押さえておきたい!2021年以降に変わる「改正労働施策総合推進法」や「働き方改革関連法」などの法律やルールまとめ 2021.1.12 ウィズコロナ 人事・総務向け 労務管理 経営層・管理職向け 目次 知っておきたい今月(2021年1月)の労務管理関連情報 2021年に変わる法律やルールまとめ 再びの緊急事態宣言。企業全体で変えていくこと 知っておきたい今月(2021年1月)の労務管理関連情報 みなさまこんにちは! 昨年の今頃、まさか2020年がコロナウイルスで右往左往させられる1年間になると想定していた方はいなかったと思います。 2021年はどのような1年間になるのか、誰も答えは持っていないと思います。だからこそ、この1年間はこのようにしたい、という自分自身の熱い想いが大事になってくるものと考えています。 私はすでに2021年の1年間で出したい結果をマンダラシート、という目標設定シートにとりまとめてスタートできていますので、あとはやるのみ。 目標が設定できている状態とできていない状態とで、いざという時の踏ん張り力に違いが出てくる、ということを年末年始で私も体験しました。例年でしたら、2月か3月に実施される○○マラソンで3時間30分を切る、という目標を設定していますが今回はコロナの関係で設定しませんでした。そうすると面白いもので、年始に行っている早朝ランニングのために起床することができません。寒さに負けてしまいました。 マラソンの目標を設定していれば、朝寒くても「今日早朝ランニングしないと目標に届かなくなる」というプレッシャーを自分自身でかけることができ、寒い中でも走り出していたと思います。 たかが1枚の紙切れに目標を書くだけのことだけで、自分の行動が見事に変わる、ということで、まだまだ間に合う時期ですので、1年間の目標を掲げられていない方は是非実践してみてください。 2021年に変わる法律やルールまとめ 今回ご紹介しますのは、2021年以降に変わる主な法律やルールについてです。新聞雑誌等にもわかりやすく取りまとめられていたものの中から、ある程度皆様にも関係のありそうな内容をお伝えさせていただきます。 今後、どのような内容が改正されていくのかを踏まえておくことはとても重要なことになりますので是非ご確認ください。 1月1日 改正著作権法 音楽、映像だけでなく漫画や書籍、論文など全著作物が違法ダウンロードの規制対象となります。 改正育児・介護休業法 子の看護休暇や介護休暇を時間単位で取得可能となります。 規程にも時間単位で取得できる旨、追記をお忘れなく。 京都府亀岡市がプラスチック製レジ袋の提供を禁止する条例施行 小学校3年生の私の次男の冬休みの宿題に、プラスチック等のゴミを減らす取組をしている企業や自治体の内容を調べて書く、というものがありましたのでこの内容は使わせてもらいます。 有害廃棄物の国際的な移動を規制する(バーゼル条約)改正 汚れた廃プラ輸出は相手国の同意が必要となります。 3月1日 改正会社法 上場企業などへの社外取締役の設置義務化や取締役の報酬決定方法の透明化が求められます。私の方にも数件、役員報酬の決め方ルール構築のご相談が昨年末あたりに入っております。 障害者の法定雇用率の引き上げ 民間企業は2.3%となります。 私のご支援先でも達成できる企業と全く達成できない、障害者を雇用したことがない、といった障害者雇用に対する二極化が進んでいるように感じています。ハローワークに相談してみると自社にとって良いアドバイスをもらえることもありますので是非お試しください。 4月1日 改正高年齢車雇用安定法 70歳までの雇用機会確保が企業の努力義務となります。 詳細内容については、前回アップしている「知っておきたい今月(12月)の労務管理関連情報」に記載していますので、そちらをご覧ください! 働き方改革関連法 中小企業にも同一労働同一賃金ルールが適用になります。これによりますます企業としては賃金体系、正社員登用制度、職務権限規程の見直しや構築が進められていくものと予想しております。 改正労働施策総合推進法 従業員301人以上の企業に中途採用比率を公表することが義務化されます。 ここで言う中途採用比率とは、[中途で採用した人数]÷[正規雇用労働者として採用した人数]で算出する、正規雇用労働者の全体採用者数に占める中途採用者数の割合を指します。 少子高齢化が進み人生100年時代といわれるように長期化が見込まれる現役時代の更なる充実や、年齢によらない活躍・再チャレンジを促進するため、中途採用に関する環境の整備が必要とされています。中途採用比率の公開を義務化することによって、中途採用での安定した長期雇用の活発化、中途採用を希望する労働者と企業のマッチングを促す狙いがあります。 改正意匠法 複数の意匠を一括して出願できるように、手続き救済規定が拡充されます。 改正建築物省エネ法 中規模ビルにも基準適合義務付け。 戸建て住宅などの設計者から建築主への説明義務制度が創設されます。 改正割賦販売法 クレジットカード会社が与信枠の設定に人工知能(AI)やビッグデータ分析を使えるようになります。 いよいよ個人の信用力の評価もデータ分析から算出される時代に本格的に入ります。 改正大気汚染防止法 アスベスト(石綿)の飛散防止対策が強化されます。 6月1日 改正食品衛生法、改正食品表示法 食品などの自主回収(リコール)情報を行政に届け出ることが義務化されます。 6月4日 改正行政書士法 社員が1人の行政書士法人の設立が可能となります。 私も一応行政書士の資格は取得していますが社会保険労務士業務が本業ですので行政書士資格をうまく活用できておりません。でも今回の法律改正で1人でも行政書士法人が設立できる、ということで仕事の幅を広げられそうな気はしております。副業・兼業時代ですので、自分がどのようなことで社会貢献できるのか少し考えてみましょうかね。 夏頃までに 改正郵便法 手紙やはがきなどの普通郵便の土曜配達が休止されます。働き方改革等を考えると私は大賛成です。 22年までに施行見込み 改正個人情報保護法 個人が企業に自らのデータを使わせないようにする利用停止権が設定される予定です。自分の情報が漏れているのではないか、といった不安になる局面に遭遇されている方もチラホラ出てきていると思いますので、これはありがたい法改正かと思います。 改正公益通報者保護法 従業員300人超の企業に内部通報制度の整備を義務付けられ、担当者に刑事罰付きの守秘義務が課せられる予定です。刑事罰付、となると担当者になりたがらない方も出てきそうではありますが、そこまでしても通報者を守っていく体制を作っておかないと正しい社内情報が出てきにくいとも感じています。 あと上記以外で個人的にとても気になっているのは、押印の撤廃に関する社内ルールや相手先とのルール構築、法整備に関してです。菅政権となりデジタル庁の設置や押印の廃止による生産性の向上が叫ばれており、我々の生活にも直結してきます。 再びの緊急事態宣言。企業全体で変えていくこと 特にこの記事を作成している段階では緊急事態宣言が出そうなタイミングですので、在宅・テレワークでの継続的な勤務が可能となる体制をさらに構築していく必要が出てきます。2月下旬ごろからコロナワクチンの接種がスタートしそうだとはいえ、まだまだ日本全体に行き渡るのは6月くらいまでかかるだろうと思っていますのであと半年くらいは慎重に取り組んでいかなければなりません。その中でのハンコ押印文化からの脱却、は在宅・テレワークをさらに本格的に導入する上でとても大事なポイントであることは間違いありません。 社内稟議の回覧・押印に時間をかけている時代ではなくなってきていますので、コロナをきっかけに、デジタル技術を活用して業務のやり方を企業全体として変えていくべきだと思います。 これがすなわち「DX」(デジタル・トランスフォーメーション)ということになります。まだまだ言葉が先行しているDXですが、とんでもなく遠い話ではなく身近な変革を行っていくことがDXになりますので、肩の力を抜いてDX化していく1年にしていきましょう。 そして一人一人の努力により、オリンピックを実現させたいですね。 オリンピックを実現させるのは国ではなく、自分である、という気持ちでコロナと向き合っていきましょう。 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >【2021年4月改正】70歳まで働ける?高年齢者雇用安定法と新型コロナ関連でのいじめ・嫌がらせQ&A >【取り組み事例紹介!】企業への未払残業対策の指導結果について(平成31年度・令和元年度) >【差が出る前に要チェック!】働きやすい職場環境へ意識改革 -アクティビティベースやステイケーションとは- >【知っておきたい】2020年9月改定される労務管理のポイント CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 記事一覧へ
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