。そのためには、各個人のスキルアップをすることが大切です。新しい変化やビジネスに対応する能力があれば、時代の変化を生き抜けるでしょう。

  • 情報処理能力
  • 仮説構築能力
  • 行動力
  • これらはビジネスパーソンにとって当たり前のスキルかもしれません。しかし、VUCA時代のような頻繁に変化が起こる時代には、この3つのスキルを身につけることが大切です。

    情報処理能力

    VUCA時代では、これまでの成功例をもとに事業を進めるのは難しくなりました。

    そのため、さまざまな情報をインプットし、判断しなければなりません。また、グローバル化が進み海外の情報が必須となり、自社や国内だけではなく世界に情報のアンテナを張り巡らせる必要があります

    正確な情報を的確に選別できる能力も必要になってきます。情報を取捨選択し、膨大な情報を適切な形で適用する情報リテラシーのスキルが求められるのです。

    インターネットやSNSで簡単に情報が得られる現代、情報の波に溺れず自社やその業界にどのような影響を与えるかの判断も必要となってくるでしょう。

    仮説構築能力

    同じようなことを同じように実行し成功するのであれば、仮説構築能力はまったく必要ありません。その証拠に、大手企業の多くは、過去の実績を真似しても未来はないと発言しています。

    そこで、企業では柔軟な思考を持ち臨機応変に行動できるスキルを必要とします。仮説構築能力とは柔軟な思考、つまり当たりをつけて行動できる人の能力のことをいうのです。

    もちろん、単なる勘ではなく確かな情報にもとづいて仮説を立てなければいけません。仮説をもとに行動し、成果から再び仮説の検証に戻るというアプローチも必要になります。

    行動力

    VUCA時代を生き抜くためには、失敗を恐れず何事もやりぬく行動力が必要です。そうすれば、何か困難な課題にぶつかっても臨機応変に対応できるはずです。

    また、ひとりで突っ走って行動するのではなく、周囲の協力も得てリーダーシップを発揮する能力も必要でしょう。

    情報収集に特化していたり仮説を立てられたりしても、目まぐるしく変化するVUCA時代を乗り越えることはできないのです。迅速に行動するスキルや決断力があれば、後手に回らず市場のニーズに即対応することも可能になります。

    これからの時代は、行動力がもっとも必要なスキルだといっても過言ではありません。

    VUCAの時代に対応した組織を作る4つのポイント

    それでは、VUCAの時代を生き抜くためには、どのような組織作りが必要でしょうか。前述では、情報処理能力と仮想構築能力のスキルを高め、行動力と決断力を伴うことがVUCA時代に求められると紹介しました。

    個人のスキルを磨くことが、企業としての組織作りの重要なポイントになります。ここでは企業や組織が今後どう行動すべきか考察していきます。

  • ビジョンの明確化と共有
  • 絶え間ない情報収集と分析
  • OODAループの導入
  • 積極的な人材育成や採用
  • ビジョンの明確化と共有

    VUCA時代には、何もかもが曖昧で不確かな情報が多いです。このような状態に陥ったときは、明確なビジョンが必要です。

    例えば、将来の見通しが困難で先行きが不透明になったとします。そこで、組織でこれからどう行動すべきかを提示すれば、スキルの高い人材がそのビジョンに向かって自発的に行動するでしょう。

    明確なビジョンをお互い共有すれば自分の役割を再認識できます。そして、新たなビジネスやニーズが生まれ、大きなビジネスチャンスを作れるでしょう。ビジョンに対する共通認識ができることによって、イノベーションの創出を目指すことが可能になります。

    絶え間ない情報収集と分析

    すぐに情報は変化するので、何が正しいか判断し、分析する能力が組織には必要になります。

    情報が少なく実行するタイミングが遅れると、その間に状況が変化し、一度決定したことが成果の出ないまま終わってしまうことがあります。

    特にテクノロジーは、数年で技術が廃れ古くなることは珍しくありません。また、時代の変化の起点になるため、国内だけではなく、海外の動向も最新情報にアップデートし続けなければいけないのです。

    これからはテクノロジーに限らず、ひとつの情報から実績や成果を分析しないように気をつけなければ行けません。

    そして、最新のビジネスモデルやIT技術、諸外国の政治情勢などをあらゆる角度から情報をインプットすることが大切です。時代に適応したスキルを学び続けながら、いつでも新鮮な情報を取り入れる行動力とそれに対しての分析を日々怠らないようにしましょう。

    OODAループの導入

    引用元|NECソリューションイノベータ公式HP

    絶え間ない情報収集、それを迅速に判断し決断する能力、VUCA時代ではこのような行動が重要になってきます。それを可能にするのがOODA(ウーダ)ループです。OODAとは、Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(決定)・Act(行動)と4つの頭文字からできた言葉です。

    従来のPDCAサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)という4つのプロセスで成り立っていました。しかし、VUCA時代に対抗できるOODAループは、行動を指針にさまざまな情報の状況判断をして、迅速に決定するというループが大切になります。

    組織という堅苦しいフレームで結果を出すには、OODAループで成果をだすしかありません。この4ステップは、時にはひとつのステップをとばして、効率よくループを周り切ることもできます。このように臨機応変に動かないと、VUCA時代は乗り切れないでしょう。

    積極的な人材育成や採用

    組織にとって一番大切なのは、人材育成です。VUCA時代を乗り切るには、自ら考えて行動できる人材が重要になってきます。

    従来のように上司の判断を待ち行動するのでは、急速な時代の変化に後れをとり、よい結果を導き出すことはできないでしょう。それぞれが得意とするスキルを発揮し、お互い同等の立場で価値観を共有できる場が、これからの企業の成功に必要といえます。

    CO-MIT(コミット)では、越境学習を通して、VUCA時代を乗り切る人材育成が可能です。研修や育成など 課題や目的に応じたプログラムを多数ご用意しているので、気になる方はぜひ確認してみてください。
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    政府も重視するVUCA

    最後に、日本政府が重要視するVUCA時代について、どのような動きをしているのか紹介します。

    最近、日本政府より先に、企業でVUCA時代に対応する動きが活発化しています。たとえばDX(デジタルトランスフォーメーション)推進です。

    これは、過去の技術や仕組みで構築されている仕組みを脱却することによって、人々の生活をよりよいものに変革することを指します。日本企業も変化の激しい時代の中で生き抜くために、さまざまな新ビジネスを創出しています。

    政府も同じように、日本が目指すべき未来社会の姿を国家単位で提唱しているのです。

    経済産業省がVUCA時代の経営に言及

    経済産業省は2019年3月に「人材競争力強化のための9つの提言(案)~日本企業の経営競争力強化に向けて~」という案を発表しています。

    これはVUCA時代に突入している現代、どういった人材を確保するのがよいかという具体案を提示しているのです。

    その中では、「経営者トップがVUCA時代におけるミッション・ビジョンの実現化を目指し変革を進めること」など3つの大原則にもとづいて言及しています。

    そして、「個人の自律的な学び直しを後押しし、支援する機会の提供」などの具体的方策を打ち出しています。これはまさに、人材戦略の重要性を中心とした変革を促しているといっても過言ではないでしょう。

    文部科学省はVUCA時代の教育に注目

    文部科学省はOECD(経済協力開発機構)が主導する「OECDエデュケーション2030」に参画しています。

    世界全体が、VUCAによって変革の波が押し寄せる2030年という時代を乗り切るために、どのようなことが必要かを考えていくプロジェクトです。

    そこでは、「新たな価値を創造する力」「対立やジレンマを克服する力」「責任ある行動を取る力」の育成が必要と考えられています。

    また、小学校で必修化されたプログラミング教育は情報を収集し読み解き、課題や改善策を考えることをおこないます。VUCA時代を生き抜く効果的な学習方法とされているのです。

    内閣府はSociety 5.0を提唱

    2016年に「第5期科学技術基本計画」において、内閣府が「Society 5.0」を提唱しました。

    これは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」を指しています。

    現代の情報社会(Society4.0)では過疎化や少子化が問題となっています。しかしSociety5.0では、ロボットやAIなどによって過疎地域の移動手段の克服をすることが課題です。人とモノが融合し新たなイノベーションを創出しているということがわかります。

    CO-MITの越境学習でVUCA時代に求められる人材を育成

    引用元|CO-MIT(コミット)公式HP

    日本だけではなく、世界がVUCA時代に注目する中、対応できるスキルや能力を誰よりも早く習得できれば、時代の変化に適応できます。何かを変えなければいけない、そう感じたときはCO-MITがおすすめするワーケーションプログラムを検討してみてはいかがでしょうか。

    所属する企業や組織の枠を超えた環境で自己の成長を目指す越境学習は、気付かない自分を見出せます。CO-MITがおすすめするワーケーションプログラムでは、日常から離れた環境下で研修することにより組織の創造的活力やチームの一体感を生み出せるでしょう。
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    まとめ

    VUCAとは、不確かな情報が多く、将来の予測が困難な状況を示す造語です。過去の実績や成功も参考にならないので、新たなイノベーションの創出が必要になります。

    VUCAの時代を生き抜くためには、経営環境に応じた臨機応変な対応や情報収集や分析、迅速な決断力や行動力が求められるのです。

    また、急速な時代の変化を恐れず新たなチャンスとして受け止め、柔軟な組織を作るためには自己スキルを高める人材育成がカギとなってきます。

    CO-MITでは、VUCA時代を生き抜くための、おすすめワーケーションプログラムをご紹介しています。

    組織が一丸となって人材育成を目指すなら越境学習ができるCO-MIT(コミット)をぜひ活用してください。

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