【2020年6月改正】コロナ禍で実施された、影響の大きい労務管理上の法律改正について

2020.7.13

2020年6月に実施された法律改正

いよいよ7月に入り、夏がやってくる時期となりました。例年であれば、海、川、キャンプ、プール等、子供達や私も楽しみにしているシーズンになるはずですが、今年は状況が違います。
信じたくはありませんでしたが、当初から言われていたようにコロナは夏場になっても消滅しない、と思われますので、暑い夏の中でマスクをしながら過ごす、という未体験の世界へ突入していくこととなりそうです。皆様も脱水症状や熱中症にはくれぐれもご注意ください。
また、マスクをせずに飛沫感染を防ぐために、透明フェイスガードや透明アクリル板がついたヘルメット等の活用は一定の効果があると感じますので、自社内におけるベストな対応策を考え、皆さんの案で耳が痛くなるマスクから社内メンバーを解放することができればきっと喜ばれることだと思います。

さて今回は、コロナ禍の2020年6月国会で決まった、今後の労務管理上良く出てくる問題で、押さえておくべき内容を2点取り上げますので、是非ご確認ください。

雇用保険の失業手当について

2020年6月国会で雇用保険特例法が成立しました。この特例法で、新型コロナウイルス感染症等の影響による求職活動の長期化等に対応し、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の受給者について、給付日数を60日(一部30日)延長できることが決まりました!
今回、この基本手当の延長についてリーフレットが更新され、以下のとおりの内容となっていますので是非押さえておいてください。

(1)対象となる人
以下の人で、2020年6月12日(法施行日)以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる人が対象となります。

・2020年4月7日(緊急事態宣言発令以前)までに離職した人
 離職理由を問わない(全受給者)
・2020年4月8日~2020年5月25日(緊急事態宣言発令期間中)に離職した人
 特定受給資格者および特定理由離職者
・2020年5月26日(緊急事態宣言全国解除後)以降に離職した人
 新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者および特定理由離職者(雇止めの場合に限る)

(2)延長される日数
60日(ただし、30歳以上45歳未満で所定給付日数270日、45歳以上60歳未満で所定給付日数330日の人は30日の延長)

(3)対象とならないケース
この特例延長給付は、積極的に求職活動を行っている人が対象となるため、①~④のいずれかに該当する場合は、対象となりません。

①所定の求職活動がないことで失業認定日に不認定処分を受けたことがある場合
②やむを得ない理由がなく、失業認定日に来所しなかったことにより不認定処分を受けたことがある場合
③雇用失業情勢や労働市場の状況などから、現実的ではない求職条件に固執される方等
④正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、指示された公共職業訓練を受けること、再就職を促進するために必要な職業指導を拒んだことがある場合

対象となる人は、認定日にハローワークで延長の処理が行われるため、別途申請等の手続きは不要です。

(4)給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月へ短縮
2020年10月1日以降に離職した人は、正当な理由がない自己都合により退職した場合であっても、5年間のうち2回までは給付制限期間が2ヶ月になることとなりました。
また、自己の責めに帰すべき重大な理由で退職した人の給付制限期間はこれまでどおり3ヶ月になるとのことです。
2020年9月30日までに正当な理由がない自己都合によりで退職した人の給付制限期間は3ヶ月であるため、特に9月までに退職する従業員には誤解のないように退職時に説明する必要があります。
上記ルール変更により、失業手当をすぐにもらいたいために、本来は自己都合退職なのに、あえて会社都合の解雇扱いにしてほしい、という従業員からの申し出に対する無用な労使トラブルが減ることを期待しております。

年金制度改正

「被用者保険の適用拡大」
社会保険(健康保険・厚生年金保険)の適用事業所において、社会保険の被保険者となる人は、正社員の他、1週間の労働時間数および1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であるパートタイマー・アルバイト等(以下、まとめて「パート」という)です。
これに加え、正社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満であっても、従業員数501人以上の企業で、以下の4つの要件をすべて満たす従業員(短時間労働者)は、被保険者になります。

①週の所定労働時間が20時間以上ある
②雇用期間が1年以上見込まれる→2ヶ月を超えることが見込まれる
③賃金の月額が8.8万円以上である
④学生でない

ちなみに、上記の従業員数501人以上とは、適用拡大以前の通常の被保険者の合計人数を指し、それ以外の短時間労働者は含みません。また、法人なら同一の法人番号を有する全事業所単位、個人事業主ならここの事業所単位で判断され、この考え方で下記に記載した101人や51人をみていくこととなります。

今回の改正では、2022年10月からは従業員数101人以上の企業、2024年10月には51人以上の企業について、①~④のすべての要件を満たした人が短時間労働者も被保険者となります。
適用拡大を判断する際の従業員数を再度お伝えしますと、例えば社会保険に加入している正社員数80人、社会保険に加入していないパート数30人の場合、合計すると従業員数110人となりますが、社会保険に加入している人数は80人であるため、2024年10月からの適用拡大に該当します。
 
あと、今回の年金制度改正法では、短時間労働者の適用範囲が拡大となることに加え、②の要件が「雇用期間が2ヶ月を超えることが見込まれること」に変更されました。これは、そもそもの社会保険の被保険者として、2ヶ月以内の期間を定めて使用される人は被保険者とならないことと定められており、短時間労働者の雇用期間についてもこの規定に揃えられたものです。
この要件の変更は2022年10月1日に施行となり、従業員数が501人以上の企業も含め、加入すべきパートの確認が必要になります。

社会保険料の負担は企業にとっても、従業員にとっても大きいものですので、適用拡大後の社会保険料負担を意識した労働時間および労働日数の設定を今後検討していく必要があり、既に弊社のご支援先からも複数の相談が入っている状況です。

「在職中の年金受給の在り方の見直し」
高齢者雇用が促進されていることもあり、年金を受け取りながら働く人は増えているようです。ただし、老齢厚生年金を受け取りながら働く人について、在職老齢年金として年金の一部または全部が支給停止されることがあり、労働時間を短く抑えるといった、労働力の提供について抑制に向かわせるような判断が現在よく行われています。

老齢厚生年金の支給額の停止の計算には、給与と年金の合計額(老齢厚生年金の額と標準報酬月額等)が関係しており、一定の計算式で算出されます。
また、計算式は60歳以上65歳未満(低在老)と、65歳以上(高在老)でわかれています。今回の改正では、この計算式が変更となり、計算の際に用いられる低在老の支給停止の基準額が28万円から、高在老と同額の47万円に引上げられます。制度の開始は2022年4月からとなっています。

これにより、老齢厚生年金の支給停止額が少なくなり、また、年金の支給停止を気にせずにより多くの給与をもらおうという年金受給者も出てくることから、労働力の活性化につながることも期待されています。

以上となります。

まとめ

今回は、労務管理の実務上よく出てくる内容に関しての法律改正となりますので、更なる情報収集により対象者へ正しい情報提供を行なっていただければと思います。

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