ハラスメントの労災実態とは?人事担当者が知るべき対策と研修のポイント 公開日 2026.8.19 人事・総務向け 失敗しない 研修担当者向け 計画・準備 みなさん、こんにちは!夏の甲子園も終わり、いよいよ2026年が終わりに向かって加速していく時期に入ろうとしています。スポーツの世界でも暑さ対策として、水分補給時間を確保したり試合時間をずらしたり、と今までにない対策をとっていても「あの暑さ」では体調を崩すケースもありました。以前では考えられない暑さなので、対策しても仕切れないとは思いますが、無防備な状態に比べるとダメージは軽減されているとは思います。 今回は、企業運営において以前では考えられないほどハラスメント対応を求められている中で、完璧なハラスメント対策は難しいですが、できる対策はしておこう!ということで、労災数値の実態をお伝えしつつ、研修企画の参考情報につなげていきたいと思います。 目次 研修企画担当者が知っておきたい数字と法改正のポイント 数字で見るハラスメント関連の労災実態 広がる法改正で会社の義務 1.強い指導とパワハラの違いを学ぶ研修のあり方 2.令和8年10月施行に向けたカスハラ・就活セクハラ対策 3.被害者を守るための初期相談対応と社内フローの徹底 まとめ 研修企画担当者が知っておきたい数字と法改正のポイント おどかすつもりではありませんが、ハラスメントの労災、過去最多ペースで増えています、ということで、まずは、厚生労働省が令和8年7月15日に公表した「令和7年度過労死等の労災補償状況」のポイントをお伝えします。心の病気(精神障害)に関する労災の申請件数は4,958件で、前の年より1,178件増えました。労災と認められた件数も1,082件(前年より26件増)にのぼりそのうち自殺(未遂を含む)は76件でした。ハラスメントへの対応は、もはや一部の会社だけの問題ではなく、どの会社にとっても放っておけない経営リスクになっています。 以下では、その根拠となる数字と、令和8年10月に施行される法改正の内容をふまえ、社内研修の企画にどう活かせばよいかをまとめていきます。 数字で見るハラスメント関連の労災実態 心の病気で労災と認められた件数を、原因となった出来事別に見ると、最も多かったのは「上司などから、暴力や暴言などのパワーハラスメントを受けた」で222件でした。次に多いのは「お客様や取引先などからひどい迷惑行為を受けた」(カスタマーハラスメント的な行為)と「セクシュアルハラスメントを受けた」で、いずれも127件ずつです。「仕事の内容や量が急に大きく変わった」も113件ありました。ハラスメントは、労災の原因の中でも特に多い出来事だとわかります。 業種別では「医療、福祉」が申請件数1,288件・労災認定件数292件でどちらも一番多く、次いで「製造業」「卸売業、小売業」の順でした。職種別では「専門的・技術的な仕事」が最も多く、事務の仕事、接客・サービスの仕事が続きます。年齢別では40〜49歳が申請・認定ともに最も多く、管理職や中堅社員が当事者になりやすい傾向がうかがえます。 広がる法改正で会社の義務 労働施策総合推進法などの法律により、会社が防止のための対策をとることが義務付けられているハラスメントは、これまでのパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメント、育児・介護休業等に関するハラスメントに加えて、令和8年10月1日から新たに「カスタマーハラスメント」と「求職者等に対するセクシュアルハラスメント」が加わります。カスタマーハラスメントについては、お客様などの言動から従業員を守る体制を整えること、求職者等に対するセクシュアルハラスメントについては、面接のルールをはっきり決めて相談窓口を知らせることが、それぞれ会社に求められます。 会社が講じるべき対策は、指針では大きく4つに整理されています。 1.方針をはっきり示して周知・啓発すること 2.相談を受け付ける体制を整えること 3.問題が起きたときに素早く適切に対応すること 4.プライバシーを守り不利益な扱いをしないこと などあわせて行うべき対策です。どれも「ルールを作って終わり」ではなく、管理職を含むすべての従業員に周知・啓発することが前提になっている点に注意が必要です。 研修企画で押さえたい3つのポイント 1.強い指導とパワハラの違いを学ぶ研修のあり方 研修を「知識を伝える」だけでなく「行動を変える」ものにすることです。 パワーハラスメントに当たるかどうかは、 1.優位な立場を利用しているか 2.業務として必要な範囲を超えているか 3.働く環境を悪くしているか という3つの要素を総合的に見て判断します。言動を並べたリストを単に覚えるだけでは対応できません。 管理職向けには、強い指導とパワハラの違いなど、判断が難しい事例を使ったケーススタディ型の研修や、可能であればプライバシーや個人情報の観点から社内事例の内容を少し変え、実際に社内で起こりうる事案を想定した定期的な研修が効果的だと考えます。 2.令和8年10月施行に向けたカスハラ・就活セクハラ対策 令和8年10月に始まるカスタマーハラスメントと求職者等に対するセクシュアルハラスメントへの対応です。今の時点でまだ手をつけていない会社もまだまだ多く、優先して取り組むべきテーマです。特にカスタマーハラスメントについては、お客様と接する部門や営業部門の従業員向けに、対応マニュアルの周知、録音・録画の方法、警察に通報する基準など、実践的な研修が急ぎ必要だと思います。 カスタマーハラスメントについては、お客様側から被害を受けた際の対応方法や社内フローを決め、その内容を周知徹底することで、いざ、という時にスムーズな対応に繋げることができると考えます。また、カスタマーハラスメントをする加害者側になっている場合、被害者側企業や担当者と、真摯に事実確認を行い、場合によっては加害者になっている従業員を懲戒処分にするなど、就業規則に一連の内容を全て記載しておくことが望まれます。 3.被害者を守るための初期相談対応と社内フローの徹底 相談窓口の担当者向けの研修だけでなく、上司や管理職あるいは先輩にあたる階層向けにも対応方法の研修をしっかりと実施することが大事だと考えます。カスタマーハラスメントだけでなく、その他ハラスメント事案については初期相談の対応の良し悪しが、被害者がさらに傷つく「二次被害」を防げるかどうかを左右します。話をよく聞く力や事実確認の進め方、行為者・被害者どちらにも配慮する姿勢など、慎重に内容を扱う必要があります。 また、ハラスメントの中には、特に繊細な内容が含まれてくる可能性のあるセクハラ等への対応として、社内フローの徹底が本当に大事になってきますので、研修で周知徹底が必要です。 まとめ 昔はここまでハラスメントについて世の中や企業側でも対応を求められてきませんでした。しかし、暑さの表現にも「酷暑」(こくしょ)という表現が新たに加わり、国を挙げて暑さ対策に取り組んでいるのと同じように、労災データを踏まえ国もなんとか働きやすい職場を作るためにハラスメント関連法の新たなルールが入り、その対応を我々は愚直にし続けることで、少しでも過ごしやすい会社、その集合体である世の中を作っていくことにつながることを信じで取り組んでいただきたいと考えています。 また、労災データが示す増加傾向や、2026年10月のカスハラ防止等への法律改正を良い機会と捉え、これまでも研修を実施されているかもしれませんが、備えあれば憂いなし、として改めて教育研修を企画し、これまで以上に効果的な対象の範囲や階層、実施の頻度を構築されていくことと期待しております。 参考:令和7年度『過労死等の労災補償状況』を公表します(令和8年7月15日公表)|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_74476.html 参考:事業主が講ずべき対策 ハラスメントパンフレット|厚生労働省・都道府県労働局雇用環境・均等部(室) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001338359.pdf 下村 勝光(しもむら かつみつ) MIRACREATION株式会社 取締役。社会保険労務士法人MIRACREATION 代表社員。 仕事を通じて「笑いと驚き」を提供したい!をコンセプトに、北浜にある大阪証券取引所ビル8Fを本拠地としつつ、日々テレワーク中。 「難しいことをおもしろくして」をモットーに、現場に即した具体的なアドバイスを受けられると経営者から人気を博しております。 生まれは茨城県、育ちは大阪。趣味はフルマラソンで何とか3時間28分台を目指しております。 関連記事 >あいまいな目標をなくすには?目標管理制度に必要な具体的な目標設定 >知っておくべき”はたらくトレンドキーワード” 〜社労士の視点と教育研修企画への活かし方〜 >【2026年10月施行】同一労働同一賃金ガイドライン改正による研修設計や施設手配等の実務 CO-MITでは、様々な目的から全国で研修・合宿施設の検索が行えます。 >研修合宿施設検索サイト「CO-MIT(コミット)」で施設検索する! また、ご希望の研修合宿を一括手配する「専門家に相談」サービスもご用意しております。 ホテルや研修センターをはじめ、全国のさまざまな施設と緊密に連携。研修や合宿の目的・日時・参加人数などを踏まえ、プロの視点から最適な施設および備品等の選定・提案・手配を進めます。 ぜひお気軽にご利用ください。 > 専門家に相談する! 記事一覧へ この記事を見た人はこの記事も見ています 【採用活動に影響大】就活ハラスメントを防ぐためのチェックリストと企業が取り組むべき対策をご紹介 2025.3.20 利用者増加中の「退職代行」を通じて企業や人事労務担当者が取るべき対応とは? 2025.1.22 人事担当者が知っておくべき「今後の人事労務関連の法律改正」と「求められる人材育成」について 2026.2.02 前の記事 目的から研修施設を探す 新人研修にオススメ 近くにゴルフ場がある 360°パノラマビューが見れる オフサイトミーティング チームビルディングに最適 BBQができる 研修パックあり 都内からのアクセスが良い その他の記事はこちら 企業研修からスポーツ合宿まで。団体予約を増やしたい施設様へ 2026.8.18 【西日本】アウトドア研修におすすめの施設特集|チームビルディングに最適 2026.7.29 あいまいな目標をなくすには?目標管理制度に必要な具体的な目標設定 2026.7.13 【関東近郊】20〜30名の宿泊研修・合宿に利用できる施設18選 2026.6.25 【西日本】一棟貸し切りができる宿泊研修施設特集|施設まるごと貸切で利用できる! 2026.6.22 関連タグ #MICE #アクティビティ #アフターコロナ #インセンティブ旅行(報奨旅行) #ウィズコロナ #オフサイトミーティング #オンライン研修 #コロナ対策 #チームビルディング #マニュアル・資料作成 #モチベーションUP #リーダー・主任・マネージャー #ワーケーション #中堅社員向け #人事・総務向け #労務管理 #失敗しない #新入社員向け #生産性UP #研修担当者向け #経営層・管理職向け #若手社員向け #計画・準備 #訪問レポート #越境学習 #非日常 SEARCH NOW CO-MITで施設探しをしてみませんか? CO-MITは“研修合宿のプロが選んだ、厳選された会場を「プロ目線で検索できる」”研修合宿施設の検索サイトです。 施設を検索してみる
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