今だから知っておきたい!従業員のワクチン接種状況管理、賞与情報、新たな助成金情報について 2021.6.10 ウィズコロナ モチベーションUP 人事・総務向け 労務管理 計画・準備 みなさまこんにちは! 前月の記事では、「ワクチン接種に関する労務管理関連情報」についてお伝えし、主に休暇関連を中心にお伝えしました。 >前回の記事はこちら新型コロナウイルスのワクチン接種に関する労務管理関連情報とワーケーションの取り組み例 今回は従業員のワクチン接種状況の管理を中心にお伝えします。 大規模接種会場でのコロナワクチン接種がスタートしました。 私の母は81歳で接種予約をスムーズにするならホームページから。パソコンもスマホも使えない母はどうやってスムーズに予約すればいいのか、ということで私が代わりに予約。無事に6月6日の第一回目の接種予約を確保できました。 大阪は予約が結構すぐに満員になりましたが、東京は接種会場へのアクセスが少し不便なので少し空いているとのこと。大阪は病床不足である、という情報を知事がかなり強く発信しているので、高齢者の方々もとにかく接種して、重症化は避けたい、という気持ちが東京よりも強く働いている結果が予約状況の差となっているのではないか、と思われます。 また、アメリカからの情報では、1億人以上がワクチン接種を完了し、そのうち約1万人がコロナ感染。0.01%くらいの確率でワクチンを接種してもコロナ陽性反応が出る(ブレイクスルー感染)、というデータが出てきています。 ちなみに、(ブレイクスルー感染)とは、米食品医薬品局(FDA)が承認したワクチンの接種を完了してから14日以上が経過した後に、新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たケースのことを言うそうです。新たな言葉が出てきました。 専門家からするとかなり低い率、ということなので私も早く接種して、アメリカのようにマスクなしで旅行もできる、といった状況の仲間入りをしたいと思っていますが、ベトナムでインド型と英国型が組み合わさった空気感染しやすい新たな変異ウイルスが見つかった、という不穏なニュースも出ており、油断できない状況がいつまで続くのか、といったところです。 目次 従業員のワクチン接種状況の管理について 今年のボーナスの減少率は底打ち? 副業してる人は要チェック!「副業・兼業労働者の健康診断助成金」について 従業員のワクチン接種状況の管理について さて、まずは最近特にご質問を受けることが多くなってきた、「従業員のワクチン接種状況の管理」についてお伝えします。 ワクチン接種はあくまで本人の自由意志にゆだねられているものなので、事業主が強制したり、接種状況を管理することは、労務管理上NGとなります。 採用時の接種の有無を確認することが不適切であると言う考え方もあります。 なお、 ・ワクチン接種を推奨する ・ワクチン接種の特別有給等を設けた際に、本当にワクチン接種のための休暇であったかを確認する などはOKとなります。 参考にワクチン接種に関する厚生労働省の回答 及び 国会答弁などを記載しますので、よろしければご参考にして下さい。 ◇ 予防接種を事業主が労働者に勧奨することについて ・「勧奨」そのものを禁じる法令はない ・政府としては、国民が自らの判断で受けるべきものと考えている (内閣衆質204第35号令和3年2月19日)。 ◇ 予防接種に応じないことを理由とする不利益取扱いについて ・「接種することを求め、応じない事を理由に取引を中止することもしくは契約しないこと」 ・「取引先に接種の有無を聞くこと」 ・「接種証明の提示を求めること」 そのものを禁じる法令はないが、政府としては、予防接種を受けていないことを理由として不利益な取扱いが行われることは適切ではないと考えている(内閣衆質204第35号令和3年2月19日)。 ◇ 採用時に予防接種をしていることを条件とする、もしくは面接で接種の有無を聞くことについて ・「接種することを求め、応じない事を理由に取引を中止することもしくは契約しないこと」 ・「取引先に接種の有無を聞くこと」 ・「接種証明の提示を求めること」 そのものを禁じる法令はないが、政府としては、予防接種を受けていないことを理由として不利益な取扱いが行われることは適切ではないと考えている(内閣衆質204第35号令和3年2月19日)。 ◇ ワクチンの接種証明を求めることができるか ・ワクチン接種をしていない人への不利益取り扱いは避けるべき ・ワクチンを接種するかどうかは、個人の判断 (令和3年3月9日田村大臣会見概要) 次に、今回確認しておきたい労務管理のポイントとしては、季節的に夏季賞与や健康診断に関する情報をお伝えします。 今年のボーナスの減少率は底打ち? 賞与については、前回の記事で労政行政研究所が集計した2021年4月16日時点情報をお伝えしましたが、今回さらに日経新聞社の調査(2021年5月13日時点)での情報が出てきましたので共有させていただきます。 「夏のボーナス3.64%減」という記事が出ていました。 昨年と比較してではありますが、減少率は前年が5.03%と比較すると縮小しており、食品業界や陸運業界等は前年を上回るなど、一部に底打ち感が出てきているようです。 巣ごもり消費の恩恵を受けた食品やネット購入による陸運に好調な業績が見られ、大幅増につながっているケースもあるようです。 私が所属している100年企業研究会で調査対象としている企業様の共通項は、賃金は社員の生活を守る重要なもので、儲かっていないからと言って激減させたりするのは生活を不安定にさせるので、儲かっている時にこそ内部留保(貯金)をして備えておくことが「経営」であり、その責任は全て経営者の判断である、ということを社長や会長が真剣に考え、実行している、ということです。 今回のコロナにより売上・利益が単年度で減っても、びくともしない経営基盤を作ること。 そのためにも、日頃から会社の数字をしっかり教育しておくことも重要だと思います。 時間のある時期だからこそ、じっくりと教育に時間をかける。これも将来に向けての内部留保の一環かもしれませんね。 副業してる人は要チェック!「副業・兼業労働者の健康診断助成金」について 最後に健康診断についてですが、健康診断と内容というよりは健康診断に関連した「副業・兼業労働者の健康診断助成金」についてのポイントをご紹介いたします。副業・兼業している人は自己管理できる人じゃないとダメじゃないか、と思っている私からすると何となく違和感のある助成金ではありますが。。。。 「助成金の概要」 副業・兼業労働者に対して一般定期健康診断を実施した場合に費用の助成が受けられます 「助成を受けるための取り組み等」 ①次の要件を満たす副業・兼業労働者に対して一般健康診断を実施している、あるいは自発的に一般健康診断を受診した当該労働者に対して健康診断の費用を負担していること。 (1)40歳未満の労働者(一般健康診断を実施する日の属する年度に40歳の誕生日を迎える労働者を除く。) (2)本業や副業を問わず、雇用されている全ての事業場において1週間の労働時間数が当該事業場における同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満の労働者 ②自社の使用者や労働者以外の者に一般健康診断の実施等を行わせていること。 「助成対象」 一般健康診断費用。オプションや特殊健康診断の費用は対象外のようです。 「助成金額」 1副業・兼業労働者当たり1回限定とし、助成額は1副業・兼業労働者当たり10,000円。ただし、1事業場当たり100,000円が上限。 「取組の実施期間」 令和3年4月1日から令和4年3月31日まで。 「申請期間」 令和3年5月18日から令和4年6月30日まで(消印有効) 「申請先」 独立行政法人労働者健康安全機構 勤労者医療・産業保健部 産業保健業務指導課 ちなみに助成金について、特に雇用調整助成金の不正受給に関する調査も動き出しているようです。私の知り合いの経営者(従業員20名未満)は、悪徳社労士に唆されていたようで、結果として1000万円を超える金額の返金を労働局から求められているようです。 皆様は大丈夫だと思いますがご注意ください。 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >新型コロナウイルスのワクチン接種に関する労務管理関連情報とワーケーションの取り組み例 >要チェック!2021年3月末発表の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」 >どうすればいいの?広まるワーケーションの労務管理や業務とプラベートの切り替え >【2021年度の国の目玉施策!】中小企業等事業再構築促進事業における補助金の活用について CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 記事一覧へ
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