本当にできてる?今一度検討したい柔軟な働き方~テレワーク・移住公務員・ワーケーション~ 2021.8.10 モチベーションUP ワーケーション 人事・総務向け 労務管理 経営層・管理職向け みなさまこんにちは! 前月の記事では、「実務上影響の大きい法律改正のお話」についてお伝えしました。 >前回の記事はこちら【2022年から実務上影響大?】育児休業の法律改正について 今回は初心に戻り「柔軟な働き方」についてお伝えします。 本記事の作成をしているのは2021年7月31日です。 東京オリンピック メダルダッシュ!!オリンピックの開会式の中で一番興味を持ったのが「ピクトグラム」。 絵文字ならぬ、パフォーマンス人文字。衝撃的な完成度で感動しました。 ピクトグラム、パフォーマンス人文字は今年の忘年会で流行るだろうなー、私も今年の忘年会で何ができるかな、と思う次第で、「必ずウケる」「映えル」と思いますので皆様もネタ探しを今から始められてはいかがでしょうか。 ただ、日本勢のメダルが増えるとともに、コロナも急増し、8月2日から8月31日まで緊急事態宣言ですね。ひょっとすると忘年会なんて言っていられない事態へ発展する可能性もあるかもしれません。アフターコロナはいつ到来するのか。ワクチン接種率の向上が最大のポイントとなりますが、ここまでコロナが長期化すると、働き方だけでなく休み方も一時的な対応ではなく、抜本的な社内制度・発想を変えていかなければなりません。 目次 テレワーク定着による柔軟な制度の実現 地方へ移住希望者を雇用する「移住公務員」 まずは「企業版ワーケーション」の導入を検討 テレワーク定着による柔軟な制度の実現 日経新聞でも、アフターコロナ期の働き方として、柔軟な働き方を恒久的な制度を導入している企業が紹介されています。 例えば、大手化学メーカーの事例では就業規則を変更し、月4日以上出社すれば残りはテレワークを可能とする制度を導入。対象者は事務職の約5000人で全体の7割強。従来の規則ではテレワークは「週2日」かつ「月8日」を上限としていたが、コロナ下の例外措置として上限をなくしていた中、新しい就業規則ではオフィスへの出社日数の下限を「月4日」と定めたようです。裏を返せば、 月18日程度はテレワークで構わなくなった、という柔軟なルールになっています。 柔軟にできた理由として、テレワークでも業務に目立った支障が出ておらず、若手社員を中心とする恒久化の要望にこたえたとのこと。 押印による承認が必要な契約書などをメールなどで回覧することを容認する等、テレワークの定着や円滑な業務遂行にむけて工夫されてきた成果として柔軟な制度化を実現されています。 また、同社は次の取り組みとして、一般社員の副業を検討するとのこと。 現在は管理職のみだが、社長が「事業ポートフォリオを変えるなかで社員の考え方も変える必要がある」「社外での活動で得た知見は、個人の能力や当社にとって有益だ」と、経営者の発想が柔軟であれば会社は変わる、ということだと思います。コロナ禍が長期化してくると、何も変えようとしない企業と社員の要望を聞き、何とか応えようとする企業との間で大きな差が生まれてくるものです。 皆様の会社は社員の要望を取り入れて何か実現されていますか? 地方へ移住希望者を雇用する「移住公務員」 次に、コロナが長期化し、ひょっとすると恒久化することが予測される中で、ストレス解消のために旅行へいきたい!でも全然行けていない!という方も多いと思います。 旅行に行くために休みをとっていたが、緊急事態宣言等で思うように行けない、ということは今後も出てくる可能性が高く、国の政策に振り回され、自分の思い描く人生を送れないままでいいのか!と私は思います。 ここは発想を変え、仕事をしながら旅行気分を味わう、あるいは仕事場自体を旅行先にしてしまうことができないか、といった類のことができないか。 ここで、国が実施する興味深い事例をご紹介いたします。 自治体が地方への移住希望者を任期付き公務員として雇用する「移住公務員」(地域おこし協力隊)という制度があります。 制度が始まった2009年度以降、全国で1万人を超える隊員が、地域のPRや地場産業の活性化に向けた活動を行い、任期中の活動だけでなく任期満了後に定住し起業するケースも多いようです。地域、地場といった表現からもお分かりいただけるかと思いますが、都会ではなく、地方となり、仕事場自体が旅行先、を実現しているケースとなります。 以下、日経新聞より抜粋 協力隊は派遣先の自治体が移住者を1~3年程度の任期で雇用し、国が給与や活動費を支援。20年度に全国で活動した隊員は計5464人(新規・継続合計)。新型コロナウイルスの感染拡大で観光など地方の産業が低迷する中、反転攻勢に向け、雇用自治体1065(都道府県も含む)のうち、4割にあたる420自治体が増員。 総務省の調査によると協力隊による移住者は任期満了後に定住する割合が6割と高く、若年世代の流出にも歯止めがかからない地域にとって、つなぎ留めの解決策になるかも、と期待されている制度です。 移住公務員のような発想を企業が持つことができないか。自社の事業内容から「地方」を舞台に、顧客拡大、サービス内容拡大等につなげることができないか、 と考えることも、あり、なのではないでしょうか。 ちなみに、北海道の東川町では、これまでに任期満了者47人のうち、25人が定住し、うち4割が英会話教室やカフェ、宿泊施設などを町内で起業、雇用も創出し活性化につなげているようです。 また、会社員だが移住公務員にエントリーし、任期満了後は経験を自社で生かしたい、という方(特に若手)が出てきてもいいのではと思います。1−3年程度の任期、の制度なので、本業先である自社では「休職」扱いとすることが基本的な労務対応となります。 まずは「企業版ワーケーション」の導入を検討 移住公務員のような年単位での取り組みはさすがにまだまだ自社ではできない、という場合は例えば、7月号でも記載していたワーケーションの導入から始めてみてはいかがでしょうか。 改めてワーケーションについて。 「ワーケーション」『ウィキペディア(Wikipedia)』より 観光地やリゾート地でテレワーク(リモートワーク)を活用し、働きながら休暇をとる過ごし方。在宅勤務やレンタルオフィスでのテレワークとは区別される。働き方改革と新型コロナウイルス感染症の流行に伴う「新しい日常」の奨励の一環として位置づけられる。 「働き方改革関連法」が2019年4月からスタートして早2年が経過し、 この記事がアップされる8月はお盆休みや子供達の夏休み時期となりますが、 皆さんの8月は2年前の8月の休み方と比較して、良い意味での変化はありますか?なかなか変化のない企業様も多いですが、懸念事項としてよく言われるのは、労務管理が大変そうだから、ということですので、ここでは労務管理のポイントをお伝えします。 ワーケーションの労務管理3つのポイント ①労働時間・勤怠 社員が社内にいなくても、労働時間や勤怠管理できる仕組みが必要。 タイムカードかパソコンでのID・PWログイン記録、専用ソフトなどの活用で労働時間を把握します。システム開発会社が商品を出していますので、時間管理はワーケーション先でもやりやすい世の中になっています。 また、「フレックスタイム制」や「裁量労働制」など、柔軟な勤務スタイルを導入することが適している場合もあります。 制度導入には、就業規則の改変や労使協定の締結、労働基準監督署への届出などが必要となる場合があります。 ②年次有給休暇 年10日以上の年次有給休暇を取得する権利のある従業員に対し、5日以上の取得を義務付けられています。 ワーケーション先ということもあり、有給申請が増えることも想定されます。 午前中は仕事、午後から有給で休み、といったケースも。 労使協定を締結した上で、年間5日間だけ時間単位での取得が認められるようになりましたので、柔軟に有給が取得できるよう、制度整備を進めてください。 ③労災保険 ワーケーション中に怪我した! 「勤務中」かつ「業務に関係する事故・怪我」の場合のみ、ワーケーション中であっても労災の対象となりますので、あくまでケースバイケースとなります。 従業員にもその旨伝えた上で、怪我発生の状況をまずは把握し、最終的には労働基準監督署が認定するしない、を判断するので、会社としては労災かくしと言われないよう、怪我の都度、労災申請すれば労務管理対応としては問題にはならないと思います。 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >【2022年から実務上影響大?】育児休業の法律改正について >今だから知っておきたい!従業員のワクチン接種状況管理、賞与情報、新たな助成金情報について >新型コロナウイルスのワクチン接種に関する労務管理関連情報とワーケーションの取り組み例 >要チェック!2021年3月末発表の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」 CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 企業向けのワーケーションポータルも公開中! >企業のための「ワーケーションポータル」 CO-MITがおすすめするワーケーションプログラムをご紹介しています。目的や効果、実施中のモニターツアーなども合わせてご案内しておりますので、少しでも企業向けのワーケーションにご興味がある方はご参考ください。 記事一覧へ
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